OKI、移動体のFMCを利用して通信コストを下げる「IPstage」


 OKIネットワークスは11日、移動体通信キャリアのFMCサービスやNTT東西の提供するIP電話サービス「ひかり電話オフィスタイプ」などに対応した中小規模オフィス向けのIP-PBX「IPstage EX300 リリース7」とIP&モバイルビジネスホン「IPstage MX/SX リリース7」の販売を開始した。価格は「IPsage SX」10内線モデルで70万円から。

 「IPstage」は中小規模向けのIP-PBXとIP&モバイルビジネスホンで構成される製品シリーズ。今回のリリース7では、景気低迷の中、通信コストを削減したいという企業ニーズに応える機能を重点的に強化。移動体キャリア4社のFMCサービスとの連携をサポートしたほか、NTT東西のIP電話サービス「ひかり電話オフィスタイプ」の直接接続を可能にした。

 価格は、「IPstage EX300」150内線モデルで700万円から。「IPstage MX」50内線モデルで285万円から、「IPstage SX」10内線モデルで70万円から。

移動体キャリアのFMCサービスを連携させた場合の「IPstage」利用イメージ

 OKIネットワークスの試算では、「IPstage」でFMCサービスを利用した場合、オフィスの電話機とモバイル端末の間で内線電話による発着信が可能になるため、モバイル端末20台利用時で、約70%の通信コスト削減が可能だという。

 なお、FMCは「Fixed(=固定通信)Mobile(=移動体通信)Convergence(収束、ひとつにまとめること)」の略で、移動体キャリアのFMCサービスとは、移動体キャリアの携帯電話/PHS端末を企業の内線電話として利用できるサービスを指す。内線端末として利用できるため、通信コストの削減が図れるほか、社内・社外を問わず端末ひとつで連絡が取れるなどの利点がある。

 「IPstageシリーズ リリース7」では、NTTドコモの「オフィスリンク」、KDDIの「KDDI ビジネスコールダイレクト」、ソフトバンクモバイルの「ホワイトオフィス」、ウィルコムの「W-VPN」の移動体キャリア4社のFMCサービスをサポートする。

 固定通信では、NTT東西のNGN網による「フレッツ 光ネクスト」を利用する、「ひかり電話オフィスタイプ」との直接接続をサポート。「ひかり電話オフィスタイプ」は1契約で最大8チャネル32番号まで利用可能で、NTT東西の加入電話・ISDN回線、他社固定電話への通話料は日本全国一律3分8.4円となる。また、同一契約グループ間なら定額化も可能なため、OKIネットワークスの試算によれば、4チャネル使用時で約50%の通信コスト削減も可能だという。

 また、OKIネットワークスのVoIPゲートウェイ「インターネット・ボイス・ゲートウェイ」とのSIP連携もサポート。これにより、既存のPBX/ビジネスホン拠点との事業所間の内線ネットワークが容易に構築でき、既存資産を活用しながら、段階的にIPネットワークへ移行することが可能だという。

 SIP電話機は、電話帳や発着信履歴、ハンズフリーなどの機能を搭載した「スーパーホン IP-V2」を内線収容した。このほか、音声通話ソフト「Com@WILLソフトフォン」の画面デザインも一新。TV会議の画面上にファイルをドラッグ&ドロップすることで会議メンバーで資料の共有を可能にするなど、使い勝手を向上させた。

RFC3261(SIP)準拠の「スーパーホンIP-V2」音声通話ソフト「Com@WILLソフトフォン」画面



(工藤 ひろえ)

2009/11/12 06:00