第445回:オートGPS とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「オートGPS」は、NTTドコモの2009年冬モデルで導入された新機能です。ユーザーの位置情報を定期的(5分間隔)かつ自動的に測位します。

概要

 これまで、携帯電話のGPS機能は、ユーザーが自発的に操作して、携帯電話のGP機能を使って現在地を測位してきましたが、オートGPSではユーザーが意識せずとも現在地を測位できるようになります。

 2009年11月に発表されたドコモの新機種のうち、N-02B、P-01B、F-01B、SH-01B、F-04B、N-01B、P-02B、F-02B、F-03B、SH-03Bの計10機種がこの機能を持っています。初期設定ではオフになっていますが、ユーザー自身の手でオートGPSをONにすると、iコンシェルやiアプリで、行動支援サービスを受けることができます。

 オートGPSを利用することで、コンテンツプロバイダが持つ、さまざまな情報を組み合わせて現在位置と時間に合わせた情報が提供できるようになります。

 たとえば、「雨が降りそうならアラートを発する」ように利用者が設定すれば、いわゆるゲリラ雷雨のような突発的な降雨のエリアに近づくと「あと5分後に雨が降ります」というようなお知らせをしたり、ユーザーの現在地によって自宅までの終電時刻を間近のタイミングで「終電が近づいています。そろそろ出発してください」と利用者に知らせることができるのです。

 iコンシェルのようなレコメンデーションサービスにとって、ユーザーが望んでいる通りの情報を提供するためには、ユーザーの属性や現在の状況、興味など、必要な情報を確保することは重要なことです。その意味で、特にiコンシェルにとっては、今回のオートGPSは、重要なターニングポイントとなることでしょう。

加速度センサーとGPSを利用、定期的にサーバーへ位置情報を発信

 オートGPSの技術的な原理は比較的簡単です。携帯電話が定期的に現在地を送信するのですが、iアプリの場合はコンテンツプロバイダーに、iコンシェルの場合はドコモのiコンシェルサーバーに送ります。iアプリの場合は、コンテンツプロバイダーが登録情報に基づいて情報配信を、iコンシェルの場合はiコンシェルサーバーがiコンシェルの「インフォメーション」(通知機能)で配信します。

 iアプリの場合、ユーザーにはメール、メッセージR、あるいはiアプリコールで通知できます。ちなみにiアプリコールは、UDPを利用してiアプリから複数人を呼び出せる機能で、対戦iアプリゲームなどで友人に参加を呼びかけるときなどに使われているiアプリオンラインでも使われています。

 この仕組みからわかるように、iアプリの場合、コンテンツプロバイダーには利用者の位置情報が直接渡されますが、iコンシェルでのサービスの場合、ドコモのiコンシェルサーバーだけに現在地が送信されるという形のため、コンテンツプロバイダーには、「誰がどこにいるか」という情報は伝わりません。

 また、iアプリコールが利用できることからもわかるように、オートGPSが利用できるのは、Starプロファイルに対応したiアプリDXのみとなっています。1台の携帯電話からは同時に、iコンシェルでの設定のほか、同時に3つまでのiアプリでオートGPS機能が利用できます。つまり最大4つのサービスまで同時にオートGPSを利用した機能が設定可能ということになります。

 端末側の定期的な位置情報発信ですが、これは、携帯電話内の通信システム、加速度センサー、GPSを使って測位を行います。

 まず初回GPSが現在位置を測位してから、5分間、携帯電話は加速度センサーと基地局情報を使って利用者が移動したかどうかをチェックしています。そして、もし、前回より約50m以上移動したと携帯電話が判断したら、前回から5分後に再度GPSによって位置測定を行い、位置情報を送信します。

 GPSを定期的に使うことで、使わないよりは電力を消費することにはなりますが、このような仕組みを採用することで定期的に位置情報を取得しながら、不必要な場合は、サーバには通知しないことで余分な測位と報告による電力の消費を抑えているのです。

 



(大和 哲)

2009/11/24 12:55