2009年度の国内携帯出荷数、前年比4%減の3444万台


 MM総研は、2009年度(2009年4月~2010年3月)の国内携帯電話出荷台数を発表した。総出荷数は、3444万台(前年比4ポイント減)で、2年連続の減少となったが、半期別で見ると、2008年下期から2期連続で出荷数は増加している。

 同調査によると、2009年度の出荷数は前年比4ポイント減で、上期は1704万台、下期は1740万台となった。なお、前年の2008年度は3589万台(上期1981万台、下期1608万台)。MM総研では、2009年の実績について当初の見通しより減少幅が小さいとして、その背景に買い替えサイクル長期化傾向が鈍化したこと、スマートフォン市場が想定以上に拡大したことを挙げている。

 メーカー別シェアを見ると、1位はシャープで出荷数は903万台(前年比9.5%増)、シェアは26.2%(前年比3.2ポイント増)となった。シャープのシェア1位は5年連続となる。人気の要因として1200万画素CCDカメラを搭載したハイエンドモデルを各キャリア向けに供給したこと、7色展開の防水端末「SH005」や多色展開の「840SH」など中下位機種が好評としている。

 2位はパナソニック モバイルコミュニケーションズで、出荷数は520万台(18.5%減)、シェアは15.1%(前年比2.7ポイント減)、3位は富士通で出荷数518万台(13.1ポイント増)、シェア15%(前年比2.2ポイント増)となった。富士通は2008年度の4位からランクアップしたほか、2009年下期だけで見ると2位となっている。

 4位以下はNEC(シェア10.5%)、5位は京セラ(シェア6.1%)、6位はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(シェア5.5%)となった。6位までのメーカーで市場全体の78.4%を占め、上位4メーカーが全体の66.8%を占めている。

2009年通期のメーカー別シェア

 スマートフォン市場については、2009年度通期の出荷数が234万台(113%増)で、市場全体の6.8%を占めている。メーカー別シェアを見ると、1位はアップル(72.2%)、2位はHTC(11.1%)、3位は東芝(6.8%)、4位はResearch In Motion(RIM)とソニー・エリクソン(各4.3%)となった。アップルが独占する市場だが、今後は競争が激化し、2010年度の出荷数は300万台規模になると見られている。

スマートフォン市場のメーカー別シェア

 MM総研では今後、スマートフォン市場の拡大やローエンド端末の充実で買い替え需要が促進されると予測。その結果として、買い替えサイクル長期化傾向はさらに鈍化するとし、2010年度の出荷数は3410万台を底に回復基調に転じ、2011年度は3520万台、2012年度は3560万台になるとしている。

 このほか、総務省でガイドライン策定が検討されている携帯電話のSIMロック解除については、各社の通信方式や周波数帯が異なること、LTE導入後も課題があることを指摘するともに、「市場活性化に向けた慎重な取り組みと判断に期待したい」としている。

(関口 聖)

2010/4/23 12:59