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俺のケータイ of the Year 2006

筆 者 編


 ケータイ Watchの筆者が選んだケータイ of the Yearです。使い方や好みによって、ベストケータイは人それぞれ。このコーナーでは、そうした個人的な見地から、2007年のベストケータイを選んでいます。読者のみなさまの投票で決定された「読者が選ぶ ケータイ of the Year 2007」もぜひご覧ください。

【筆者の選出機種一覧】
法林岳之
N904i
NTTドコモ
N904i
スタパ齋藤
W53CA
au
W53CA
白根雅彦
913SH G
ソフトバンク
913SH G TYPE-CHAR

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 法林岳之: NTTドコモ 「N904i」

N904i

 昨年のMNP開始というイベントに引き続き、イー・モバイルの新規参入、モバイルビジネス研究会を巡る騒動、アイピーモバイルの免許返上など、さまざまな動きが見られたケータイ業界。端末では昨年のMNP商戦に匹敵するほどの機種が登場し、我々の目を楽しませてくれた。

 しかし、その一方で、従来モデルとの差が非常に少なく、ユーザーから見て、「何が違うの?」と見えてしまう端末もいくつか見受けられた。同時に、端末としてのキャラクターが被ってしまい、人気が分散してしまうようなラインアップも見受けられた。MNPという一大イベントを経験し、端末のスペックがある程度、完成の域に達したことによる行き詰まり感も見受けられた1年だったとも言えそうだ。

 そんな2007年のケータイ市場を振り返り、筆者は「俺のケータイ of The Year」の候補として、「P903iX HIGH-SPEED」「N904i」「W52CA」「W53CA」「812SH」をピックアップした。キーワードは『ユーザビリティ』と『チャレンジ』だ。

 まず、「P903iX HIGH-SPEED」は2006年10月に発表され、2007年4月に発売されるという非常に待たされた端末だが、通常デザインの端末で、WMV再生という新機能を実現できたことを評価したい。W52CAはG'zOneシリーズで培われてきた防水機能にワンセグを組み合わせ、防水ワンセグケータイという新ジャンルを打ち出した。同じくカシオ計算機の「W53CA」はデジタルカメラのEXILIMの名を冠した5メガクラスのカメラを搭載した端末だが、そのスペック以上に、広角レンズの搭載によって、一段と実用性を高めた点が注目される。

 最後まで悩んだのが「812SH」と「N904i」だ。ソフトバンクのシャープ製端末「812SH」は、PANTONEとのコラボレーションによる20色展開が注目された端末だが、押しやすさを考えた「アークリッジキー」、手になじむサイズを実現したボディなど、カラーバリエーション以外の面でも高く評価できる端末だ。詳しくは「812SH」の開発者インタビューを参照していただきたいが、ネイルアートなどを施した女性でも押しやすいキー形状を研究し、薄さを追求するだけでなく、手にすっぽりと収まり、手になじむサイズ感を考慮したスリムボディにより、本当に使いやすい端末をしっかりとまとめ上げたという印象だ。スペックばかりに目が向いてしまいがちな現在のケータイ市場において、「何のためのデザインなのか」「何のための薄さなのか」をもう一度、考えさせてくれた存在であり、「スタンダードモデルは、かくあるべき」という考えをきちんと表現できた端末と言えるだろう。

 しかし、最終的に筆者が「俺のケータイ of the Year」として選んだのは、NTTドコモのNEC製端末「N904i」だ。NECと言えば、パナソニック モバイルコミュニケーションズとともに、国内のケータイ市場をリードし、シェアのトップ争いをくり広げてきたメーカーだ。ただ、最近では他メーカー製端末のシリーズに押され、国内シェアもトップグループを追いかける展開が続いていた。そうなった背景には、他メーカー製端末の完成度が高まってきたこともあるが、Nシリーズとしての継承にこだわりすぎていたことも関係している。気がついてみれば、Nシリーズだけ仕様が違ったり、機能がサポートされていないといったものがいくつも見受けられる状況になっていた。

 こうした状況を打破するきっかけとなったのが「N904i」だ。ワイドVGA液晶やGPS機能、904iシリーズでは唯一のFOMAハイスピード対応などのスペックも充実し、外国人デザイナーを起用したデザインも非常に印象的だった。ビューアタイプのフルブラウザや複数の形式をサポートするマルチミュージックプレーヤーなどの機能面も充実している。そして、何よりもチャレンジを感じさせてくれたのがキーアサインの変更だ。通常、各メーカーは継続性を重視し、同じユーザーインターフェイスを継承することで、シェアをキープしようとするわけだが、NECはその領域にも踏み込み、他メーカー製端末のユーザーが乗り換えられる環境を作り出している。小さなことかもしれないが、この「変革」というチャレンジができたことは、今後のNシリーズにとっても非常に重要な意味を持つと言えるかもしれない。

 こうしたNシリーズの新たなるチャレンジは、N905i/N905iμで実現されたインライン変換やワンタッチマルチウィンドウなどの新機能にも継承されており、今後が非常に楽しみな存在となってきている。これからもチャレンジを続け、ユーザーに新鮮な体験を提供してくれるであろうことを期待して、NTTドコモのNEC製端末「N904i」に「俺のケータイ of the Year」を贈りたい。


 スタパ齋藤: au 「W53CA」

W53CA

 今年2007年の拙者的ベストケータイは、auの「W53CA」、通称、EXILIMケータイ。コレがいちばん活躍したかな~って印象のフィーリングっす。

 理由は複数あるんですけど、まず有効画素数515万のデジカメ機能。思いの外よく写るのだ。デジカメと比べると、まあケータイなので使いにくい点はいくつもある。が、非常に多くのシチュエーションで「この画質で十分」と思えたりする写真が得られる。また、レンズ画角が35mm判換算で28mm相当であり、しかも開放F値が2.8ってあたりもシブい。

 一瞬、ワンセグも観られる「W52CA」をベストに……とは思ったが、俺的にはこの強力なデジカメ機能、ワンセグ視聴よりも、あるいは防水機能より役立つことが多かったりした。てなわけで、主に「W53CA」、時々他の防水系au端末にau ICカード(auのSIMですな)を挿して使っていた拙者である。

 他、「W53CA」はカシオ製端末ユーザーならうなずける操作感・機能を持っている。従来のカシオ製端末から乗り換えても、ほぼ違和感なく使えるだろう。ただ、デジカメ機能以外では冒険していない着実な感じの端末とも言えて、オモシロミってところには欠ける。けど、成熟度高くてイイんじゃないでしょーか。

 あと、実は「おサイフケータイねぇ……」とか思ってFeliCa系機能を全然使ってこなかった俺ですけど、「W53CA」にて鋭意利用中。モバイルSuicaとかEdyとか、やっぱ便利ですな。EdyよりはやりモバイルSuicaの方が使用頻度高くなりがちだが、こういう携帯電話利用スタイルがバッと短期間で普及する日本ってステキかも、と思う。

 とか言いつつ、一方では海外で使われている端末に興味津々となっている2007年末でもある。

 秋口の香港出張がきっかけとなり、その後、にわかGSM系端末マニアになり中の俺。ていうか超個人的ノキア祭り開催中!! みたいな。

 あーGSM圏はキャリアと端末の自由度が高くて羨ましいなぁ……と思いつつ、総務省方面SIMロック関連の動きを考えると、日本も、もうすぐ!! なんて思うわけで、そうなると海外ケータイなのであり、そこで頭上に浮かぶのがノキア端末なのだ。

 そうそう、そうだよ!! とE61の日本語版スタンダードバージョンを再度イジくり始め、さらにE61iに手を出したりした。勢い余ってE90 Communicatorまで買ったのが遠い昔のことのよう……だと思ったけど、通帳残高見るとやっぱりつい先日のコトだったようだ。

 って、勝手に暴走するのもナンだと思うんで、プチご説明を。

E61 E61i E90

 海外で主流のケータイは、GSM方式の端末だ。また、多くの国では、端末と回線が個別に売られている。好きなキャリアと回線契約結んで(SIMカードを買って)、好みの端末にそのSIMを挿せば使える。au ICカードをドコモの端末に挿して使うような(日本じゃ全然ムリな)コトが、海外では平気でデキまくりである。

 海外では、ケータイをキャリアで買うって感覚ではないんですな。SIMだけキャリアから買って、端末は家電店のよーなところで買って、これらを自由に組み合わせて使えるのだ(もちろんそうでないケースもあり、日本と同様、端末・SIMにロックをかけたインセンティブ契約・販売も行なわれている)。

 それと、海外でも3G移行が始まっていて、GSM圏ではW-CDMA(UMTS)方式の端末がどんどん出てきている。日本でも、ドコモやソフトバンクの3G端末がW-CDMA方式採用ですな。また、なんか、どうも、日本でもSIMロックフリー化の動きがあるっぽい。

 てコトは!! もしかしたら近いうち!! ドコモとかソフトバンクのSIMを挿して好き勝手使える各メーカー製端末が日本市場に溢れるかも(って既に何機種かありますけど)!!

 この状況、拙者にとって、ケータイメールとインターネットメールが相互乗り入れを果たした時(っていうか直前)くらい、エキサイティングであり手を出さざるを得ないオモシロみ!! というわけで、これまでずっとauの端末ばっかり使ってきた拙者、急遽、ドコモ端末とソフトバンク端末(っていうか各キャリアの回線)も買ったりしている。

 なお、拙者が2007年に買った携帯電話(PHS含)端末数は16台。ほとんどが2007年後半に買ったものだ。我ながら、拙者の携帯電話意欲が伺い知れるなぁと思ったりした。ついでに、面白い(かもしれない)ので、1997年から2007年まで拙者が買った端末数をグラフ化してみた。

グラフ

 ともあれ、久々にケータイがおもしろくなっちゃった俺。2008年は端末破産とかしないように注意する俺が居ますように、チャリ~ン、パンパン。

 それでは、皆さん、よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いします。


 白根雅彦: ソフトバンク 「913SH G TYPE-CHAR」

913shG

 2007年のケータイを振り返ってみると、新規事業者や新料金システム導入など、業界ニュースはいろいろありつつも、ケータイ自体の変化としては、2006年のワンセグ登場以降、大きな新機能・新サービスはなかったように思う。2007年のケータイは、多彩な機能をバランス良く搭載しつつ、各メーカーはデザインや細かいスペックや付加価値で勝負していた。

 しかし個人的には、どの端末も「無難すぎて個性に乏しい」との印象を受けた。

 海外に目を向けると、「Nokia 8800」やLG電子のPRADAフォンなど、価値がわかる人しか買わないようなケータイが売られている。そもそも海外メーカーのラインナップは、機能もデザインもバリエーションが豊富だ。それに比べると、日本のケータイはどうしても個性に乏しく感じられてしまう。

 万人向けにデザインされた多機能ケータイは良いと思う。それが日本のケータイの主流だ。しかし、そういった万人向けケータイだけではなく、価値がわかる人だけが買う、そんなケータイがもっとあっても良いのではないだろうか。

 こういった観点から見て、ソフトバンクの「913SH G TYPE-CHAR」は、多少極端ではあるものの、“アリ”だと感じた。99.9%の人が「ハァ?」とあきれても、0.1%の人がガッツポーズを取る、そんなケータイだ。

 このTYPE-CHARは、細かい点まで良く作り込まれている。シャアザク型の充電台ばかりが注目されるが、端末本体も「ジオン軍の官給品」としてデザインされている。ガンダムを知る人にはなじみ深いジオン公国のマークに加え、あまり見慣れないシャアのパーソナルエンブレムやジオニック社のロゴも入っている。

 「おサイフケータイのロゴマークなんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」と言わんばかりの特別仕様となった電池カバーには、「ミノフスキー粒子散布下での使用時に発熱する危険性があります」なんていう、ガンダムに詳しくないと意味がわからない(余計な勘違いもしそうな)注意書きまである。

 ここまで手の込んだものは、数あるガンダムグッズの中でも珍しいのではないだろうか。企画・開発側の「愛」がヒシヒシと感じられる。

 はっきり言って、それほど売れるケータイではないだろうが、こんなコアファン向けのケータイを商品化したことは、高く評価したい。そして、今後もこうした「ニッチマーケット」に向けたケータイが増えて欲しいとも思う。切り込む余地のあるニッチマーケットはいくらでもありそうだ。コンテンツとのタイアップ、異業種とのコラボレーション、新フォームファクターなどなど、方向性もいろいろ考えられる。

 ケータイ業界を展望してみると、最近の流れとして、端末プラットフォームの整備が進められている。これにより端末の個性が失われることも懸念されているが、一方で開発コスト低減により、出荷台数の少ないニッチマーケット向け製品が作りやすくなるかもしれない。

 今後も日本では万人向けのハイスペックケータイが主流であり続けるだろう。しかし、それとは別に、1%の人に「これを待っていたんだ」と思わせるような超個性的ケータイが登場することに期待を込め、2007年のケータイ of the Yearに「913SH G TYPE-CHAR」を選びたい。


2007/12/27


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