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「931SH」レビュー
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マルチメディア機能満載のハイスペックAQUOSケータイ
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「931SH」は、タッチパネルを採用したシャープ製のスライド式AQUOSケータイだ。3.8インチ、ハーフXGAサイズの大きなディスプレイを使ったマルチメディア機能が充実したモデルで、ソフトバンクの新サービス「モバイルウィジェット」などに対応する。今回は、「931SH」の特徴を紹介しよう。
■ 外観・デザイン
「931SH」は、3.8インチ、1024×480ドット(ハーフXGAサイズ)、最大26万色表示のNewモバイルASV液晶を搭載したスライド式端末だ。ディスプレイを指でタッチして操作できるタッチインターフェイスを採用し、iPhoneなどと同様、画面の複数箇所をタッチして操作できるマルチタッチスクリーンとなっている。感圧式のディスプレイではないため、スタイラスなどは利用できない。端末には、「FULLTOUCH(フルタッチ)」という愛称が付けられている。
本体を閉じた状態(クローズドポジション)からスライドさせると、操作キーや数字ボタンが現れる。数字ボタンは山型に傾斜しており押下感が得られるが、各ボタンが間隔なく配置されていて、タッチタイピングには少し慣れが必要かもしれない。
本体の背面には520万画素CMOSカメラを搭載し、周辺にフォトライトなども用意されている。バッテリーカバーにはおサイフケータイのFeliCaマークがあり、ソフトバンクのロゴなどもあしらわれている。バッテリーカバーを外した先に最大8GB対応のmicroSDHCカードスロットが用意されており、カバーは外す必要があるが、バッテリーを外すことなくメモリカードが挿入できる。
側面部には平型イヤホン端子のほか、サイドボタンを搭載する。側面のボタンで通話時の音量調節や、マナーモード設定が行えるほか、カメラ機能のシャッターボタンとしても利用できる。また、短押しで誤作動防止のロック機能、長押しでのぞき見防止機能「ベールビュー」の設定が可能だ。
端末の下部には外部接続端子を装備し、上部には赤外線ポート、ワンセグ用の伸縮式アンテナ、ストラップホールなどが用意されている。
大きさは約52×115×16mmで、重さは約130g。ソフトバンクの秋冬モデルでは「OMNIA 930SC」や「Touch Pro X05HT」などと並び大きなサイズの端末となっている。ボディ正面がほぼディスプレイで占められているため、大きく感じやすいこともあるだろう。
ただし、厚みはあるが幅は52mmに収まっており、片手操作が可能なモデルとなっている。ホールド感については、店頭で使用感を確かめてみることをお勧めする。ボディカラーは、ブラック、シルバー、ピンクゴールド、レッドの4色展開となる。
■ ハーフXGAサイズのタッチパネル
ディスプレイは、携帯電話に搭載されるものとしては現時点でおそらく最大クラスとなる、3.8インチ、1024×480ドット(ハーフXGAサイズ)、最大26万色表示のNewモバイルASV液晶を搭載する。大型ディスプレイとタッチパネルを活かして携帯電話の操作が行える。
端末にはモーションコントロールセンサーを搭載し、端末を横にすると、自動的に横画面用のレイアウトで表示される。また、タッチ操作時に端末を微振動させて、タッチしたかどうかを判断しやすく設定できる。マナーモード中は振動設定を解除させることも可能だ。メールなどの文字入力はハードウェアキーボードのほか、ソフトウェアキーでも行えるが、振動設定にしておいた方が文字が入力しやすい印象だ。
「931SH」では、多くの操作がタッチパネルで行える。ディスプレイを軽く1回タッチするタップ操作や、2回連続でタッチするダブルタップ、ボタンの長押しのように一定時間アイコンなどをタッチし続けるロングタッチに対応する。
また、画像やWebブラウザなどでは、2本指でタッチして指を開くと拡大、閉じると縮小操作が可能な「ピンチ」操作や、パソコンのドラッグ&ドロップのように、アイコンを移動させられる。画面のスクロール時はフリック操作が可能で、たとえば、下にスクロールしたい場合は、反対方向の上に指をはじくことで画面がなめらかにスクロールする。
Yahoo!ケータイやフルブラウザでは、ロングタッチすると、ポップアップで画面の一部が拡大表示される。リンク先の項目が密集していて指では選択しにくい場合などに、拡大表示したままカーソルを合わせて指を離すと、リンク先などにアクセスしやすくなる。もちろんピンチ操作で画面を拡大するなどしてタッチしやすいようにすることも可能だ。
さらにカメラ機能は、画面を上下になぞることでズームイン/アウト(5Mサイズ除く)、左右になぞることで明るさ補正、画面をタップした場所にオートフォーカスのピントを合わせるといった操作が行える。
■ モバイルウィジェット
ソフトバンクの秋冬モデルの発表会では、新サービス「モバイルウィジェット」が発表された。「モバイルウィジェット」は、待受画面に貼り付けられるさまざまなツールを提供する携帯電話向けのウィジェットサービスだ。ACCESSの「NetFront Widgets」をベースとしたもので、現行のラインナップでは「931SH」のみの対応となる。
ウィジェットは、コンテンツプロバイダーなどが提供しており、ソフトバンクのウィジェットストアなどからダウンロードできる。ダウンロードしたウィジェットの中から、利用したいものを待受画面にドラッグ&ドロップして配置する。ウィジェットのほかに、各機能へのショートカットアイコンも同じように配置できる。
ウィジェットは1画面で3つまで設定できる。待受画面の上に透明のシートがあるようなイメージで、待受画面を画像などを変更することなく、左右になぞることで、最大4枚のシートを切り替えられる。1台の端末で、4シート×3ウィジェット、最大12ウィジェットまで設定できることになる。
なお、ウィジェットストアで現在配信されているツールの多くは無料で利用できるもの。キャラクターコンテンツなどを展開するコンテンツプロバイダーなどは有料配信を行っている。
開発に必要な情報やツールは無料で公開されており、一般ユーザーも開発が可能。審査を通せば、ウィジェットストアやACCESSのNetFront Widgetsのコミュニティなどで配信できる。現状ではまだまだラインナップ数が限られているものの、今後の対応端末の拡大などによって便利でユニークなウィジェットの登場を期待したいところだ。
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ウィジェットとショートカットを配置
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横画面にも対応
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■ 充実した機能
「931SH」は、多くの機能に対応している。AQUOSケータイのブランド名を冠しており、ワンセグ機能は、映像調整および色調補正機能搭載の「SV+エンジン」を搭載、コントラスト比も2000:1とメリハリの効いた映像が得やすくなっている。
明るさセンサーも用意されており、屋外でのも視聴しやすいよう明るさを自動調整する。また、録画予約機能や、視聴予約機能などが利用可能で、タイムシフト再生、追っかけ再生機能なども利用できる。ワンセグの連続視聴時間は約4時間。
カメラは有効画素数520万画素のCMOSカメラを搭載。手ブレ補正対応のオートフォーカス機能も利用できる。35mmフィルムカメラ換算で29mm相当のレンズを装備し、広角撮影が行える。
なお、顔検出機能も利用可能で、最大5人までの顔を認識する。ピントを合わせたい人物を選んでタッチ操作で選んで撮影し、プレビュー画面で逆光補正も行える。パノラマ撮影や名刺読み取り撮影などにも対応。撮影した画像に落書きする機能なども用意されている。撮影時の使用感はおおむね良好だが、手ブレ補正をオートにしておくと、プレビュー表示までに少し待たされる場合がある。
さらに、GPSにも対応し、大きな画面で地図表示などが可能。おサイフケータイなどにも対応する。
音楽機能はAACやノンセキュアAAC、WMA形式などにも対応する。音楽の連続再生時間は約17時間となる。サウンド面では、ヤマハの高音質化技術「Sound Tuning System」を採用し、イヤホン装着時などに性能を発揮する。また、ダイマジック社のサラウンド技術「EUPHONY」によって、疲れにくい臨場感のある音が再現できるという。
文字入力の際の変換エンジンには「ケータイShoin7」を採用する。英文字入力の予測変換に対応しているほか、ビジネスとプライベートなどで変換候補を切り替えることも可能だ。
また、文字入力中やブラウジング中には、内蔵する国語/英和/和英辞典から検索できる「スマートリンク辞書」なども利用できる。のぞき見防止機能「新ベールビュー」などにも対応する。
通信方式は下り3.6MbpsのHSDPA方式に対応。海外ではW-CDMA方式のほかに、GSM方式(900/1800/1900MHz)でも利用できる。データフォルダの容量は100MB。赤外線通信(IrSimple/IrSS)やBluetooth(Ver2.0)などに対応する。AQUOSファミリンク地対応機器が操作できる「ファミリンクリモコン for AQUOS」なども利用可能だ。
連続通話時間は約250分で、連続待受時間約340時間。なお、「931SH」では電池マークの表示が%表示などに対応している。
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5Mサイズの撮影サンプル。リンク先の画像は無加工
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■ 盛りだくさんの機能を使いこなしたい人に
「931SH」は、ソフトバンクの秋冬モデルの中で、何でもできるモデルを選ぶとすれば、一番に候補に挙げたいモデルと言えるだろう。タッチパネルを使った操作はレスポンスも良く、トレンドの機能を搭載しただけのものではないと感じられる。
ただし、端末サイズにはボリュームがあるため、手の小さいユーザーや女性ユーザーは店頭などで使用感を確かめてみることをお勧めしたい。また、モバイルウィジェットは、待受画面をユーザーオリジナルのポータルにするにはもってこいのサービスだが、サービスが開始されたばかりということもあり、今後の拡充に期待したいところもある。
大画面ということで、バッテリーについても気になるところだが、率直な感想を言えば、「思った以上に長持ちする」といった印象だ。通常の携帯電話よりも、機能によるバッテリーの消費具合にばらつきがあるようで、利用スタイルなどによって体感的な端末の動作時間が違ってくるのかもしれない。
また、タッチパネルということで、iPhone 3Gなども購入時の比較対象となるかもしれない。「931SH」はiPhoneとは異なり、携帯電話の進化の形といった印象だ。文字入力時はソフトウェアキーよりも、やはりハードウェアキーでの入力が簡単で正確だ。用途に応じてソフトキーもハードキーも選べる点は、非常に使い勝手がいい。
ほとんどの機能がタッチパネルで操作可能で、携帯電話で利用できる多くの機能に対応した“全部入り”モデルとなっている。ソフトバンクのラインナップでは数少ないGPS対応モデルでもある。インターフェイスもこれまでの携帯電話の流れを組むものなので、安心感もあるだろう。販売方式の変更によって、数年使う携帯電話選びが求められている。携帯電話に多くを求めるユーザーには、盛りだくさんな機能が搭載された「931SH」をお勧めしたいところだ。
■ URL
製品情報(ソフトバンク)
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/931sh/
製品情報(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/sb931sh/
■ 関連記事
・ シャープが考えるカメラ付きケータイとタッチUI
・ 3.8型ハーフXGAのタッチ液晶搭載フルスライダー「931SH」
(津田 啓夢)
2008/12/16 18:26
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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