【Mobile World Congress 2017】
ソニーモバイルが「Xperia XZ Premium」などを解説
2017年2月28日 19:20
2月27日から開幕した世界最大のモバイル展示会「Mobile World Congress 2017」(MWC)の初日、ソニーモバイルは同社ブースにて、プレスイベントを催し、同日発表した最新のスマートフォン「Xperia XZ Premium」「Xperia XZs」、スマートプロダクトの「Xperia Touch」、コンセプトモデルの「Xperia Ear Open-style Concept」などを紹介した。
Xperia Earを進化させたコンセプトモデルを公開
イベントには同社代表取締役 兼 CEOの十時裕樹氏が登壇し、まず、昨年、国内でも発売された“Xperiaプロダクト”のひとつ、「Xperia Ear」を紹介した。Xperia Earは一般的なBluetoothヘッドセットやイヤホンマイクと違い、ソニー独自のAIを組み合わせることで、音声による操作やメッセージの送信などを可能にしている。
そして、このXperia Earを進化させたコンセプトモデルとして、新たに「Xperia Ear Open-style Concept」を公開した。Xperia Earが耳の穴に挿入するカナル型であるのに対し、Xperia Ear Open-style Conceptは耳の下の部分に引っかけるような構造で、耳栓ように耳の穴を塞がないオープンエアタイプ。両耳に装着するセパレート型のステレオイヤホンとなっている。そのため、装着時にも周囲の様子を聞くことができ、ランニングなど、屋外での活動時にも安全に利用できるとしている。
次に、Xperiaの名を冠したスマートプロダクトとして、新たに発売が決まった「Xperia Touch」が紹介された。Androidプラットフォームで動作するデバイスで、本体に内蔵されたプロジェクターで壁やスクリーン、机などに映像を投影することができる。投影した画面をタッチすることで、画面内の操作も可能。データ通信を使い、遠くにいる家族とビデオチャットを楽しんだり、家族間のメモを残すようにするなど、さまざまな活用が期待される。
Xperiaシリーズ最高峰の「Xperia XZ Premium」
そして、Xperiaシリーズの中心であるスマートフォンについては、カメラ、ディスプレイ、パフォーマンスという3つの項目について、強化を図った新製品を発表したという。
まず、カメラについては、これまでのXperiaシリーズの流れを受け継ぎ、ソニー製のGレンズ、CMOSイメージセンサーのExmor RS for mobile、画像処理エンジンのBIONZ for mobileで構成しているが、今回発表されたプレミアムラインの「Xperia XZ Premium」「Xperia XZs」では、イメージセンサーに新開発の1900万画素メモリー積層型CMOSイメージセンサーを採用し、Gレンズも改良を加えた最新のものを組み合わせ、処理エンジンのBIONZ for mobileも最新のチューニングを加えることで、まったく新しいカメラモジュールとして構成されている。
ソニーモバイルではこの新しいカメラを「Motion EYE」と名付けている。カメラの画素数としては従来のXperia XZの2300万画素よりも低いが、画素ピッチが拡大したことで、暗いところでの撮影にも強くなっているという。
この新たなカメラ「Motion EYE」では、新たな撮影機能を数多く利用できるが、メモリー積層型CMOSイメージセンサーの特徴を活かしたものとして、最大960fpsでの再生が可能な「スーパースローモーション撮影機能」が搭載されており、ブース内ではさまざまな動きのある被写体を用意することで、実際の撮影と再生を体験できるようにしている。
撮影した映像は最大960fpsで再生する部分も含め、MP4形式で保存され、家族や友だちとやり取りをしたり、SNSなどで共有したりできる。再生環境もスマートフォンで一般的なMP4形式が再生できる環境であれば、問題なく楽しむことができるそうだ。さらに、Predictive Capture(先読みキャプチャ)と呼ばれる機能も搭載されており、動きのある被写体を撮影したときの決定的シーンをより簡単に撮影できるようにしている。
ディスプレイについては、Xperia XZ Premiumが世界初の5.5インチ 4K HDRディスプレイ、Xperia XZsが5.2インチのフルHD対応のディスプレイをそれぞれ搭載する。4K対応ディスプレイとしては2015年11月に国内で発売されたXperia Z5 Premium以来の搭載で、当時のモデルでも好評だったクローム仕上げのボディカラーに加え、Deepblack Seaと呼ばれる光沢感のあるブラックもラインアップされる。4Kに対応した動画コンテンツはAmazon Primeビデオから提供され、ブース内でもAmazon Primeの再生デモが行われていた。
3つ目の進化点であるパフォーマンスについては、Xperia XZ Premiumがチップセットに米Qualcomm製の最新チップセットである「Snapdragon 835」、Xperia XZsが「Snapdragon 820」をそれぞれ搭載しており、モバイルデータ通信はXperia XZ Premiumが受信時最大1GbpsのCAT.16に対応、Xperia XZsがCat.11に対応する。
ボリュームゾーンを狙うXperia XA1/XA1 Ultra
従来のXperia XZを大幅に進化させたプレミアムラインのXperia XZ Premium/XZsに対し、高いコストパフォーマンスで幅広いユーザー層を狙うのがXperia XA1/XA1 Ultraの2機種だ。
いずれのモデルも基本的なデザインコンセプトは従来のXperia Xシリーズのものを継承しているが、Xperia XA1はボディの背面と側面をシームレスにつながるような仕上げを取り入れ、チップセットなどをより高性能なものにすることで、従来のXperia XAよりも一段とコストパフォーマンスを高めるモデルとなる。
もう一方のXperia XA1 Ultraは2013年に発売された「Xperia Z Ultra」(日本では2014年にauが発売)などから続く「Ultra」の名を冠したモデルで、6インチのフルHD対応ディスプレイを搭載する。チップセットはMediaTek製Helio P20を搭載し、カメラは昨年のXperia XZのものを継承するなど、コストパフォーマンスに優れたモデルとして仕上げられている。