筆 者 編
ケータイ Watchの筆者が選んだケータイ of the Yearです。使い方や好みによって、ベストケータイは人それぞれ。このコーナーでは、そうした個人的な見地から、2006年のベストケータイを選んでいます。読者のみなさまの投票で決定された「読者が選ぶ ケータイ of the Year 2006」もぜひご覧ください。
【筆者の選出機種一覧】
俺のケータイ of the Year 2006 編集部スタッフ編はこちら
MNPという大きなイベントを迎えた2006年のケータイ業界。今年一年を振り返り、筆者は「俺のケータイ of the Year」の候補として、「SH903i」「N902iS」「M702iS」「W41CA」「W43K」「W44S」「904SH」「905SH」「W-ZERO3[es]」を選んだ。あまり一貫性のない選択だが、新機軸や新しいアイデアを実現したこと、市場で十分な評価が得られたこと、ユーザーの注目度が高いことなどを考慮した。
まず、セールスという面で見た場合、今年前半のW41CA、秋以降のSH903iは、ともに非常に好調な売れ行きを記録した。特に、W41CAは突出した売れ行きを記録することが少ないauのラインアップにおいて、市場全体の定番的な地位になるほどの好調ぶりだった。内容的にも非常に完成度が高く、ここ数年のカシオ製端末の集大成的な存在であり、売れた理由が十分に理解できる端末とも言えるだろう。
新機軸という点では、905SHのサイクロイドスタイル、W44Sのデュアルオープンスタイル、W43Kのセンサーリングキー&ウーファー付き充電台、904SHのVGA液晶ディスプレイなどが注目される。市場の反響という点では、やはり、W-ZERO3[es]の人気の高さが目立つが、デザインやブランド力という点では、M702iSも今後の日本市場での反応が楽しみな端末だ(デザイン的には数年前から存在するが……)。
これらの候補の中から筆者は最終的に「904SH」を「俺のケータイ of the Year」として選んだ。通常スタイルのケータイにおいて、はじめてVGA液晶ディスプレイが搭載されたことは、ケータイが今後、さまざまなメディアを再生する機器へ進化するうえで、ひとつのターニングポイントになるからだ。VGA液晶はその後、N903iや910SHにも採用されたが(N903iはVGA+液晶)、2007年にはさらに多くのVGA液晶搭載端末が登場することになりそうだ。
ただし、ここでひとつ付け加えておきたいことがある。筆者が選んだ904SHは現在のソフトバンクではなく、敢えて「Vodafone 904SH」とさせていただく。ボーダフォンはVodafone 3Gのサービス開始以降、海外モデルとの共通化で苦しんできたが、904SHではようやくユーザーインターフェイスがまとまり、ひとつのスタイルが確立できた印象だ。ボーダフォンのSHシリーズとしての集大成的な存在だからこそ、Vodafone 904SHを選ぶことにしたわけだ。
今年、筆者は「誰がために鐘は鳴る~ソフトバンクのボーダフォン買収~」という記事において、「英Vodafoneに振り回されるよりも日本企業のソフトバンクの方が期待できるかもしれない」と期待を述べた。しかし、それ以降のソフトバンクを見る限り、その期待が正しかったとは言いにくい状況だ。スーパーボーナスの混乱に始まり、「0円」広告騒動、MNPの受付中断、わかりにくい料金プランの条件、説明不足のWebページやカタログなど、ユーザーを混乱させている印象は否めない。厳しいかもしれないが、魅力的な端末ラインアップが揃っているものの、サービスを提供する事業者としては、いくつも課題が残されており、まずはそれらをクリアして欲しいというのが本音だ。
2002年に「Vodafone」ブランドが登場して約4年間。さまざまな面で日本のケータイ市場に大きな影響を与えてきたが、そのブランドも日本市場から姿を消すことになった。Vodafoneブランドに対し、惜別と感謝の意を込め、Vodafone端末の最高峰に位置付けられる「Vodafone 904SH」に「俺のケータイ of the Year」を贈りたい。
今年2006年に俺が買ったケータイ(類)は6機種。買った順に並べると、ウィルコムのW-ZERO3、auのW41T、auのW41CA、ウィルコムのWX310K、auのG'zOne W42CA、ウィルコムのAH-S101Sとなる。
このうち通話においてスゲく多用したのはWX310K。ウィルコムユーザー間で長電話モードであり通話品質が高いのであり、電話機としては非常に良かった。コレをメインのケータイ(っていうかPHS)としてもいいと思えたが、仕事柄・趣味柄、俺のケータイ of the YearはauのW42CAとなってしまうのである。
WX310K、かなりイイんですよ。でも、第一に仕事上のメイン電話番号になりにくい──現在はauの電話番号がメインで、仕事柄、これを変更するのがやや難しい。ま、思い切って気合入れてWX310Kの番号を拙者のメイン連絡先にしちゃうのもアリだが、あれこれけっこー面倒なのである。PHSはMNP制度対象外ってのは、ココにきて少々痛い気がした。
それと趣味柄、ウィルコム端末に防水のものがナイのが残念。拙者は釣り好きなんですけど、今年はさらに渓流釣りに足を突っ込んだので、ケータイは絶対に防水がよい。ま、渓流じゃauもウィルコムも圏外なんですけど、そういうわけでまた今年も防水ケータイが大活躍した。
で、W42CAだが、防水であり衝撃にも強いってコトで、水辺に行きがちな俺にとっては何しろ便利。ケータイとしてもフツーに便利ですなWIN端末だし。ただ、携帯電話の機能・使い勝手としては、W41CAの方がずっと快適だと感じた。カメラ機能は使えるし画面も見やすいし操作性も良い。W41CAの機能・使用感を持つ防水・耐衝撃端末があれば嬉しいところであり、本音を言えば、そういう端末がウィルコムから出たら嬉ション級の歓喜となるであろう。
ところで、現在狙っている端末は、auの法人向け端末ことE03CA。W42CAのような防水・耐衝撃性能があり、Bluetooth対応。俺的には防水ケータイでありBluetooth対応であるっちゅートコロに魅力を感じている。水辺で安心して使えて、さらに移動中はBluetoothでハンズフリー通話ができる。これは実用的!! この仕様でウィルコムから発売さ(中略)とかプチ本音を吐露してみたり。
ともあれ、何だかんだ言ってもW42CAは常時俺の懐にあり、あるいはボード上にあり、時にはベルトから吊り下げられて川辺にあった。今年もカシオの防水ケータイに感謝。来年も(W42CAの後継機種が出なければ)このままW42CAを使い続けていそうな予感である。
今年は何かと、ケータイ業界の話題が多かった。ワンセグ、ナンバーポータビリティ(MNP)開始、ボーダフォンからソフトバンクへの変化などなど、3キャリアの競争は激しく、発売された機種数も多かった。さまざまな個性を持った端末が登場し、とくにMNP前後の新端末ラッシュはすごかったが、私がケータイ of the Yearに選ぶのは、2月に発売された「W41CA」だ。
W41CAは、店頭に並んでいても、とりたてて目立つ端末ではなく、どちらかというとスタンダードな端末だ。しかし、スタンダードなだけに、よく売れたようだ。町中や電車中で、W41CAを目にすることがどんなに多かったことだろう(目に入ったケータイの機種名が頭に浮かぶのは、我々の職業病だ)。
調査会社J.D. パワーによると、2005年に引き続き、2006年もカシオは顧客満足度でナンバーワンになっている(参考)。こうした評価を受けた背景には、端末スペックなどではない、カシオ製ケータイの完成度の高さ、バランスの良さが評価を受けたのではないかと思う。
評価が難しいポイントだが、まずユーザーインターフェイス(UI)を評価したい。カシオ(カシオ日立)のメニューは、キビキビとした動作で、ショートカットも使いやすく、個人的にはもっとも完成度が高いと思う。W41CAのフレームレスボタンの押しやすさも、高く評価したいポイントだ。
次に240×400ドットのワイドディスプレイ。今年はVGAディスプレイのケータイも登場したが、メールや携帯Webといった用途では、VGAよりも縦長のワイドディスプレイの方が見やすいと思う。
対応サービス・機能の幅広さもポイントだろう。W41CAはLISMOやEZナビウォークといった、好評なauの基本サービスをしっかり押さえつつ、auでは数少ないおサイフケータイでもある。使っていて「足りないな」と思う不満がないのだ。コンパクトな点も魅力で、重さ126gと決して軽くはないが、ワイドディスプレイ搭載機としては悪くない。auラインアップにあっては軽いとすら思えてしまう。
こうしてW41CAの特徴を挙げていくと、J.D. パワーの顧客満足度調査の上位メーカーには、共通の特徴が見られるような気もする。ちょっとこじつけ気味の分析だが、「進化を怠らないUI」と「ワイドディスプレイ」、「多彩なサービスへの対応」、「そこそこのコンパクトさ」がバランスよく実現していることが、いま、高い評価を受けるケータイの条件なのではないだろうか。
ケータイが普及して数年が経過し、ユーザーの目も肥えてきた。ユーザーの支持を得ることは、どんどん難しく、それでいて重要になっている。そんな中、完成度を高め、ユーザーの支持を得られたW41CAを、わたしはケータイ of the Yearに選びたい。
来年はワンセグ端末がたくさん登場し、ケータイのスペック競争もさらに進むだろう。各キャリア・メーカーには、スペック以外の完成度も追求し、W41CAのように支持される端末を作ることを心がけてもらいたいと思う。
2006/12/27
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