携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度が10月24日より開始される。MNPに参加するNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルは、MNP開始に向けて多数の新端末やサービスを発表しており、ユーザーにとってはさまざまな選択肢が登場している状況だ。
MNPという制度自体は、10月24日以降いつでも利用できるので、現在利用しているキャリアとの契約状況や、気になるサービスの登場、新端末の発売など、ユーザーそれぞれが最適と思うタイミングで利用するのがベストだろう。
しかし、これまでMNP制度を待ち望んでいたユーザーにとっては10月24日が待ち遠しいのも確か。そこで本稿では、キャリアにとってはアピールしづらく、各社のWebサイトでもほとんど情報が公開されていない“現在のキャリアからの転出方法”についてまとめてみた。
なお、本稿執筆時点では、NTTドコモ、KDDIが専用Webページで転出を含めたMNPの案内を行なっている。ソフトバンクモバイルはWebサイト上で転出に関する案内を行なっていないので、利用を検討している段階のユーザーは、本稿を参考に店頭やサポートセンターで詳細を確認するといいだろう。
キャリアからMNPの事前予約キャンペーンとして案内されているのは、そのキャリアへ転入する際のもの。MNPでは最終的に現在利用しているキャリアからの転出の手続きが必要になるが、こちらには事前の予約サービスなどはなく、受付手続きは3キャリアとも24日より開始される。つまり一般的な「MNPの開始」とは転出手続きの開始を意味していることになる。
転出の手続きにより発行される番号は「MNP予約番号」と呼ばれるが、これは転出の事前予約の意味ではなく、MNPを利用する際の番号そのものである。新しいキャリアへの転入の手続きが完了して初めてMNPの利用が完了するため、転出手続きだけを行なった時点では“予約”扱いということになる。
■受付窓口は3種類、24日は9時から開始
では、実際に転出する場合、どこでどのように申し込めばいいのだろうか。まず、MNP開始日の24日は、午前9時から受付が開始される。窓口は3キャリアとも共通で、電話(コールセンター)、キャリアのショップ(ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクショップ)、そしてWebサイトの3つの窓口が用意される。コールセンターでの受付時間は3キャリア共通で、9時~20時。店頭での受付は各店舗の営業時間による。
Webサイトでの受付時間は3キャリアとも24日の9時から開始される。24日以降の受付時間は、ドコモはメンテナンス時を除き24時間。KDDI、ソフトバンクは9時~21時30分の間に受付を行なう。
ドコモはパソコン向け「My DoCoMo」と携帯向け「ドコモeサイト」で受付を行なう。KDDIはEZwebの「auお客さまサポート」で、ソフトバンクは携帯向けの「My Softbank」で受付を行なう。ソフトバンクのパソコン向け「My Softbank」で転出の受付を行なうかどうかは未定となっている。
■「MNP予約番号」の発行、Webや電話が手軽
発行されたMNP予約番号は、基本的にコールセンター・店頭では口頭で伝えられ、店頭では紙面で手渡される場合もある。Webサイトでは画面にMNP予約番号が表示される。ドコモはWebサイト、コールセンターで手続きを行なった場合、書類の郵送での通知も行なう。KDDIは携帯電話から「157」にダイヤルして手続きを行なった場合、Cメールでも通知される。ソフトバンクではWebサイトで手続きを行なった場合、SMSでも通知される。
MNP予約番号が発行された後、番号が分からなくなってしまった場合は、コールセンターやキャリアショップで問い合わせるか、手続きを行なったWebサイトにアクセスすることでMNP予約番号を確認できる。MNP予約番号は発行日を含めて15日間が有効期間で、その間に転入手続きを行なわなかった場合は無効になる。転出の意向がある場合は再度、転出の手続きを行なう必要がある。
MNPの転出の手続きに伴う本人確認は、解約手続きに準ずるものとなる。Webサイトでの受付は事前の認証・登録が必要なページで行なわれるため、特別な本人確認は行なわれない予定。コールセンター、店頭では本人確認に必要な個人情報を伝えることになり、店頭では免許証などの本人確認書類が必要になる場合がある。
■転出の手数料は利用料に合算
MNP予約番号が発行されると、基本的にはすぐに転入手続きが行なえるようになる。手続きを行なうユーザーが殺到し混雑した場合は別だが、仕組みとしてはMNP予約番号が発行されればすぐに転入手続きが開始できる。
転出に際しては、3キャリアとも2,100円の手数料が発生する。この手数料は転出元キャリアの利用料に合算されて請求される。
なお、KDDI、ソフトバンクのプリペイドサービスのユーザーがMNPを利用して移行する場合、転出の受付は店頭のみで、手数料も店頭で支払う。ドコモのプリペイドサービス(プリコール/新規受付は終了)は、MNPの対象外となっている。
MNPを利用する場合、転入するキャリアを決めて、その後に転出の手続きを行なう、というのが一般的な順番になるだろう。上記ではキャリアショップでの対応も含めて紹介しているが、パソコンや携帯、コールセンターで転出の手続きを済ませれば、キャリアショップに足を運ぶ手間も省ける。また、転入の予約を済ませたユーザーには、現在のキャリアからの転出を含めた一連の手続きが案内された書類も送付される。移行先キャリアへの転入の手続きと端末の購入は、量販店などを含めた各携帯販売店で行なえるので、端末を購入したい店舗に足を運ぶといいだろう。
■Web、電話の転出手続きの窓口(24日~)
NTTドコモ | KDDI | ソフトバンク | ||
Webサイト | 携帯サイト | iモード | EZweb | Yahoo!ケータイ |
ドコモeサイト | auお客様サポート | My Softbank | ||
PCサイト | My DoCoMo | - | - | |
受付時間 | 24時間 (24日は9:00~) | 9:00~21:30 | ||
電話 | 携帯から | 151 | 157 | *5533 |
一 般電話から | 0120-800-000 | 0077-75470 | 0800-100-5533 | |
受付時間 | 9:00~20:00 | |||
MNP案内ページ | MNPガイド | MNP総合サイト | MNP プレキャンペーン |
(太田 亮三)
2006/10/19