NECモバイリング、霞が関にスマートフォン専門ショップ

ビル内の1階にオープン

　NECモバイリングは、東京・霞が関にスマートフォンやタブレットを取り扱うオリジナルブランドの専門ショップ「AND Market」を6月1日に開設する。開店前日の5月31日には、報道関係者向けに店内の様子が公開された。

　全国でドコモショップを数多く展開し、auショップやソフトバンクモバイルショップも数店手がけるという、携帯電話販売代理店事業を手がける同社だが、今回は、キャリアブランドではなく同社独自の取り組みとして「AND Market」をオープンさせることになった。同店では、NTTドコモ・au・ソフトバンクモバイル（他キャリアも順次追加）から発売中のiPhoneやAndroid端末などのスマートフォンやタブレット端末を設置する。実機を体験できるほか、アクセサリーが用意される。また、アプリの紹介や使い方の説明などを提供する。同店の名称は、端末に加えて、さまざまな商材を提供する、といった点が由来になっているとのこと。これからスマートフォンに乗り換えようとするユーザーをメインターゲットにしており、従来のショップでは端末中心の問い合わせや購入手続きが中心だったところ、ハードウェアの使い方からアプリの使い方まで、キャリアが提供するサービスの枠組みを超え、総合的に案内できるようにする。

　そのため、同店のスタッフも従来の店舗とは一風変わった人員を採用。これまで携帯電話の販売経験はないものの、客室乗務員や商業施設の要人対応スタッフなど、接客経験豊かなスタッフが携帯電話・スマートフォンのことを学んだ上で、特定のキャリア・端末・サービスに偏らず、ユーザーにあわせて対応する。同店舗のスタッフにとって難解なトラブルが発生した場合は、テレビ電話でテクニカル専門スタッフに相談することもできる。スマートフォンに慣れていないユーザーにとっては、何を尋ねて良いかわからないこともあるため、iPadを使って、スマートフォンの使い方や便利なアプリなども紹介される。

　機種変更時に、端末内のアドレス帳や動画、楽曲など全てのデータを移行する有料サービス（1回1000円）も利用できる。さらに月額525円の会員サービス「らくサポ」も提供される。同店で入会できる「らくサポ」は、国内で提供される全てのスマートフォンについて、活用術を紹介したり、アプリの相談に乗ってくれたり、公衆無線LANサービスの設定をしてくれたりするなど、スマートフォンを利用する上で知りたい、あるいは誰かに教えて欲しい点をサポートする。携帯販売店としては初の取り組みとのことで、店舗外でも電話窓口に問い合わせできる。問い合わせ回数に制限はない。登録月は無料で、オプションとして、通常800円相当のアンチウイルスアプリ「アンチウイルスPro（AVG）」や飲食店などのクーポン配信サービス「Cooooot!」が無料で利用できる。

スタッフが親身になって接客するためのスペースも	テレビ電話でテクニカルスタッフに相談も

■専門ショップの狙い

　NECモバイリング ホームICT事業推進部の西川征一氏は、NECモバイリングとして今後拡大が見込まれるスマートフォンユーザーのニーズを捉えるための取り組みと位置付ける。従来の携帯電話と比べ、“できること”の幅が広がるスマートフォンは、特定のキャリアだけの店舗では、「ここから先はアプリの提供元に問い合わせを」と、サポートしきれない面がある。そこで、こうした店舗を運営することで総合的なサポート体制を構築し、スマートフォンに関する知見を集め、同社運営の他店舗にもフィードバックし、携帯電話販売という世界での生き残りも図る。

　ただし、1号店となる同店は、NECモバイリングの本社が入居する霞が関ビルディングの1Fにオープンし、どちらかといえば業界関係者に対するショールーム的性格が強い。こうした取り組みで、キャリアショップ以外での販売形態について、各キャリアへの理解を求めることも目的の1つという。同店はオフィス街のため、今年度中には、一般ユーザー向けの店舗を都内に3店舗開設する予定。月間の端末販売数は目標100～200台とのことで、通常の販売店と比べてさほど多くはないとのこと。ただ、接客の質を高めることで、来店者のうち契約・販売に結びつける契約率は10％以上を目指す。これも通常の店舗は10％～15％程度とのことで、高い数値目標ではないが、現状のスマートフォンに対する取り組みの上では、「やや背伸びした数値」（西川氏）という。

各種アクセサリーを用意する	各キャリアの製品が並ぶ
iPhoneも	ドコモのスマートフォン
auのスマートフォン	ソフトバンクモバイルのスマートフォン
タブレットも展示	タブレットで使い方を紹介
分かりやすい説明を心掛ける	料金の案内も