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スマホがテレビ会議の拡張マイクに、NTTの新技術

 NTTは、Wi-Fiで繋がるスマートフォンの音声信号を高音質に補正する新技術「振幅スペクトルビームフォーマ技術」を開発した。スマートフォンをテレビ会議やテレビ電話の拡張マイクに利用できるようになる。

 テレビ会議、テレビ電話のマイクは本体搭載のものを利用すると、室内であっても少し離れた場所にいる人の声は拾いにくく、相手には聞こえにくい。そこで拡張マイクを用意する必要があるが、従来、有線の拡張マイクは高価であり、設置範囲が限られるなど、使い勝手の面で課題があった。そのため、スマートフォンを拡張マイクにする、というアイデアが上がるものの、そのまま繋ぐと遅延などが影響して、音が二重に聞こえたり音質が劣化したりする。

現状の課題

 一方、NTTが今回開発した「振幅スペクトルビームフォーマ技術」では、複数のマイクがある環境を活かし、マイクごとに異なる音量の違いによって、話している人(音源)を自動的に割り出して、音量を調節する。二重に聞こえることなく、テレビ会議/テレビ電話用機器から離れて座っている人の声もきちんと拾って、相手に伝わるようにした。また、ノイズを抑える技術やハンズフリー通話のためのエコーキャンセル技術を統合したソフトウェアライブラリにしており、拡張マイク用アプリを手軽に開発できるほか、テレビ会議/テレビ電話用機器もソフトウェアアップデートで対応できるようにした。

 同社では、2014年中にもNTTグループの既存システムで導入を目指すほか、今後は、専用機器を使わず、複数のスマートフォンを組み合わせて音声会議ができるシステムや、通話だけではなくビデオカメラやICレコーダーへの採用などを目指す。

NTTが開発した新技術

関口 聖