スマートフォンのモバイルバンキングはどう?
従来型ケータイからスマートフォンへ乗り換える際、気をつけたい点はいくつかある。たとえばアドレス帳、メールといった個人データ、そしておサイフケータイアプリといったところだ。しかし、実際乗り換えてみて、モバイルバンキングサービスが少し不便に感じられることに気づいた。
3大メガバンクのうち、スマートフォン向けサイトでモバイルバンキングが利用できるのは、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行で、三井住友銀行のスマートフォン向けサービスは金利照会や店舗・ATM検索などに限られる。いずれもブラウザから利用する形で、アプリではない。メガバンクに限って言えば、これまでiアプリ版モバイルバンキングサービスが用意されていて、ケータイでの操作は(パスワードだけのログインを含め)比較的スムーズに利用できたのだが、スマートフォン向けサイトはパソコン向けサイトと同等で、操作性でワンテンポ遅く感じられるほか、iアプリ版のほうが便利だったという印象を抱く場面もある。
たとえば電車に乗りながら(高速移動でハンドオーバーしながら)振込操作をする際、iアプリ版では特に不都合なく利用できたのに対し、スマートフォンサイトで操作すると、圏外が幾度か続くと(iアプリ版利用時では大丈夫だった環境で)セッションが途切れてログインからやり直し、となった。
もちろん全てのモバイルバンキングサービスが使いづらいわけではない。たとえばケータイ専業銀行のじぶん銀行のアプリは、預金の残高や入出金明細の確認まで行え、振込などはサイト上で操作する。アプリ導入時の本人認証のおかげで、サイトログイン時にはID(お客様番号)があらかじめ入力されるなど、パソコン版よりスムーズに使える。せめて、メガバンクとされる銀行だけでも、こうしたサービスは実現して欲しいところ。
こうして「サイトよりもネイティブアプリのほうが便利」と思えるのだが、HTML5の時代が本格的に到来すれば、ネイティブアプリとWebアプリの違いは少なくなるのだろうか。たとえばLTE方式の「Xi」に対応したスマートフォンで高速かつ低遅延な通信であれば、HTML5なアプリ(サービス)がより快適に、という期待も膨らむ。ただ、ユーザー全体のトラフィック増加傾向などを考えると、ある程度整った通信環境が前提となるであろうWebアプリの今後の可能性よりも、ローカルで動作するネイティブアプリのほうが快適、と言える状況がまだ当面続くのかもしれない。やや短絡的かもしれないが、やはりモバイルバンキングのスマートフォンアプリ版はぜひ提供して欲しいところだ。