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ソフトバンクBB、Bluetooth 4.0接続の活動量計「fitbit」発売

ソフトバンクBB、Bluetooth 4.0接続の活動量計「fitbit」発売

 ソフトバンクBBは、スマートフォンとBluetooth 4.0で連携する米Fitbitのワイヤレス活動量計「fitbit」シリーズ2機種について、3月15日より日本国内向けに販売を開始する。価格はオープン価格で、販売予想価格は「fitbit zip」が5480円、高機能な「fitbit one」が9980円。

 「fitbit zip」「fitbit one」はどちらもBluetooth 4.0を利用してスマートフォンやパソコンとつながる活動量計。いずれも時刻表示、歩数計、距離計、消費カロリーの計測が行え、スマートフォンアプリにデータを転送したりSNSと連携して活用できるようになっている。

 高機能な「fitbit one」では、リストバンドに装着して眠ることで、睡眠サイクルの計測も可能。バイブレーションによる最適なタイミングでの起床サポート機能も備える。睡眠の品質は独自のスコアで判定する。気圧を利用する高精度な高度計も備えており、階段を登った数も別項目として計測できる。

 「fitbit zip」「fitbit one」ともに小型・軽量で防滴性能を備えており、ポケットやベルト、下着などにはさんで日常的に利用できるようになっている。「fitbit zip」は本体をタップする動作で画面表示を変更でき、「fitbit one」はボタンで表示を変更する。

 Bluetooth 4.0をサポートすることで、対応するスマートフォンと簡単に接続・同期でき、スマートフォンアプリで測定したデータを活用できる。Fitbitが提供するアプリでは、各種の計測値や蓄積したデータのグラフ表示のほか、SNSへの投稿機能を用意。さらに、登録した友人の計測値データと競い合うことができ、プッシュ通知で状況を知らせてくれる機能もある。食事を入力しカロリーを把握する機能もあり、運動、食事、睡眠の3つの要素をひとつのサービスで管理できるとしている。

 日本国内への導入にあたっては、Webサイト上やアプリの日本語へのローカライズをソフトバンクBBが担当。マーケティング、プロモーション、販売ルートやエンドユーザーサポートについてもソフトバンクBBが担い、全国的に展開し、初年度で10万台の販売を見込んでいる。米国などで展開されているほかの「fitbit」シリーズについては、日本国内への導入は未定。

 対応するスマートフォンはiPhone 4S、iPhone 5、iPad(第3世代~)、iPad mini。Androidの日本語版サービスは今後対応予定としている。AndroidではBluetooth 4.0のサポートが端末メーカーにより異なるため、対応機種は海外でも「GALAXY S III」など一部のAndroid端末に限られている。

 専用アプリ「fitbit」は無料で、iOS 5以降で利用できる。1日2万歩でバッジが獲得できるといった、各計測項目でバッジも用意されている。Webサイトでは「ダッシュボード」で詳細な情報の入力も行える。

 「fitbit zip」はライム、マゼンタ、ブルー、チャコールの4色をラインナップ。ボタン電池を使用し、約4~6カ月間駆動する。大きさは約28×35.5×9.7mmで、電池を除いた重さは約8g。

 「fitbit one」はバーガンディ、ブラックの2色をラインナップ。睡眠モニター用のリストバンドがパッケージに同梱される。電池は充電式で、連続使用時間は約1週間。大きさは約19.3×48×9.7mmで、重さは約8g。

「fitbit zip」
「fitbit one」
「fitbit」アプリ

「付けてみたい、使ってみたいと思わせる製品」

ソフトバンクBB 取締役 常務執行役員の溝口泰雄氏

 3月13日には都内で記者向けに発表会が開催された。最初に登壇したソフトバンクBB 取締役 常務執行役員の溝口泰雄氏は、スマートフォンアクセサリーの市場が拡大しており、同社の売上も拡大している様子を紹介した上で、fitbitシリーズはソフトバンクBBがディストリビューターとして取り扱うもので、ブランドはfitbitのまま提供する方針を明らかにした。

 溝口氏はfitbitを「キュートで、付けてみたい、使ってみたいと思わせる製品だ」と紹介。「今後はカバーなどの必要性の高い商品に加えて、使って便利というような商品が出てくる。ライフスタイルを創造していくような商品を充実させていく」と語り、ヘルスケア分野の製品となるfitbitシリーズが同社としても新しい取り組みになっていることを紹介した。

 ソフトバンクBBからはこのほか、厚生労働省が認知拡大に努めている「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群、ロコモ)への対策・取り組みとして、今回のfitbitを位置づけていることも明らかにされている。

小型で簡単に同期、「普通の人に使ってもらえる」

米Fitbit CEOのジェームズ・パーク氏

 発表会では続いて米FitbitのCEO、ジェームズ・パーク氏が登壇した。同社はサンフランシスコで設立され、従業員が約130人でそのほとんどがエンジニアであることや、米国を中心に販売店で人気を呼んでいることなどが紹介された。また、「Jawbone」「Nike FuelBand」といった競合製品(いずれも日本では未展開)と比較して、Bluetooth 4.0を中心に接続・同期機能が充実していることも特徴に挙げた。

 パーク氏によれば、fitbitシリーズは「フィットネスのレベルを問わず、普通の人にも使える製品を目指している」とのことで、分かりやすいユーザーインターフェイスや簡単にスマートフォンと同期できる点などをアピール。「非常に小型で、どこに付けても邪魔にならない」とハードウェアの魅力のほかにも、「データもデバイスもオープンであるべき。サードパーティのアプリとも親和性が高く、データのインポート、エクスポートも可能」と述べ、ソフトウェアやサービス面も充実している様子を示した。

Fitbit CEOのジェームズ・パーク氏

 発表会の後、本誌はFitbit CEOのジェームズ・パーク氏に話を伺う機会を得た。

 約130人の社員がいるという米Fitbitだが、1/3が主にハードウェアを開発し、残りはソフトウェアなどを担当しているとのこと。Androidへの対応が限定的になっている点を聞くと、Bluetooth 4.0については、Android 4.0でしっかりとサポートされていないことが改めて指摘され、「端末メーカーごとに異なる実装をしたり、モデルによってはそもそも搭載しなかったりと、複雑な状況になっている」という。サムスンからは情報が提供されたため、「GALAXY S III」シリーズには対応できたものの、「端末メーカーとのやりとりには時間がかかる」とのことで、思ったように対応を拡大できないのが実情のようだ。

 すでに海外では人気を博しているという同社の製品だが、アメリカでの利用動向を聞くと、1日平均2500歩程度のユーザーは、3カ月で活動量が40%ぐらい上がるとのこと。また、1日4万歩のバッジを獲得したある高齢者のユーザーが、さらにその先のバッジを求めて1日5万歩以上も歩いたというエピソードもあったという。ちなみにバッジは獲得した時点で次のバッジの獲得条件が示されるようになっているが、1日の歩数のバッジについては4万歩が最高とのことだ。とはいえ、「バッジの全容は明らかにしていない」とのことで、挑戦したり獲得したりしたユーザーだけが確認できるゲーム要素にもなっているようだ。

 すでに日本市場にはオムロンやタニタなど活動量計という分野で製品を展開している企業がいくつも存在しているが、Fitbitの日本市場への取り組みは、「スマートフォンとの連携が重要で、従来の製品とは異なるアプローチになっている」という。また、アプリの機能やSNSとの連携、友達と競いあう要素は重要な部分として、ローカライズをしっかりと行い、見やすく豊富な情報を提供できるよう注力したとしている。

プレゼンテーション

太田 亮三