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今のスマホがそのまま使える? 意外に簡単な格安スマホの始め方を動画で解説!

動画配信やオンラインゲームで知られるDMMが通信事業に参入した。その名も「DMM mobile」。NTTドコモから回線提供を受けており、SIMフリーのスマートフォンはもちろん、手持ちのNTTドコモ製端末が使えるので、意外なほど手軽に「格安SIM生活」を始めることができる。

その一方で「どこで手続きすればいいの?」「申し込みが難しいんじゃない?」「安いけどちゃんと使えるの?」 そんな不安をお持ちの方もいるかも知れない。そこで今回は、実際の手続きの流れを動画でご紹介していこう。後半では、端末の使用感についてのミニレポートもお届けする。

(本稿における価格表記はすべて税別です)

意外と忘れがち? ドコモ端末はそのまま使えます

DMM mobileWebサイト内の「動作確認端末一覧」では、ドコモ製端末についての情報も提供している

DMM mobileは、NTTドコモから通信回線を借り受けているMVNO(仮想移動体通信事業者)だ。申し込みを受け付けるウェブサイトやアフターサポート体制はDMMが独自に構築しているが、サービスエリアなどについては基本的にドコモと同等と考えてよい。

よって、NTTドコモから発売されたスマートフォンは、原則としてそのままDMM mobileでも使える。もちろん、ドコモ独自のサービスであるspモードに関連したアプリなどは利用できなくなるが、ウェブブラウザーや汎用のメールアプリ、Google Playからダウンロードしたアプリに関してはそういった制限がない。DMM mobileとNTTドコモ製スマートフォンの組み合わせは、意外なほど理に適ったものなのだ。

DMM mobileの「動作確認端末一覧」のページでは、過去に発売されたドコモ端末についての動作検証情報を載せている。テザリングの可否や、アンテナピクトが正常表示されるかといった情報もあるので、一度ぜひチェックしてみよう。

SIMとスマホのセット販売も充実! 最大5000円分のポイント還元キャンペーンも

もちろん、DMM mobileの契約に合わせて新たに端末を購入するのもOKだ。DMM mobileでは現在、スマートフォン5機種、タブレット1機種をラインナップしており、通信回線契約の手続きと同時にセット購入できるようになっている。

3月2日からは、端末セット販売のキャンペーンが開始される。DMM mobileへの新規加入もしくは追加契約時に端末をセット購入すると、その機種に応じたDMMポイントが還元される。中でも、通常価格2万8800円の「freetel XM」、同3万2400円の「LG G2mini」の2機種は還元ポイントが5000円分。つまり、10%以上お得となる。

HUAWEI Ascend G6
LG G2mini
freetel XM
ASUS Nexus7(2013)
ASUS Zenfone5
HUAWEI Ascend Mate7

キャンペーン期間は3月31日まで。音声通話対応SIMカード/データ専用SIMカードどちらとのセット購入に対しても適用される。

1GBデータSIMプラン&Ascend Mate7を実際に注文!

では、DMM mobileの申し込み法を見ていこう。今回はDMM mobileのプランの中で最も安価な月額660円の「データSIMプラン(1GB)」を新規契約し、端末としてHUAWEI(ファーウェイ)の大画面スマートフォン「Ascend Mate7」をセット購入してみた。なお、DMM mobileの価格や機能については前回の記事をご覧いただきたい。

新規に会員登録してからログインし、購入までの操作

既存会員としてログインし、購入までの操作

いかがだったろうか? 一連の手続きにかかった時間はおよそ10分程度。クレジットカードさえ手元にあれば、あとは一般的な通販サイトでの注文手続きとほぼ同じだ。難しい入力項目はほぼない。ある意味、店頭で申込書にペン書きするより楽かもしれない(?)

注文から着荷まではどれくらい?

無事、荷物が到着

申し込みの完了直後には確認メールが届いた。続いて、その24時間以内に新規契約手数料のクレジット決済報告メールが到着。これが確認できれば、あとは基本的に待つだけ。

注文から4日目。今度は商品発送日についての告知メールが届く。このメールには到着予定日と荷物用の問い合わせ番号が記載されていた。どうやら注文7日目に届くようだ。加えて「到着予定日の午前9時頃に開通処理いたします」との記述もあった。焦る気持ちを抑えて再び待つ…。

そして、注文7日目の当日。クロネコヤマト便で荷物が無事到着! 発送告知から実際の到着までに中2日あってヤキモキしたが、これは配送にあたって日時指定が行われた影響のようだ。恐らく、到着日と開通処理日を合わせるため配慮だろう。

注文時点での説明によると、注文から配送までの日数は5営業日ほど。今回は、祝日を挟んだ影響もあってか、多少遅くなったようだが、それ以外には特にトラブルもなかった。

伝票はこんな感じ
段ボールの中に端末とSIMカードのパッケージが入っていた
SIMカードの保護シートにはDMM mobileのロゴ
SIMカードそのものにはドコモのロゴ

SIM&端末が届いたらどうする?

これがAscend Mate7。大画面!

SIMカードと端末が届いたら、続いてはセットアップ作業だ。Ascend Mate7は左側面の上方にmicroSIMカードスロットがあるので、付属の専用ピンでこれを開ける。台紙から外したSIMカードを表裏に注意してセットすれば準備完了。電源をオンにしよう。

このあとはAPNの設定を行う。格安MVNO初心者にはチンプンカンプンかもしれないが、ようは電波の接続先の設定だ。SIMカードに付属する説明書に設定値などが書かれているので、これを入力する。

SIMカードを正しく装着した状態。ちなみに、もう1つのトレーはmicroSDカード用
APN設定の方法は添付の資料に記載されている。SIMカード用トレーの開け方はAscend Mate7のマニュアルを参照のこと

ただし、今回購入したAscend Mate7には、DMM mobile用の設定値があらかじめ登録されていたので、メニューから選ぶだけと非常に簡単だった。手持ちのドコモ端末をDMM mobileで使う場合は手入力する必要がある。

筆者の場合、SIMカード挿入直後は電波のつかみ具合が若干不安定だったが、一度端末を再起動した後は何の問題もなく使えている。

Mate7にはDMM mobileの設定が登録済み。これを選ぶだけでOKだ

準備完了! 街に出て試すぞ!

街に出て色々と試してみました

Ascend Mate7でDMM mobileが無事使えるようになった。せっかくなので街に持ち出し、その使い勝手を試してみた。

まずはお約束(?)の秋葉原へ。いつものウェブサイトにアクセスしたり、SNSアプリを使ってみたが、使用感は変わらない。ドコモ回線を使っているのだから当然と言えば当然なのだが、改めて「普段使い」の中での通信品質が実感できた。

また、肝心のAscend Mate7の使用感も良好だ。片手持ちはさすがに厳しいが、その大きさゆえにバッテリーは安心感がある。大画面にも目を惹かれるし、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)からの乗換組にはかなりインパクトのある端末だろう。

続いては、JR東京駅周辺に電車で移動。午後0時台というお昼休み時間帯だったこともあり、駅から5分ほどの丸の内仲通りに足を運んでみた。当日は小雨模様だったものの、いかにも「これからランチだ!」という会社員がそこかしこに。この間も時折立ち止まりながら通信を試してみたが、いつもと同じ感覚で利用できた。

電車に乗って東京駅へ
昼休み中の丸の内仲通りでも問題なく使えました(当然!)

さらにこの後、そばのカフェでコーヒーを飲んだり、高層ビルロビーのスペースで休憩する際など、事あるごとに利用感を試してみたが、特に困る場面もなかった。

この日は都合8時間ほどAscend Mate7とDMM mobile回線を使用。念のためドコモ契約のスマートフォンを持参していたので、例えば「DMMだけアクセスできず、ドコモならOK」のような場所があるかにも注意してみたが、今回の検証の中では遭遇しなかった。

別の日にはなるが、スピードテストも試してみた。この際、端末は前述のAscend Mate7を使用し、SIMカードだけを入れ替えることで、DMM mobileとNTTドコモの回線(カケホーダイプラン・moperaU・データMパックを適用)で速度差が出るか試してみた。アプリは「ドコモスピードテスト」を使用し、各SIMカードで5回ずつ測定している。

金曜日の夜遅く、しかも駅周辺とあって周りは多くの人でごった返す中での計測ではあったが、DMM mobileとNTTドコモ回線で極端な差が出ていなかった。

なお、1台の端末にSIMカードを適宜入れ替えながらのテストとなったため、完全な同時間帯での比較ではない点にご留意いただきたい。あくまでも「とある時間帯・地域における参考値」とお考えいただければ幸いだ。

繰り返しとなるが、DMM mobileはNTTドコモ回線を使用したサービスだ。よって、すでにドコモ回線を契約していて、日常的に使いたい場所…例えばオフィスや自宅などで電波の届き具合などに不満がなければ、DMM mobileに移行しても何の遜色なく利用できると考えてよいだろう。

通信量チャージは簡単! 高速データ通信をあえてオフにする機能も

DMM mobileは契約初月、料金の日割りを行うが、通信容量についても同様に日割りされる。契約コースは1GBなのだが、月半ばからの開通となったため、高速通信容量も500MBでのスタートとなった。その影響もあって、スピードテストを繰り返した結果、気付けば残りは20MB。ちなみに、残量はDMM mobileのマイページからほぼリアルタイムにチェックできる。

万一この高速通信容量を使い切っても、以後、月末までは最大200kbpsまでの低速通信だが、通信自体は引き続き利用できる。これを月内に回復させたい場合は通信容量の追加チャージを行おう。料金は100MB/200円、500MB/600円、1000MB(1GB)/1100円だ。このチャージ分の有効期限は3ヵ月後の末日となっている。

手続きは簡単で、さきほどのマイページからプルダウンメニューを選び、決定するだけ。サクッと完了させられるので、逆に使いすぎには注意しよう(?)

高速データ通信容量が残り20MB。 そんな時は追加チャージ
「マイページ」から簡単にチャージできる
購入容量はすぐさま反映される

さて、スマートフォンの利用形態によっては、200kbpsの低速通信でもいい、あるいは高速データ容量を保留しておきたい場合もあるだろう。そんな時は同じくマイページで「高速データ通信」をオフにしておくといい。こうすると、高速データ通信容量を減らすことなく、200kbps通信を続けられる。

高速データ通信の有効期限表示のすぐ下に、通信速度の切り替えボタンがある

DMM mobileでは200kbps通信時にバースト機能が効くため、通信開始直後の一定量だけは高速通信してくれる。軽めのWebサイトの閲覧はこれが効果を発揮する。また、低容量の長時間通信…例えばラジオのストリーミング聴取などは、200kbpsでもほとんど問題ない(※)。

※:低速通信でも3日間の通信量が合計366MBを超えると制限がかかってしまう場合がある。その際、高速データ容量が残っていれば、高速データ通信をオンにすると制限は解除される。

高速データ通信を手動でオフにする機能は、大手携帯電話会社にはない機能だ。慣れるまでは仕組みが分かりづらいかも知れないが、通信料金の削減に大きな効果がある。切り替えも簡単なので、ぜひ積極的に使ってみてほしい。

また、DMM mobileではテザリング機能も使える。端末側の対応が必要となる場合もあるが、ノートPCやゲーム機でインターネット通信したい場合には重宝するだろう。

Ascend Mate7のテザリング設定画面
WindowsノートPCでテザリング

ドコモ端末でも使えた!

DMM mobileのSIMカードをドコモ端末である「GALAXY S III α SC-03E」に装着した状態。画面上部にはしっかり「LTE」の表示

記事の冒頭でも触れたが、DMM mobileのSIMカードはドコモのスマートフォンにも装着して使える。そこで、筆者の手元にあった「GALAXY S III α SC-03E」(2012年冬モデル)で使えるか、実際に試してみた。

SIMカードの形状は、Mate7もGALAXY S III αも同じmicro SIMなので、物理的にはまったく問題なし。APNの設定もサポートページを参考に入力。スマートフォンに慣れた人なら難しくないだろう。

APNの設定画面

結論だが、あっけないほど簡単に使えた。もちろん、GALAXY S III αにプリインストールしているドコモ回線向けサービス(spモードメールなど)は利用できないが、Web閲覧、Google Playからダウンロードしたアプリなどの利用は問題ない。

これまで、筆者のGALAXY S III αはデータ通信未契約のまま、自宅専用の無線LANマシンとして運用していた。しかし、画面右上のアンテナピクト部分に「LTE」の表示がしっかり出ているのをみると、まだまだ現役で頑張れそう。1契約に対してSIMカードを複数枚発行してくれる「シェアプラン」と組み合わせたり、スマートフォンを使ったことがない老親に端末ごと貸してみるとか、使い道もいろいろありそうだ。

まとめ

ここまで、DMM mobileの申し込みから、実際の利用までを見てきた。データ通信SIMカードの注文手順は、一般的な通販とほとんど変わらず。最低利用期間は利用開始月の月末までと非常に短いので、とにかく気軽に使い始めることができた。

これが音声通話対応SIMカードとなると 本人確認用の書類を提出したり、もう少し手間が増える。しかし、ヘルプ記事がしっかり用意されているし、万一の時は電話サポート窓口もある。落ち着いて作業すれば、手続き自体はそれほど難しくないはずだ。

また、DMM mobileをドコモ端末で使うという方法も、想像以上に意義がありそうだ。手元で余っていたものならコストはゼロ。極論すれば、現在ドコモを契約している人が、MNPでDMM mobileに移行し、端末をそのまま流用してもいい。「好きな端末なんだけど、ドコモの通話定額プランはちょっと使いづらいんだよなぁ…」そんな人には、まさにジャストフィットするだろう。

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