新キャリアとして注目を集めるワイモバイルから発表されたスマートフォンの「STREAM S」をお借りすることができたので、レビューをお届けする。
ファーウェイといえば、日本ではピンとこない人もいるかもしれないが、グローバルマーケットではスマートフォンのシェア3位へと急成長中の通信機器メーカーだ。中国のメーカーで、漢字で書くと「華為」、英語表記だと「Huawei」となっている。
“中国メーカー=値段は安いけど技術も低め”というイメージを抱く人がいるかもしれないが、ファーウェイはそのイメージにマッチしない。ファーウェイはその従業員の約半数が研究開発部門のスタッフという、高い技術力と製品開発力を持ったメーカーでもある。
スマートフォン以外では、全キャリアがファーウェイ製のモバイルWi-Fiルーターを発売しており、そのジャンルでは高いシェアを誇っている。ファーウェイブランドは知らないけどファーウェイ端末(たいてい型番に「HW」が付いている)を使っている、という人もいるのでは。国内ではモバイルWi-Fiルーターだけでなく、フォトフレームでもファーウェイのシェアは高い。
また、各キャリアのニーズに応えた製品カスタマイズも得意としているので、日本仕様に細かく対応した製品を投入している。一般消費者の目に付きにくいところでも高い開発力を発揮しているのも、ファーウェイならではの特徴だ。
さらに、ファーウェイは基地局などインフラ機器でも強いメーカーだ。世界中の通信事業者がファーウェイのインフラ製品を導入していて、ワイモバイルもファーウェイの基地局を採用している。新しいネットワークサービスが開始される際、ファーウェイの端末がラインナップされることが多いのは、ファーウェイが基地局なども手がけ、3G/LTEで高い技術力を持っているから、というのも理由のひとつなのだ。
STREAM Sのディスプレイは4.7インチ、1280×720のHD解像度だ。最近は5インチ超えのモデルではフルHD解像度が当たり前になっているが、STREAM Sは4.7インチということもあり、解像度の低さは感じない。肉眼で違いがわかる人はほとんどいないだろう。液晶はその特性上、高精細になると消費電力が増えるので、このサイズならばHD解像度の方がありがたい。
4.7インチという画面サイズは、大きすぎず小さすぎず、ちょうど良いサイズ感だ。5インチ超えのスマートフォンだと片手で操作するとき、画面の隅に指が届かなくて困ることがあるが、STREAM Sくらいのサイズだと、そういったことがない。またWebなどを表示するときも、文字が小さくて困ることもない。
サイズは約66(W)×133(H)×6.8(D)mmで重さは約110gと、4.7インチクラスのほかのモデルと比較すると薄くて軽く、4.2インチクラスに匹敵するほどだ。5インチクラスのスマートフォンに慣れていると、手にしたときに「軽いっ!!」と驚かされた。
デザイン面では、左右側面と上端、表裏面と下端がそれぞれ曲面でつながる独特な形状となっている。これは最近のファーウェイスマートフォンが共通で採用しているデザインだ。側面が垂直になっているところなどは他社のスマホとも似ているが、下端のデザインが個性的でおもしろい。側面は金属パーツを使っているとのことだが、分割線が入っているので、無線アンテナを兼用していると思われる。
スペックに関しては、チップセットはハイシリコン製の最大1.6GHzクアッドコア、システムメモリは2GB、内蔵ストレージは8GBと不足はない。OSは最新のAndroid 4.4だ。
カメラのスペックもおもしろい。アウトカメラは裏面照射の800万画素と標準的なスペックだが、インカメラは500万画素とアウトカメラ並みのセンサーを搭載している。自分撮りを重視する人には見逃せないポイントだろう。
STREAM Sはスタンダードで扱いやすい端末だ。画面は4.7インチと十分な大きさで、プロセッサなどはハイエンドクラスとほぼ同じと、スペック面で不足を感じることはないだろう。
一方で4.7インチのスマートフォンとしてはかなり軽くて薄いデザインになっているのも魅力だ。やはり日常的に持ち運ぶものなので、少しでも軽い方が嬉しい。とくにシャツやジャケットのポケットに入れて持ち運ぶとき、この軽さは何にも代えがたい。「画面はもっと大きい方が良い」と考えている人も、STREAM Sの軽さを店頭などで確認して欲しい。
第3回目はSTREAM Sのソフトウェアについてレビューをお届けする予定だ。
(白根雅彦)