公取委、DeNAに排除措置命令


 公正取引委員会は、ポータルサイト「Mobage」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)に対して、特定のソーシャルゲームプロバイダーに対して、独占禁止法に違反する行為があったとして、排除措置命令を行った。

 公取委の発表によれば、違反と認定された行為は、特定のゲーム提供事業者(DeNAが有力なゲームプロバイダとする企業)がDeNAの競合となる「GREE」(グリー運営のポータルサイト)でのゲーム提供を妨げようとしたというもの。もし、特定ゲーム事業者がDeNAの要請を従わず、GREEを通じて、新たにソーシャルゲームを提供すると、モバゲータウン(現Mobage)上のゲームについては、モバゲータウン上のリンクなどで表示しないようにしていた。こうすることで、新規ユーザーがゲームへたどり着きにくくなり、特定ゲーム提供事業者はDeNAの要請に従わざるを得ない、という構図になっていた。

公取委資料より引用

 昨年12月、公取委ではDeNAへ立ち入り調査を実施。その調査直後、DeNA側がソーシャルゲーム提供事業者に対し、こうした行為を行わない方針を示したが、その後の審査により、同法第19条「不公正な取引方法の禁止」に違反したとして、そうした行為を行わないよう取締役会で決議することなどを求めている。

 これに対し、DeNAでは、「真摯に受け止め、あらためて全社を挙げてコンプライアンス体制の充実・強化と一層の意識向上に努める」と発表。異議申し立ては行わないとのことで、コンプライアンス研修の内容、頻度などについて、公取委と協議しながら見直しを進めていくとのこと。

 

(関口 聖)

2011/6/9 16:13