ワイモバイルのスマートフォン第1弾として、ファーウェイ製の「STREAM S 302HW」が投入された。Yahoo! JAPANのアプリが多数プリインストールされるなど、ソフトウェア面でも充実しているのが魅力だ。第3回目となる今回はSTREAM Sについて、そのソフトウェア面のレビューをお届けする。
ホーム画面などの基本ユーザーインターフェース部分には、ファーウェイ独自のEmotion UIを採用している。ファーウェイのグローバルモデルが採用しているのと同じものだ。
ホーム画面は一見すると普通だが、実は個性的な仕様となっている。Androidではショートカットとウィジェットを貼り付けるホーム画面と、全アプリのアイコンがズラリと並ぶアプリ一覧画面の2画面構成としている端末が多いが、Emotion UIではホーム画面とアプリ一覧画面が統合されている。
ホーム画面のメインのページ | ホーム画面の2ページ目。アプリがフォルダに分類されている | ホーム画面の左ページはウィジェットが設定されている |
すべてのアプリのアイコンがホーム画面にあるので、アプリを探すときはページをめくっていくだけでよいのでわかりやすい。Androidとしては珍しい仕様だが、かなり使い勝手がよく、なんでこっちが標準仕様じゃないのかと疑問に思ってしまうくらいだ。
ホーム画面がアプリのアイコンであふれてしまいそうだが、プリインストールアプリはすべてジャンルなどで最初から分類されているので、標準状態ではホーム画面は3ページ(うち1ページはウィジェットのみ)しか使っていない。
フォルダに入っているプリインストールアプリ |
アプリをたくさんインストールすると、整理するのが若干面倒とも思われるかもしれないが、アプリ一覧画面を採用する端末でもこまめな整理が必要なのは同じこと。むしろホーム画面とアプリ一覧画面が別々だと、整理する手間が2重になってしまうので、1回の整理で済むEmotion UIの方がよほど使いやすい。
頻繁に使うアプリは頻繁に表示させるページに集中して配置し、あまり使わないアプリは別のページのフォルダに入れておく、といった整理をしておくとよいだろう。アプリやフォルダ、ウィジェットの移動は、ロングタッチからのドラッグでも可能だが、ホーム編集画面に切り替えると連続して移動させやすくなる。また、ホーム画面のページの順番を入れ替えたりもできるなど、編集がしやすいのも魅力だ。
ホーム画面編集。アイコンを整理するときに便利 | ホーム画面のページ編集画面。ホームボタンで表示されるメインページを変更したりできる |
そして、ホーム画面は標準的な形式に加え、シンプルなタイルデザインの形式にも切り替えられる。こちらではウィジェットやフォルダを使えないなどの制限があるが、配置するアプリや連絡先は自分で好きなようにカスタマイズすることもできる。主に初心者向けの機能だが、操作しやすくなっているので、利用するアプリが限定されているなら、誰でも便利に使えるだろう。
STREAM SにはAndroid標準のアプリ以外にも、Yahoo! JAPANのアプリが多数プリインストールされている。
ワイモバイルのメールアプリは、標準のメールアプリとして、ホーム画面下部のランチャーに登録されている。このアプリではワイモバイル標準の「○△□@yahoo.ne.jp」メアドの「Y!mobileメール」を利用できる。このアプリにはIMAPのメールアカウントを追加登録できるので、たいていのメールはこのアプリひとつで済ませることも可能だ。もちろんGmailアプリやPOP対応のメールアプリもプリインストールされていて、MMSのメールサービスも利用できる。
メールアプリの隣に登録されているブラウザアプリは、一見するとAndroidの標準ブラウザのようにも見えるが、実はYahoo! JAPANのブラウザアプリだったりする。標準ブラウザは「ツール」フォルダに、Chromeは「Google」フォルダに入っているので、好みに応じてそちらを使ってもよい。
ほかにも、Yahoo! JAPANの乗換案内やニュース、防災速報、最適化ツール、ヤフオクなど、さまざまなYahoo! JAPAN関連アプリがプリインストールされている。Yahoo! JAPANのアプリだけでなく、FacebookやTwitterなど、サードパーティの定番アプリも多数インストールされている。
これらのアプリは基本的にGoogle Playでダウンロード・更新ができるので、わざわざプリインストールしておかないでも、と思うかもしれない。しかし、初心者にとっては、すぐに各種定番アプリを使い始めることができるのが大きなポイントだ。初心者はまずアプリをインストールできるように設定するまでが意外と大変なのだ。
一方で、これらのプリインストールアプリはほとんどがアンインストール・再インストールできるので、上級者にとっては自分なりにカスタマイズしやすいのもありがたい。
ソフト面で見ると、ファーウェイ独自のEmotion UIがSTREAM Sの特徴となっている。アプリ一覧画面と統合されたホーム画面は、Androidの標準的なホーム画面とは異なる構造ではあるものの、標準的なものに比べてアプリを探しやすく、整理もしやすい。基本的な使い勝手自体は一般的なので、ほかのスマートフォンに慣れている人も、逆にスマートフォン初心者でも、操作で戸惑うことはないだろう。
プリインストールアプリは少ないわけではないが、「使わないのに消せない」みたいなアプリがないのは上級者にとっては嬉しいポイントだ。
STREAM Sは、上級者から初心者までを広くサポートできるソフトウェアを持った、万人向けのスマートフォンといえるだろう。
(白根雅彦)