みんなのケータイ

 今月、KDDI(au)とNTTドコモが夏モデルを発表した。すでに一部の端末は発売が開始されている。ソフトバンクモバイルは発表会を開催しなかったものの、23日に新モデル「AQUOS Xx 304SH」を発売した。今季モデルの多くは5インチ級の大画面ディスプレイを備え、2GHz超のクアッドコアCPUを搭載。大容量バッテリーを内蔵し、電池持ちにいっそう配慮された機種も増えた。もはや、ハードウェアのスペックでは選べない“横並び”状態になったようにも感じられた。

 そんな中で、メーカー各社が差別化を図っているのがカメラ。画素数は1000万画素以上が当たり前になり、画質が向上し、4Kビデオ撮影に対応する機種も増えた。一眼レフカメラで撮ったかのように背景や前景をぼかせる機能、進化したHDR、全方位のパノラマ写真を撮れる機能なども、新しい楽しさをもたらしてくれることだろう。

 筆者が愛用中のNexus 5も、有効画素数は800万画素で一世代前という印象ではあるが、結構“遊べる”と感じている。というわけで、今回はNexus 5のカメラについて書かせていただきたいと思う。

 最もユニークなのが「Photo Sphere」というパノラマ撮影機能。カメラの向きをゆっくり変えつつ複数の写真を撮影し、それを360度のパノラマ写真に合成するという仕組み。撮影には、かなり時間を要する(きっちり時間を測ったわけではないが1分以上はかかると思う)が、画面に表示されるガイドに従って隙間なく撮影すると、面白い写真に仕上がる。スマホの画面で再生すると、その場にいるような臨場感を味わえる仕掛け。プリントには適さないが、友人などに見せると驚いてもらえるはずだ。また、撮った写真(風景)を球状に加工することできる。これが楽しい。

 ちなみに、この「Photo Sphere」は、今夏に発売されるシャープ製のAQUOS夏モデルのカメラアプリにも「全天球撮影」機能として組み込まれている。

「Photo Sphere」のほかに「パノラマ」「レンズぼかし」を搭載。動画はフルHDでの撮影に対応している
画面に表示されるガイドに従って、カメラの向きを変えて全方向を撮影し、撮影を終えたらチェックマークをタップする
撮影を終えると、写真が合成される
完成した写真はスマホ画面で再生でき、向きを変えるだけで表示が切り替わる自動再生も可能
完成した写真をパソコンに取り込むこともできるが、全方位を平面に展開した写真になるため、このようないびつな景観になる
慌てて撮影したために、一部を取り損ねた失敗例
完成した写真で“小さな惑星”を作成することもできる
これが“小さな惑星”に変換した写真
撮影してから、ぼかしの度合いを調節できる

 一眼レフのように、とまでは言えないが、被写体が際立つように背景をぼかせる機能も楽しめる。「レンズぼかし」モードで撮影し、撮影後に画面に表示されるガイドに従って、端末を少し上に動かすだけ。ぼかしの度合いはあとで調整できる。今夏発売されるモデルにも同様の機能を搭載しているものがあるが、実際に使った印象では、Nexus 5のほうが簡単で手軽に楽しめると感じている。ただし、中央にある被写体にしかフォーカスを合わせることができず、カメラと被写体との距離によってもうまくいかないことはある。

 スマホのカメラは多彩な機能を備えているが、それらを活用せずにいる人が少なくないのでは? というか、筆者がそうなのだが……。実は「Photo Sphere」の楽しさに目覚めたのはごく最近。景色のいいところに旅行したときに撮っておけばよかったなぁなどと、今さら後悔しております。

通常モードで撮影した写真
「レンズぼかし」モードで撮影した写真