本日の一品
楽天モバイルの固定回線利用にも適した、バンド固定のできる据置型のLTEルーター
2021年2月4日 06:00
アイ・オー・データ機器にモバイル回線を固定回線として活用できるモバイル回線用LTEルーター「WN-CS300FR」がある。昨年発売された機器だが、ファームウェアのアップデートでバンド固定の設定ができ、楽天モバイルでの利用が便利になったので早速ポチってみたのだ。
固定用なのにモバイルとは矛盾しているが、モバイル回線を使って固定回線のような使い勝手が実現できるルーターという意味で、AC電源で利用でき、有線LAN端子がついているなどの特徴がある。
同種の製品としては他社でも出ているほか、クレードルが用意された通常のモバイルルーターでもほぼ同じことができる。しかし、今回紹介の「WN-CS300FR」はモバイル回線のバンド(周波数帯)の固定ができることが最大の特徴となる。
バンドを固定できることで何か便利なのかといえば、非常にピンポイントな需要だが、楽天モバイルのRakuten UN-LIMITで利用する際、通信容量が無制限の楽天回線の電波を掴みっぱなしにできることだ。
Rakuten UN-LIMITの場合、バンド固定がなければ、電波の強さによってはパートナー回線(au回線)につながってしまい、月間5GBの高速通信という制約にぶつかってしまう。au回線で月間5GBを超えても最大1Mbpsの通信はできるので、全く通信できないわけではないが、動画を高画質で見ることはできなくなり、まして複数の機器からアクセスすると動画の視聴も怪しくなってくる。
特に楽天回線の電波が弱めで、au回線の電波が強めという場所では、楽天回線に固定する術がないといつのまにかau回線になり、5GBの容量を消費し1Mbps制限がかかってしまうのだ。
前置きが長くなった。届いた「WN-CS300FR」のファームウェアは古いものだったが、SIMを入れてインターネットに接続すると自動で更新され、バンド固定利用が可能になった。
そこで、早速、Rakuten UN-LIMITを固定回線がわりに使ってみた。WN-CS300FRにRakuten UN-LIMITのSIMを挿入、固定するバンドはRakuten回線のバンド3に設定した。普段は光ファイバーの回線に接続しているルーターのインターネット側にWN-CS300FRのLAN端子を接続、家族中の通信をRakuten UN-LIMITで行なうようにしてみた。
速度については、数十Mbpsは簡単に出るため非常に快適で、速度テストの数値を求めたり、大容量ファイルをダウンロードするような使い方でもなければ、光ファイバーと快適さはほとんど変わらない。動画配信でも全く問題なく再生できるほか、2~3台のパソコンやスマホを接続しても快適さはあまり変わらなかった。
しかし、かなりのデータ量を使ったために3日目にして速度制限を食らってしまった。速度がおおむね3Mbpsに制限され、動画を見るには少し心もとない速さになり、誰か1人が動画視聴をしていると、ほかの通信の快適さが大幅に落ちるほどになってしまった。
以上がRakuten UN-LIMITで使った結果だが、大量のデータ利用を想定した固定回線代わりにはならないが、ほどほどの利用ならかなり快適に利用できそうで、現時点でベストマッチな組み合わせのルーターであることは間違いなさそうだ。
もちろんWN-CS300FRは、今話題の20GBで2480~2980円のようなモバイル回線でも利用可能で、ドコモ、au、ソフトバンク、そして今回試した楽天モバイルの各社のネットワークに対応している。Rakuten UN-LIMITのほかには、auのpovoで使い、動画を見ると決めた日だけ24時間データ使い放題を申し込むといった使い方にも適している。
製品名 | 発売元 | 価格 |
---|---|---|
WN-CS300FR | アイ・オー・データ機器 | 15300円 |