みんなのケータイ
CES取材で謎が残った「アメリカ放題」とApple SIMのプリペイドプラン
2017年1月27日 06:00
筆者は仕事の関係で、3キャリアのiPhone回線を維持している。そのうちau回線はメインの回線としてフルに使い倒していて、ドコモ回線は同一SIM/契約で使い回せることから、iPhoneとAndroidで兼用している。
しかし、ソフトバンク回線はというと、書籍執筆や速度測定などの検証が必要なときにしか使わないため、「ホワイトプラン」と段階制定額の「パケットし放題 for 4G LTE」で契約し、通信しない月の料金を節約している。セコい話だが、おかげで月額の維持費は最低1750円(月月割込み)で済んでいる。iPhone基本パックを解約すれば、さらに500円の節約も可能だ。
このあまり使わない筆者のソフトバンク回線も、毎年1月上旬(今年は1月5日〜8日)にラスベガスで開催されている家電の総合見本市「CES」では、「アメリカ放題」の通信回線として大活躍する。アメリカ放題は「ソフトバンクのiPhoneが米Sprintのネットワークを国内同様に利用できる」というサービスだ。ソフトバンクグループ傘下の米Sprintだからこそ提供できるイカしたサービスである。
現在、アメリカ放題はとくに契約や申し込みもなく、無料で利用できる。しかし今回、ちょっと不思議なことに気がついた。アメリカ放題では米Sprintネットワークでの通信量について、国内の通信量に加算されると思っていたのだが、これが加算されず、12月11日~1月10日の料金は最低金額(1750円)で済んでしまったのだ。オンラインの請求明細を見ると、通信使用量は0.01GB(16パケット≒2KB)となっている。パケットし放題の最低金額に収まる通信量だ。
一昨年のCESでアメリカ放題を使ったときは、海外での利用分も通信量としてカウントされたと思っていたが(過去の記事)、どうやら一昨年1月の請求は、往復の成田エクスプレスで使ったパケット消費だった可能性が高い。
ほかのプランでも同様かは不明で、今後仕様が変更されるかも知れないが、少なくとも2017年1月時点のパケットし放題(非フラット)契約では、国内で通信しないまま海外に持って行くと、通信量カウントされずに最低金額のまま運用できるようだ。
ただ、今回はApple SIMも利用したので、この便利なアメリカ放題も、予備回線的な扱いだった。筆者のホワイトプラン+パケットし放題の契約だと、テザリングには月額500円の「テザリングオプション」が必要になる。別回線でテザリングが使えるなら、ソフトバンク回線でテザリングオプションを契約せず、iPhone用の予備回線として使った方が安上がりだ。
Apple SIMでは米T-Mobileの「10ドルで5GB/5カ月」というプランを購入した。このプラン、初回価格(ほかのプランはもっと高い)、みたいな説明書きもあるのだが、同じApple SIMで一昨年、去年、今年と3年連続で契約できてしまった。なんだか不思議な気もするが、通常プランだと10ドルで1GB/1週間とかなので、非常にトクをしている。
また、iPhone/iPadはプランによってテザリングできないこともあったりするのだが、この5GB/5ヶ月のプランはテザリングが可能だ。ホテルのWi-Fiが壊滅的で、ホテルでの作業時はほぼこのiPad+Apple SIMの回線を使っていたが、それでもCES会期中に合計3.2GB程度で済んだ。いざとなったらアメリカ放題側のテザリングオプションを契約しようと思っていたが、その必要もなかった。
アメリカ放題とApple SIMは、アメリカ旅行では圧倒的に使いやすく、しかも安い。アメリカ放題はソフトバンクのiPhone(iPhone 6以降)、Apple SIMは対応iPadを持っていないとダメだが、そのいずれかを持っていてアメリカ旅行をするのであれば、使わない手はない便利なサービスだ。
Apple SIMについては、ほとんどの国では「GigSky」か「AlwaysOnline」などのやや割高なローミング専用サービスしか契約できないが、アメリカ(T-Mobileなど)だけでなくイギリス(EE)、ドイツ(T-Mobile)、香港(3)、そして日本(auとソフトバンク)において、比較的安価な現地のプリペイドプランを購入できる。しかもプラン購入前にWi-Fiなしでも「設定」アプリ上で契約手続きができてしまう。
アメリカやイギリス、ドイツ、香港への旅行の多い人は、Apple SIM目当てで対応iPadを買っても良いと思う。iPadシリーズは画面も大きいので地図なども見やすく、写真も取り込めて、それでいて本体も充電機材もそこそこ軽く、ケース類も充実しているので旅行にも向いている。ただし、海外では歩きながらiPadを使っていると、ひったくられるような場所も多いので、そのあたりはくれぐれも注意しよう。