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日本に上陸したシェアバイク「Mobike」に期待すること
2017年9月5日 06:00
中国発のシェアバイクサービス「Mobike」が、北海道札幌市でスタートしました。
Mobikeはいわゆるシェアバイクで、札幌市内でのサービスでは街中の「セイコーマート」(北海道を拠点とするコンビニエンスストア)など設置されたポートでレンタル、返却時もポートへ返却を行うことが基本となっています。
既に各地でシェアバイクサービスが提供されている中で、筆者がMobikeに期待しているのは、1つのアカウントで国内外の都市でMobikeサービスが利用できる点です。
Mobikeは、中国以外にも、シンガポール、マンチェスター、バンコクなどでサービスが提供開始されています。さらに、日本国内でも2017年年内に10都市への展開が目標とされており(ややハードル高いようにも思いますが……)、サービスが提供される都市が急速に広がっています。
Mobikeと同様に、国や都市を跨いで展開されているスマートフォン向けの交通系サービスの例としては「Grab」や「Uber」などの例があり、これらのサービスが提供されている都市では、料金や利用可能なサービスに違いはあるものの、基本的な使い方・サービス内容はほぼ変わらずにサービスを利用することができます。
使い慣れたサービスが海外の都市でも普段と同じように利用できると、特に言葉に不安のある海外では非常に心強く、頼れるサービスとなるのは、海外で同様のサービスに助けられた経験のある方には同意いただけるかと思います。
一方で、Mobike以外の事業者の例を挙げると、ドコモ・バイクシェアが提供しているサービスでは、自転車本体やシステムは各都市でほぼ同じものを使われていますが、サービスは相互に互換性がありません。
このため、例えば都内で「ちよくる」などのサービスを利用している方が、横浜市内で提供されている「baybike」や、広島市内にて提供されている「ぴーすくる」などのサービスを利用しようとしても、現時点では別々にアカウント登録やクレジットカード情報登録を行ってからサービスを利用する必要があり、旅行や出張などで滞在した際に「いつも使っている電動アシストつき自転車を、旅先でも気軽に利用できる」という状況にはなっていません。
ちよくるなどのドコモ・バイクシェア系のサービスが相互利用できないイメージは、各地域ごとに提供されている交通系ICカードに相互互換性が無かった時代を思い出してもらえればわかりやすいかもしれません。
これらのサービスが互換性が無く提供されているのを知らずに自転車をレンタルしようとすると、「あれ? 使えないの?」と不思議に感じるかもしれません。
今のところ、国内で提供されているドコモ・バイクシェア系のサービスを、同じアカウントで使えるようにするという動きは具体化していないようですが、Mobikeの上陸によって、既存の事業者にも良い刺激となり、両陣営のサービスが共に発展していくことに期待しています。