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法林岳之の「F209i」速報レビュー
遊び心いっぱいのお楽しみケータイ

■噂の209シリーズがいよいよ登場

 NTTドコモから主力モデル「209」シリーズの3機種が発売された。従来、iモードを搭載してきた50xシリーズに対し、20xシリーズはiモードを搭載していなかったが、209シリーズからはiモードが標準装備となっている。209シリーズ第一弾として、富士通製「F209i」、NEC製「N209i」、松下通信工業製「P209i」の出荷が開始された。今回は3機種の内、唯一カラー液晶搭載モデルであるF209iを試用することができたので、そのレポートをお送りしよう。


■209シリーズと502シリーズの違い

F209i
 NTTドコモ『デジタル・ムーバF209i HYPER』。3万4000円、125(H)×40(W)×15(D)mm、約63g。

 6月14日にNTTドコモから発表された「209シリーズ」。地域によって、若干の差はあるが、これから夏のボーナス商戦に向けて、各地域で販売が開始される予定だ。

 今回の209シリーズ最大の特徴と言えば、やはり、iモードを標準搭載したことだ。NTTドコモはこれまで、iモード搭載モデルに50xシリーズ、従来の800MHzデジタルPDC方式のラインアップに208シリーズという型番を与えていた。ユーザーにしてみれば、当然、iモードサービスの有無によって、2つのシリーズ名が与えられ、住み分けをしていると解釈していたが、今回の209シリーズの登場により、その解釈は完全に覆されている。また、209シリーズを見てみると、502シリーズによく似たデザインや機能を採用しているものが多く、両シリーズの位置付けがますますわからなくなってしまいそうだ。

 しかし、209シリーズと502シリーズの何が違うのかを見てみると、少し方向性が見えてくる。たとえば、209シリーズはPCやPDAなどと組み合わせて利用するパケット通信モードをサポートしているのに対し、502シリーズはiモードでのみパケット通信を利用する。液晶ディスプレイなどのスペックは502シリーズの方が上回るものが多く、逆に209シリーズはボディを軽量コンパクトにまとめている。おそらく、今後は20xシリーズ(次は210シリーズ?)を標準的なモデルと位置付け、50xシリーズを高機能な端末として進化させていくのではないかと見られる。また、iモードについては、留守番電話サービスなどと同じサービスのひとつとして扱われるということだろう。iモードか、非iモードかでシリーズ名をわけるのではなく、ユーザーの利用スタイルやニーズによって、シリーズを分けていこうという考えなのではないだろうか。


■209シリーズ3機種唯一のカラー液晶搭載

F209iとF502i
 左がF209i、右がF502i。外見上では中央のマルチカーソルキーの形が大きく変わっている。同じカラー液晶とは言え、実際に画面を見比べてみると、全体的な明るさが増し、発色も良くなり、視認性はグッと向上。

 さて、前置きはこれくらいにして、注目のF209iを見てみよう。基本的なスペックについては、NTTドコモや富士通のホームページ、後日掲載予定の「ケータイ新製品SHOWCASE」を参考にしてもらいたい。

 まず、F209iは今回発売された209シリーズ3機種の内、唯一、カラー液晶を搭載している。開発元の富士通は昨年11月に発売されたF502iで、PDC方式の携帯電話初のカラー液晶を搭載したが、F209にも最大256色表示が可能なSTNカラー液晶が搭載されている。同じカラー液晶とは言え、実際に画面を見比べてみると、全体的な明るさが増し、発色も良くなり、視認性はグッと向上している。液晶ディスプレイのサイズもまったく同じだが、液晶回りのデザイン処理が変わったためか、見た目は少し大きくなった印象を受ける。

 ボディは若干薄くなり、平べったい感じだ。外見上では中央のマルチカーソルキーの形が大きく変わっている。ボタン類のサイズは同じだが、よく見てみると、iモード端末ではおなじみの「i」ボタンが存在しない。F209iではiモードを呼び出すとき、マルチカーソルキーの上方向を押すと表示される仕様になっている。


ファインシルバーとエアリーブルー
 ボタン回りに書かれている文字がファインシルバーが日本語であるのに対し、エアリーブルーはアルファベットによるローマ字。中央のマルチカーソルキー回りの処理も違い、ファインシルバーはボディと同じシルバーが塗装されているのに対し、エアリーブルーは透けたデザインになっている。

 F209iはファインシルバーとエアリーブルーの2つのボディカラーが販売されているが、実はこの2色のモデルは色以外にも細かい部分に違いがある。たとえば、ボタン回りに書かれている文字がファインシルバーが日本語であるのに対し、エアリーブルーはアルファベットによるローマ字。どことなく輸出モデルのようで、カッコいいような気もする。また、中央のマルチカーソルキー回りの処理も違い、ファインシルバーはボディと同じシルバーが塗装されているのに対し、エアリーブルーは透けたデザインになっている。こうしたカラーバリエーションの違いででデザインを変えるという手法は非常に珍しいが、個性を主張したい消費者の心情をよく理解した考え方と言えそうだ。

 マルチカーソルキーの中央には、メール関係の機能をワンタッチで呼び出せる[メール/決定]キーが装備されている。こうしたメールキーは他の一部の機種でも採用されているが、F209iのそれは機能の決定キーも兼ねている。また、この中央部分はメール着信や音声通話の呼び出しに応じてフラッシュさせることも可能だ。マルチカーソルキーそのものの操作性は好みがあるが、筆者としてはF502iよりも使いやすいという印象が得られた。



■「きゃらいふ」「4和音着信メロディ」は楽しい

 F209iの機能はどうだろうか。まず、トピックとなるのが「きゃらいふ」というキャラクター機能だ。4種類のオリジナルキャラクターを設定することにより、メール送受信時や着信時などに、いろいろなアニメーションを見せてくれる。使い込んでいくと、キャラクターの動きにも変化が出てくるんだとか。また、キャラクターを使ったパズルなどのミニゲームも用意されており、iモードとは別に「暇つぶし」ができるのはうれしい。ちなみに、こうしたキャラクター機能としては、J-フォンのデンソー製「J-DN02」の“まめぞう”が知られているが、F209iはカラーで描かれているため、楽しさがかなり違う。

 着信メロディはFM音源+4和音対応となっており、ダウンロードサービスにも対応している。この4和音着信メロディは「N502i」やDDI-セルラー/IDOの「C302H」と同じヤマハ製の音源チップで実現しており、起動音から着信音まで、非常に多彩な音が楽しめる。着信メロディは固定曲が5曲、作曲エリアが10曲用意されているのだが、個人的に気に入ったのが固定曲の「西部警察」、作曲エリアの「禿山の一夜」の2つ。西部警察は石原プロの面々が出演していたテレビ朝日系列の刑事ドラマだが、テーマソングが鳴り出すと、気分はもう思わず渡哲也って感じで、とにかく気合いが入る(笑)。対する「禿山の一夜」はちょっとホラーな印象のクラシックの名曲で、メモリ別着信動作の設定で苦手なヤツや嫌いなヤツの専用着信メロディとして割り当てると、ブラックで楽しいかも。

 ちなみに、F209iではF502i同様、着信した相手の電話番号やメールに応じて、着信音や画像データを割り当てることができる。着信メロディなら21種類、画像データはは10種類から選ぶことが可能だ。筆者もF502iを使っていたとき、何人かの友だちのメモリダイヤルに画像データを割り当てたりしていたが、なかなか面白かった記憶がある。

 メール作成やiモードコンテンツの操作は、基本的にF502iと共通で、「www.」「.ne.jp」「.co.jp」などの文字列も入力しやすく、定型文もフォルダ単位で管理されており、使いやすい。日本語入力も自分が頻繁に使う単語を最大100件まで登録できる辞書機能も搭載されている。

 この他にも、F209iにはパケット通信機能などの便利な機能が搭載されており、外見のシンプルさとは裏腹に、なかなか使い応えのある端末として仕上げられている。

ちゃっぴー ピート
ふかぷー とと
 4種類のオリジナルキャラクターを設定することにより、メール送受信時や着信時などに、いろいろなアニメーションを見せてくれる「きゃらいふ」機能。

■やっぱり、これからはカラーでしょ

 今回、F209iを試用して感じたことは、「やっぱ、これからはもうカラーでしょ」ということだ。昨年末、F502iとJ-SH02が登場して始まったカラー液晶ケータイの流れも今回のF209iの登場で、セカンドステージが始まったことになる。F209iはカラー液晶の特長を活かした機能を充実させており、ただ単に色が付いただけではないという印象が得られた。画面サイズこそ小さいが、そこにはカラーである楽しさが詰まっている。もちろん、筆者も個人的に購入する予定だ。

 さて、最後に、いつものようにF209iの買いの診断をしてみよう。まず、F209iをおすすめしたいのは着信メロディやきゃらいふのように、遊べるケータイの機能を重視したい人だ。デザインやボディカラー、画面サイズなども確かに重要だけど、ケータイは「使ってナンボ」のもん。F209iはカラー液晶であることを活かした機能がしっかり搭載されていて、実用的かつ楽しいケータイに仕上げられている。

 また、買い換えユーザーだが、筆者と同じように、昨年末にF502iを購入したユーザーはかなり迷うところだ。見た目は大きく変わらないが、F502iよりも確実に進歩している部分があり、正直に言ってしまうと完成度は一枚上手だ。前述の「実用的なお楽しみ機能」に惹かれる人は迷わず「買い」だが、それ以外の人は実際に動作する端末などで触ってみてから購入を検討してみるのもいいだろう。モノクロ液晶を搭載したiモード端末のユーザーの買い換えも同様だ。


■スペック表

F208 F502i F209i
外観 F208 F502i F209i
端末仕様
サイズ(高×幅×厚) 約125×40×17mm 約125×40×19mm 約125×40×15mm
重量 約65g 約71g 約63g
連続通話時間 約130分 約130分 約135分
連続待受時間 約320時間 約340時間 約450時間
充電時間 約110分 約110分 約110分
電池パック容量 530mAh 530mAh 570mAh(内蔵電池パック方式に)
液晶 モノクロ 256色カラー 256色カラー
表示文字数 6文字×3行 8文字×7行 8文字×7行
表示ドット数 97×64ドット 96×108ドット 96×108ドット
ボディカラー ルミナスシルバー
シルキーブルー
シルキーホワイト
プライムシルバー
エアリーブルー
ファインシルバー
スペック
メモリダイヤル 700件 500件 700件
音声ダイヤル 10件 5件 10件
着信メロディ 3和音
16曲
固定5曲、作曲10曲
3和音
15曲
固定5曲、作曲5曲
4和音(FM音源)
16曲
固定5曲、作曲ダウンロード10曲
着信パターン 6種類 6種類 6種類
リダイヤル 10件 10件 20件
不在着信 10件 10件 20件
着信履歴 10件 10件 20件
バイブパターン 3種類 3種類 3種類
受信ショートメール 100件 99件(iモードメールと共用) 99件(iモードメールと共用)
送信ショートメール 10件 10件(iモードメールとは別) 30件(iモードメールと共用)
ユーザ定型文 20件 20件 100件
iモードのスペック
メールアドレス 500件 700件
受信メール 99件 99件
送信メール 30件 30件
メッセージR/F 40件 20件
ブックマーク 30件 30件
画面メモ 30画面 30画面
キャッシュ 10画面 10画面

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きゃらいふボールペン F209iの開発元である富士通様のご厚意により、読者のみなさまに「きゃらいふ」に登場するオリジナルキャラクターのボールペンを抽選で25名様に4本1セットでプレゼントします。

 欲しい方は、件名(Subject)に「F209i」、本文にお名前を記入したメールを「k-tai-present@impress.co.jp」宛にお送りください。締切は6月28日正午。当選者には後日送付先確認のメールを配信いたします。


■URL
・F209iニュースリリース(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/00/whatnew0613.html
・F209i商品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/i/lineup/f209i/f209i.html
・F209i商品情報(富士通)
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/Products/telcom/mobileworld/product/index_docomo.html
・「ドコモ、DoPaにも対応したiモード端末209iシリーズ3機種発売」(ケータイ Watch)
http://k-tai.impress.co.jp/news/2000/06/13/209i.htm

法林岳之
2000/06/21


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