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ホワイトスペースにオフロード、NICTが新技術対応スマホ

 情報通信研究機構(NICT)は、テレビ放送用に割り当てられている電波のうち、ホワイトスペースと呼ばれる空き帯域に対応し、通常の通信ネットワークと切り替えながら利用できるスマートフォンの試作機を開発した。既存のネットワークが多くのユーザーで混み合う場合、ホワイトスペースでも通信することで、通信量が分散されるという。

 ホワイトスペースは、テレビ用電波(470~710MHz)のうち、チャンネル同士の干渉を避けるためといった目的で、利用されていない周波数帯。NICTでは昨年11月、ホワイトスペースでもLTE方式による通信を利用できるシステムを開発していたが、今回は、既存のLTEネットワークとホワイトスペースでのLTE、両方に繋がるスマートフォンを開発した。試作機のスマートフォンは、SIMカードを2枚、挿入する仕組みとなっており、1枚は既存のネットワークに、もう1枚はホワイトスペースのLTEネットワークに繋がるためのもの。ソフトウェアでどちらのSIMカードを使うか、切り替えて利用する形とのこと。

 NICTでは、ホワイトスペースでも通信できるようにすることで、急増するトラフィック(通信量)のオフロード(負荷分散)に役立つと説明。今回はホワイトスペース用のアンテナロッドを伸ばして利用するが、今後はアンテナの小型化など、実用化に向けた研究を今後も進める。

関口 聖