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電子書籍市場はもうすぐ2000億円規模、8割はコミックが占める

無料コミック一番人気は「comico」

 インプレス総合研究所は、「電子書籍ビジネス調査報告書2017」を発売した。日本国内における電子書籍および電子雑誌の市場規模が紹介されている。

 それによれば、2016年度、電子書籍の市場規模は、1976億円に達した。前年度の2015年度は1584億円で392億円(24.7%)も増加した。電子雑誌の302億円(前年度比24.8%増)とあわせれば2278億円という規模と推計されている。

 今後も順調に拡大すると見られており、2021年度には3120億円規模となり、電子雑誌の440億円とあわせて、3560億円程度まで成長すると予測。

 こうした電子書籍の8割を占めるのがコミック(漫画)だ。2016年度の規模は1617億円で、前年度から340億円増加した。一方、文芸書、実用書、写真集など“文字もの等”と定義されたコンテンツは359億円(前年度比18%増)となった。デジタルでのコミックでは、無料サービスが拡大しており、その広告市場規模は78億円、前年度比1.9倍となった。利用頻度も調査されており、1日1回以上が32.7%、週1回以上が67.4%となり、前年度よりも利用率は高くなった。無料コミックで人気なのは、comico(24%)、LINEマンガ(20%)、少年ジャンプ+(13.7%)、マンガワン(11.8%)、pixivコミック(9.6%)という順になった。

 2016年度における電子書籍界隈のトピックのひとつは、Kindle Unlimitedのスタート。そうした読み放題サービスの利用率を見ると、既に利用している人は17.5%となった。利用したい(5.3%)、あるいは興味はある(35.2%)という回答まで含めば58%が前向きに捉えているサービスとなっているが、その一方で「興味はない」は34.5%と相当数に達している。