みんなのケータイ

1台しかつなげないWi-Fiを逆転の発想でPCでテザリング

 米ラスベガスで開催された、CESの取材に行ってきました。今回は少し奮発して、いつもの安いモーテルではなく、ホテルに宿泊したのですが、そのホテルではWi-Fiが有料でした。価格は1日9ドルで、しかもつなげる端末は1台だけという制限付き。今回は2人で部屋をシェアしたのですが、2人あわせるとPC×2、タブレット×1、スマホ×4と、7台もつなげたい端末がありました。もし全部つなげるとしたら、1日63ドルもかかってしまう計算になります。事前にきちんと調べておかなかった自分のミスとはいえ、さすがにこの通信費は予算オーバー。かといって取材の写真データを大量に送信するのに、Wi-Fiが使えないのも困りものです。そこで1台しかつなげないWi-Fiを、なんとか7台でシェアできないか、考えてみました。

 ご存じのようにスマートフォンには、他の機器に回線をシェアできる「テザリング」という機能があります。通常は3Gや4Gといったモバイル回線を「Wi-Fiテザリング」でシェアする方法が一般的ですが、今回のようにつなぐ回線側がWi-Fiの場合は、「Wi-Fiテザリング」が使えません。USBでつなぐ「USBテザリング」か、Bluetoothでつなぐ「Bluetoothテザリング」を利用することになります。ただ、「USBテザリング」は安定していて高速な一方で、PCを1台だけしかつなぐことができません。また「Bluetoothテザリング」ではスマホの消費電力が少ない一方で、速度が低下するというデメリットがあります。今回のようにつなげたい機器が多い場合は、どちらもベストとは言い難く、残念ながらスマホでテザリングするというシェアの方法は諦めたほうが良さそうです。

 ちなみにスマートフォンでも、実はGalaxy S7 edgeであれば、「Wi-Fi共有」という特別な中継機能を使って、つなぐ回線側がWi-Fiでも「Wi-Fiテザリング」を使うことができます。筆者もGalaxy S7 edgeを所有しているので、本当はこの機能が使えればベストだったのですが、あいにく今回の取材にはGalaxy S7 edgeを持参していませんでした。荷物が多かったため、持参するスマホを少なくしようと考えたのが運の尽きでした。

Galaxy S7 edgeで、Wi-Fi接続中に設定のWi-Fiテザリングを開き、「その他」から「Wi-Fi共有」を選択。「Wi-Fi共有を有効にする」を選ぶとWi-Fiにつなぎながら、Wi-Fiテザリングが可能になります

 さて、「USBテザリング」や「Bluetoothテザリング」は条件にあわず、Galaxy S7 edgeも手元にないので、今回は逆転の発想でPCを使うことにしました。普段はスマホでテザリングし、PCをつないでいますが、今回はPCでテザリングし、スマホをつなぐという試みです。

 筆者も今回初めて使ってみのですが、Windows 10のネットワーク設定には「モバイル ホットスポット」という項目があり、これをオンにするととても簡単に、今PCでつながっている回線をWi-Fiを使ってシェアすることができます。接続先の回線がWi-FiであってもこれをWi-Fiで共有することが可能。しかも同時に8台までつなぐことができます。筆者のように、複数台のスマホやタブレットをつなぎたいというケースは稀かもしれませんが、有料のWi-FiスポットなどでPCをメインにつなぎつつ、スマホもちょこっとつなぎたいというときに知っていると便利な機能ではないでしょうか。

Wi-Fiに接続した状態で、「設定」>「ネットワークとインターネット」>「モバイル ホットスポット」で、「インターネット接続を他のデバイスと共有します」をオンに。ネットワーク名やネットワークパスワードは、好きなモノに編集できます。接続中の端末も表示されるのでひと目でわかります
このようなメッセージが表示された場合は、Wi-Fi接続が2.4GHzで行われているため、シェアする側のWi-Fiは5GHzになります。端末によっては5GHzのWi-Fiに対応していてもうまくつながらいことがあり、このあたりは今後、引き続き検証していきたいところです

 ただし、この機能にはひとつ注意があり、接続先のWi-Fiが2.4GHz帯を使用している場合は、シェアする側のWi-Fiが5GHz帯になってしまいます。最近は多くのスマホがWi-Fiの5GHz帯に対応していますが、機種によってはなぜかうまく接続できないケースもあるようです。実際に今回もiPhone 7 PlusやHUAWEI P9はつながるのに、他機種ではうまくつながらずに頭を悩ませました。このあたりは今後もいろいろ試してみたいと思います。