ドコモとラオックス、訪日外国人向けサービスで提携

　NTTドコモとラオックスは、10月より、日本を訪問する訪日外国人向けへの優待サービスを共同で提供する。

NTTドコモ 副社長の坂井義清氏（左）とラオックス 社長の羅怡文氏（右）

　今回の提携は、14日にMWC上海にて発表された、ドコモとチャイナモバイル（中国移動）、韓国KTという、3カ国の通信事業者間での国際ローミング利用促進に関する取り組みの一環として企画されたもの。

　内容は、来日したチャイナモバイルとKTのユーザーが、ドコモのネットワークでローミングすると、ラオックスの展開する免税店で特別優待を受けることができるというもの。特別優待の内容は、ラオックスの販売商品の割引を軸に、現在検討中としている。

　14日、ラオックスの新宿本店にて、NTTドコモ　代表取締役副社長の坂井義清氏と、ラオックス　代表取締役社長の羅怡文（ら・いぶん）氏による、取り組みに向けた合意書締結式が開催された。

合意書に調印する両氏

　今回の取り組みは、ドコモとラオックスが持つ資源を活かしたもので、両社間で金銭のやり取りはないという。坂井氏は、ドコモはローミングイン収入を得ることができ、ラオックスでは誘客に向けた導線を得ることができ、訪日ユーザーにとっても割引のメリットを得ることができるということで、今回の提携に至ったと語った。今回のサービスの対象となる、ドコモにローミングするチャイナモバイルとKTのユーザーは、年間約200～250万人だという。

　羅氏は、今回の提携はラオックスにとって待ち望んでいたものだという。同社がインバウンドビジネスを展開する上で抱える懸念として、「通信環境を含む訪日外国人向けのインフラが足りない」ことと、「マーケティング接点を持つことの難しさ」の2点を挙げ、ドコモとの提携によりこの懸念を解決する第一歩となる、と期待感を示した。

　今後は、この取り組みの対象となるユーザーを中国と韓国以外の国にも拡大していく。具体的な地域としては、東南アジアの来日客に対して同様のサービスを提供することを検討しているという。

6月6日にオープンしたラオックス新宿本店。訪日客をターゲットとして家電やブランド品、化粧品などを扱っている