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予想以上に快適!! UXGAデュアルディスプレイ
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


贅沢な悩み!?

トリプルディスプレイ環境構築時は1系統のみデジタル出力で他2系統はアナログ出力となるのが悲しい。そこで!! UXGAデュアルディスプレイ化計画を発動!
 去年の春からトリプルディスプレイ環境で快適なコンピューティングをしていた俺。つまり、1台のWindowsマシンに3台のディスプレイを接続し、画面3枚分の広いデスクトップを使ってきた。

 俺的トリプルディスプレイ環境の詳細についてはスタパトロニクスMobileのバックナンバーをご参照いただきたいが、要はSXGA(1280×1,024ドット)表示のディスプレイを3枚横に並べて、横3,840×縦1,024ドットという非常に広大なデスクトップを使っていたのだ。

 で、快適であった。非常に快適でありまくった。
 が、人間というのは欲深であり、拙者などは人一倍欲深だと言えるがさておき、そのトリプルディスプレイ環境の快適さに慣れると、いくつかのアラが見えてきたりする。ココがイマイチなんだよなぁ俺のトリプルディスプレイ環境ってさぁ、てな感じで。

 例えば、俺の使っているビデオカードはMatrox Parheliaなのだが、コレって容易にトリプルディスプレイ環境を構築できてナイスではあるものの、トリプルディスプレイ環境構築時にはいくつか細かな制限が付く。具体的には、Parheliaからは2系統のデジタル(DVI-D)出力があるが、トリプルディスプレイ環境構築時は1系統のみデジタル出力で他2系統はアナログ出力となる───アナログ表示だとクッキリ感が下がったり滲んだりして悲しい。また、トリプルディスプレイ環境で使用時には、各ディスプレイの最大解像度がSXGA(1,280×1,024ドット)までとなる───UXGA(1,600×1,200ドット)のトリプルとかいうゴージャスなコトができなくて寂しい。

 でもまあ、トリプルディスプレイ環境って時点で非常に快適なのだ。また、そのようなトリプルディスプレイ環境をサクッと構築できちゃうParheliaはスゲぇナイスなビデオカードだと思う。「全部デジタルでつなげさせろ!!」とか「出力が3つともUXGA出力になれ!!」というのは、ちょっと贅沢な注文かもしれない。

 しかし、このトリプルディスプレイ環境を使い続けて半年以上経った頃、「んーコレはやっぱりどーしても不便でしょ不快でしょ良くないでしょ」と思えてならないイマイチさを痛感してしまった。そして、そのイマイチ点を我慢できなくなってしまった。


デスクトップ縦横比のバランス

 結論から言えば、俺のトリプルディスプレイ環境───SXGA×3枚というデスクトップ表示は、縦方向に狭い。

 SXGA(横1,280×縦1,024ドット)×3=横3,840×縦1,024ドットのデスクトップ領域となるが、コレはですねぇ、横は非常に広々して使いやすいんですよ。本連載バックナンバーでも書いてますけどねぇ、Webサイトを参照しつつ原稿を書きつつPDFファイルを広げるような使い方では最高に便利。一度に各ドキュメントを(ウィンドウ切り替え等ナシに)閲覧できまくりだからだ。

 また、サウンド編集ソフトやビデオ編集ソフトなどを使った場合、タイムライン等の横長トラックをワイドに見渡せて快適。作業中にウィンドウの横スクロールを行う回数が(シングルディスプレイ環境等と比べて)激減し、作業効率がマジですんげぇ高まる。

 しかし、この横3,840×縦1,024ドットのデスクトップ領域、縦方向の情報量に関しては大して良かぁねえのであった。縦1,024ドットってのは、当たり前だが、フツーのSXGA表示そのものなのである。縦方向の使い勝手に関しては、SXGAシングルディスプレイ環境と同じなのだ。

 要は横方向のドット数と縦方向のドット数の、バランスが悪い。正直なところ「横はもう少し狭くていいから、縦がもっと広くあって欲しいんですお願いっ!!」みたいな心境となった。間口は十二分に広いが高さがミョーに狭苦しい玄関、みたいな違和感がある。

 ならば縦方向を広くするしか!! ココは一発UXGA(横1,600×縦1,200ドット)表示のディスプレイを3枚買って、UXGAトリプル!! すなわち横4800×縦1,200の超広大デスクトップ環境を構築ッ!! とは思ったが、どうもUXGAトリプルを1枚で構築できるビデオカードってのは存在してないもよう。また、UXGA表示の液晶ディスプレイ(←CRTを3台ってのはスペース的にムリっス)も3枚買うとなると金額的に……。ついでに、現在の横3,840×縦1,024ドットというデスクトップの縦横比はバランスが悪いのだが、これが横4,800×縦1,200ドットになっても、まあ縦方向は広がるが、横方向も広がり過ぎってコトで、バランスの悪さもグレードアップしそうな予感。

 てなわけで、考えを改め、UXGA表示を2枚、UXGAデュアル環境を構築しよう!! と心を決めてみた。これなら、横3,200×縦1,200ドットとなる。現在の横3,840×縦1,024ドット───横が広すぎで縦が手狭というバランスの悪さをしっかり克服してくれそうだ。


もーちょっと待てば良かったァ~

 思い立ったが吉日ってことで、早速UXGA表示の液晶ディスプレイを2枚、大人買い。モノとしてはシャープのLL-T2015を購入した。ホントは、パネル品質高いらしいしピボットするしでLL-T2020が欲しかったんですけど、お値段お高め。LL-T2015は比較的に手頃感アリの価格で表示の応答速度も16msと高速(なので表示が動いた場合にチラツキが少ない)なので、これから買うならコッチかなぁ、と。

 そう思って大人買いしたのが去年の9月だったんですけど、結論から言えば早く手ぇ出し過ぎましたよ、UXGA液晶ディスプレイに。去年後半は後悔をひときわ強く感じましたよええ。いや、LL-T2015はナイスなディスプレイではある。が、去年9月頃は17~18万円したんですな、1枚で。ちなみに現在は1枚で16~17万円となる。

 で、この価格、去年の秋頃としては「かな~り安く買えるUXGA液晶」だったのだが、その後、去年の年末にかけて各社から激安系UXGA液晶が出まくり。とりわけ衝撃的だったのはDELLのUltra Sharp 2001FP HASという製品で、ナンと11万5000円かよマジかよ!! しかも入力端子類がすげー豊富だよ!! ていうかLL-T2015の俺購入価格と比べると、1枚につき5万円以上安いから2枚で10万円安いからとても安いからあうあうあうっ!! もう少し待ってから買えば……とか思いました。カッフン。

 しかし、いつまでも待ってちゃ始まらないってことで、UXGA×2枚な環境を得られたんだからソレでいいじゃないか>俺!! ということにして、残念感を払拭したりした去年年末なのであったがさておき、肝心のUXGAデュアル環境の使い勝手だが、コレはヒッジョーに良い!! 手前味噌だし我ながらだが、正しい選択だと感じた。


20.1インチUXGA液晶でデュアルったゼ!! の図。20.1インチ液晶2枚って、意外にコンパクトに収まる。17インチや19インチのトリプルよりもずっと省スペースだが、デスクトップ領域としてはSXGAトリプルの快適さに遜色ない。ディスプレイ自体はシャープのLL-T2015を使用した 今となっては安価さは感じられないシャープのLL-T2015だが、液晶の見やすさはナイス。視野角も比較的に広く、クッキリしたコントラストと応答速度の速さも快適。ただ、上位モデルの2020のようにピボットできるシクミを持ちながら、それを敢えて(差別化と思われる)で殺しているのは残念。それから、机上面ギリギリまで高さを下げられないのも残念だ

UXGAデュアルは予想以上に快適

 UXGA(横1,600×縦1,200ドット)表示のディスプレイを2台使って、デュアルディスプレイ環境を構築した俺。横3,200×縦1,200ドットというデスクトップが使えるようになったわけだが、コレったら実に快適!! かなり最高ッ!! ちなみに、以前と現在の表示環境を数値的に表わすと、以下のよーな感じになる。

デスクトップ領域総ドット数
以前(SXGAトリプル)横3,840×縦1,024ドット393万2,160
現在(UXGAデュアル)横3,200×縦1,200ドット384万


 デスクトップの縦横ドット数は、横が640ドットも減り、縦が176ドット増えただけだ。デスクトップ領域の総ドット数は以前よりも92,160ドット減っている。数値上、前の環境よりも劣化した感じなのだが、しかし、使い勝手がすっげー良くなった。

 まず、以前のSXGAトリプルディスプレイ環境でのイマイチ点───縦が狭いし横がヤケに広いというアンバランスさは、UXGAデュアルにしたことでほとんどノープロブレム化した。希望を含めた予想的結論から言えば、恐らくUXGAの縦表示を横に3枚並べたUXGAトリプル=横3,600×縦1,600のほーが快適感が高いと思うが、現状、比較的に容易に構築できる“高画素のマルチディスプレイ環境”としては、UXGAデュアルが最も優れていると思う。

 具体的にどのよーな点がイイのか、UXGAデュアルがSXGAトリプルに勝るのかと言えば、例えばWebページの表示だ。SXGA表示の場合、1枚のディスプレイ上にふたつのWebページを並べて表示させるには少々狭かった。が、UXGA表示の場合なら、多くのWebページをふたつ並べて表示できる。あるいは、1枚のディスプレイ上で、例えば文書やサムネイルのウィンドウをより大きくもしくは高密度に表示できる。

 なぜ1枚のディスプレイ上により広い表示領域があるとナイスかと言えば、マルチディスプレイ環境ってのは、たいてー絶対必ず、ディスプレイ額縁がデスクトップ等表示を物理的に分割するからだ。ウィンドウを物理的に分割するディスプレイ額縁は、何しろ表示を見にくくする。邪魔以外の何者でもない。この問題がない特殊な製品(ゲーム向けトリプルディスプレイみたいなもの)もあるが、そーゆーのは高いが、でも欲しいが、ともかく、マルチディスプレイ環境はデスクトップ領域こそ広大ではあるが、大雑把に言えば“個々のウィンドウは個々のディスプレイ上に収まるように表示させるのが現実的”というコトだ。2枚のディスプレイをまたいで表示されるWebページやテキストエディタは物凄く見にくいのである。

 ただ、ウィンドウ内の情報がテキストではなく図像等である場合、ウィンドウの上にディスプレイ額縁が来ちゃっても見にくくないケースがある。

 テキストなんかの場合だと、横方向等に並ぶ個々の情報に強い意味があるわけですな。それぞれの単語や文章等が、ディスプレイ額縁によって物理的に分割されてるとヒジョーに読みにくい=情報として扱いにくいヨ、と。

 しかし、図像等、並んだ情報全体の量や変化にこそ意味があるという場合、途中の表示がディスプレイ額縁に邪魔されても案外ダイジョーブ。「あー額縁があって情報が見にくい~」というコトよりも「情報の全体像を一発で把握できてイイ!!」という利便が勝る。

 とは言え、結局、多くのケースで“ウィンドウ表示は分割されてないほーがより快適に見られる”ってわけで、トリプル環境=画面上の分割点がふたつ、よりも、デュアル環境=画面上の分割点がひとつ、であるほうが何だかんだで快適ですな、と。アッタリマエのことなんですけどネ。

 あら。少々話が逸れたが、UXGA表示を2枚、つながってるデスクトップ領域(ていうか表示領域)として使えるのは、SXGAトリプルとの数値的な違い以上に、かな~り実用性が高いゼ、と。


左側半分にPDF、辞書、テキストエディタを並べ、右半分には資料のWebサイトを表示。UXGA表示×2なので、左右・上下の広さも十分にある。1枚の液晶ディスプレイ上にWebページを2ページ並べられる解像度が快適

画像ブラウザでサムネイル等を見つつ、レタッチソフトで画像を加工修正できたりする。UXGA表示なら1枚でも十分広く使えるが、これが2枚つながると、広さに加え、画面切り替えの手間が減って作業がよりいっそうはかどる

縦のドット数はかな~り重要!!

俺の結論としては、UXGAデュアルは意外なほどイイ感じ!!
 UXGAデュアル環境を使い始めてつくづく感じるのは、ディスプレイの縦のドット数ってのはヒジョーに大事だなぁということ。また、数値上、ほんの少しに見えるドット数の違いでも、実用上大きな違いになるということだ。

 前述通り、SXGAトリプルとUXGAデュアルを比べると“デスクトップの縦横ドット数は横が640ドット減って縦が176ドット増えた”ことになる。この数値だけ見ると、横が640ドットも失われたゼ~ッ!! そして縦はたった176ドット増えただけかよ!! けっこーな金かけてSXGAトリプル→UXGAデュアルにしたのに、なんか失われたドット数のほーが多い気がする!! いや実際、総ドット数は前より9万2160ドットも減ってるんだよ!! 悲しいかも!! とか思えたりする。

 が、使い勝手は明らかにUXGAデュアルの方が良い。
 縦方向の広さに関しては、SXGAトリプルからUXGAデュアルにして、たったの176ドットだけ増えた。のだが、この176ドットが、強い快適感をもたらした。例えば、テキストエディタで表示可能な行数がずいぶん増えた───SXGA表示の時は39~40行程度の行数表示だったが、UXGA表示にしたら46~47行も表示できる。数値上では7行アップで地味だが、この7行増しがけっこー快感。校正時等、マウスに手を置く(ホイール操作する)回数がずいぶん減った感じなのだ。

 また、サウンドやビデオの編集ソフトにおいて、一望できるトラック数が増えたこと(モノにもよるが2~3トラックは確実に増える感覚)も嬉しい。SXGAトリプルの時のデスクトップ領域は横3,840×縦1,024ドットで、UXGAデュアルにしたら横3,200×縦1,200ドットとなった。前述通り、縦が176ドット増して、その分、縦方向に並ぶトラック表示が増えるのだが、それ以上の体感差がある。作業上、複数のトラックを見比べることが多いからだと思う。

 結論から言えば、比較的に多くの処理において、横方向の広さってそーんなに多くは必要ないんですな、と。一方、縦方向の広さってこれまで足りてなかったのかも、と。

 てなわけで、UXGAデュアルが意外なほどイイってことで満足している最近の拙者。もちろん、1枚でUXGAトリプルを実現できるビデオカードが出てきたりしたら、UXGAトリプル環境に挑戦してみたいわけだが、あと縦表示で横3枚並べのUXGAトリプルなんかも試してみたいわけだが、それとマルチとかじゃなくて1枚で横4,000×縦3,000みたいなデカい液晶ディスプレイなんかが“安く”出たら飛びついていきたいわけだが、ともあれ、現状においてはUXGAデュアルが俺の体質にピッタリ合った表示環境だなぁと思ったりしている。


横方向の広さは音声や動画を編集する時に、トラックの長さが稼げて便利。同時に、縦方向の解像度も高いので、トラック数を増やしても画面の狭さを感じない

Web三昧の図。やや演出過多なサンプル画面ではあるが、ネット通販で激安物品を探すときはWebブラウザを複数ページ同時に閲覧できると(値段やサービスをじっくり見比べられて)便利だったりする


URL
  LL-T2015製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/products/llt2015/index.html

2004/01/05 13:23

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