【CES 2020】

シャオミのパートナー企業による安価なタフネススマートウォッチ「Amazfit T-Rex」

完全分離型のワイヤレスイヤホンやトレッドミルも発表

 シャオミと提携するHuamiは、CES 2020期間中にプレスカンファレンスを開催し、スマートウォッチ「Amazfit T-Rex」「Amazfit Bip S」などの新製品を発表した。

Amazfit T-Rex

 Huamiは中国のシャオミ(Xiaomi/小米)と提携し、シャオミブランドやシャオミの販路で製品を展開するパートナー企業。シャオミブランドで販売されている「Mi Band」のメーカーでもあり、Huami独自ブランドのスマートウォッチ「Amazfit」もシャオミの直営店「小米之家」などで販売されている。

 シャオミは昨年12月に日本でもスマートフォンを発売したが、実はシャオミが販売しているスマートフォン以外の製品は、スマートフォンよりも先に日本に参入していて、Amazfitのスマートウォッチも一部が国内で販売されている。

 今回CESで発表された製品は、日本発売予定についてはアナウンスされず、「正式発表を待て」との回答だったが、スマートウォッチ「Amazfit T-Rex」「Amazfit Bip S」の2製品については日本の電波法に基づく技術基準適合証明を取得していることが確認できたので、日本で発売される可能性は高そうだ。

Amazfit T-Rexの技適表示
Amazfit Bip Sの技適表示

タフネス系スマートウォッチの「Amazfit T-Rex」

 今回発表された「Amazfit T-Rex」は、円形の有機ELディスプレイを搭載するスマートウォッチで、国内で販売されている「Amazfit Verge」などにも近いが、まったく新しいデザインを採用している。

Amazfit T-Rex。デザインはG-SHOCKなどのタフネス系

 OSはHuami独自のもので、WearOSではないが、通知や各種トラッキング、心拍計測などの機能を搭載している。GPSも内蔵し、最大20時間の連続トラッキングが可能。通常の利用ならば40日間連続使用できる。電池の持ちは悪くなるが、ディスプレイの常時表示も設定可能。

心拍数センサーを搭載する

 デザインはアウトドアを意識した重厚なもので、MILスペック準拠のタフネス性能を特徴ともしている。しかし本体は樹脂製で、重厚なデザインの反面、重量はベルト込みで58gと、ディスプレイサイズのわりには軽量となっている。

 1月中に発売予定で、価格は139.9ドル(約1万5000円)と安価なのも特徴だ。シャオミ以外のスマートフォンとも連携可能で、AndroidだけでなくiPhoneでも利用できる。

40日間連続使用可能な「Amazfit Bip S」

 「Amazfit Bip S」は日本でも販売中の「Amazfit Bip」の最新モデル。従来モデル同様、四角いディスプレイを採用したデザインで、反射型のカラー液晶を搭載している。こちらもAmazfit独自OSを搭載していて、WearOSなどの汎用アプリは使えない。

Amazfit Bip S。ディスプレイはライトを点灯させても彩度に欠ける

 反射型の液晶なので、ライトを点灯させても輝度やコントラストは通常の液晶や有機ELに劣るが、逆にライトを消灯しても画面表示を確認できるのが特徴だ。通常のディスプレイでは視認性が落ちる真夏の炎天下などの極端に明るい場所では、逆に視認性が向上する。ライトは消灯しても、画面を消すことはできない常時表示仕様となっている。

ライトが消灯していても表示が見える。液晶などと逆で、周囲が明るければ明るいほど見やすい

 デザインはApple Watchなどにも似たシンプルなもので、側面のボタンとタッチパネルで操作する。ストラップなしで19g、ストラップありでも31gとかなり軽量だが、バッテリーは通常利用でも40日間、GPS測定をしても22時間稼働する。

 2月に発売予定で、価格はアナウンスされていないが、従来モデルと同等もしくは少し高くなるとみられる。旧モデルである「Amazfit Bip」はアメリカのAmazonでは67.99ドル、国内では量販店などで1万2000円程度で販売されている。

完全分離型イヤホン「Amazfit PowerBuds」なども発表

 今回の発表会では、スマートウォッチ2製品以外にも、完全分離型のワイヤレスイヤホンやトレッドミルも発表された。いずれも日本での発売はアナウンスされていない。

Amazfit PowerBuds。充電ケース側にもバッテリーを搭載し、外出中に充電できる

 完全分離型ワイヤレスイヤホンの「Amazfit PowerBuds」はスポーツシーンでの利用も想定した製品。重さは約6g、脱落を防ぐイヤーフックを付けても約7gとコンパクトなデザインで、IP55相当の防水仕様となっている。心拍計も搭載し、運動中の心拍数の警告などの機能もある。2月発売予定で、価格は99.9ドル(約1万1000円)。

Amazfit ZenBuds。睡眠時に着用しても邪魔にならないコンパクトなデザイン

 「Amazfit ZenBuds」はBluetoothヘッドセットではなく、睡眠時に着用する睡眠サポートデバイス。周囲の騒音を防ぎつつ快眠を誘うような音を流し、睡眠に入ったら音を消して心拍計や加速度センサーで睡眠状態を計測する。こちらは2020年発売としかアナウンスされておらず、価格も未発表。

CES展示会場のAmazfit CoreStudio。家庭用だが、日本の家庭ではキツそうなサイズ感

 「Amazfit CoreStudio」と「Amazfit AirRun」はトレッドミル製品(ルームランナーなどとも呼ばれる屋内用のトレーニング機器)。CoreStudioの方は姿見のような43インチの縦長ディスプレイデバイス「SMART GYM HUB」が付属していて、走りながらデータなどを見たり、ストレッチやヨガなどのコーチングに使ったりもできる。

 AirRunはよりコンパクトなモデルで、SMART GYM HUBのような機器は付属しないが、スマートデバイスのホルダーやJBLのスピーカーなどを内蔵する。いずれのモデルもスマートフォンなどと連携できる。なお、発売時期や価格は発表されていない。

Amazfit AirRun。前方のバーは折りたためる

 シャオミはトレッドミル分野にも注力し始めているようで、最近ではシャオミグループのYouPin(有品)が、折りたたんでコンパクトに収納できるトレッドミル「WalkingPad R1 Pro」をIndiegogoでクラウドファンディングを行い、製品化している。