本日の一品

DAC内蔵なLightning接続のヘッドホン「IC-Earphone」

 iPhoneで、音楽を、いい音で聴きたい! と考えた時。選択肢のひとつに、音楽を再生する回路ごとiPhone内蔵のものから外部機器に替えるという手段がある。具体的には、DACという回路をiPhone内蔵から外付けに替えるということ。

IC-Earphone

 DACとは「デジタル・アナログ変換回路」のことで、“Digital to Analog Converter”の略。オーディオ機器では、デジタルな電気信号を、実際ヘッドホンを鳴らすアナログ電気信号に変える回路を指す。デジタルミュージックプレイヤーならば、どの機器でもDACや類する機能を持っているわけだが、これをユーザーの好みのものに取り変えてしまおうというわけだ。

イヤーピースは3サイズ、最大径でも筆者にはちょっと小さめだった

 今回紹介する「IC-Earphone」はLightningコネクターに接続するユニークなiPhone/iPad専用のヘッドホン。DACをヘッドホンに内蔵し、より高品質なサウンドを再生できるという。内蔵DACの性能は24bit/48kHz。インイヤータイプで密閉ダイナミック型のドライバーユニットは再生周波数帯域20Hz~20kHzまでの音声を出力する。

アップルによるMFi認証済みだ

 DAC内蔵といっても見た目は普通のヘッドホンなので、違和感なく扱える。一般的にiPhoneで外部DACを使うには、ポータブルヘッドホンアンプという機器をつなぐのだが、機器が増えるわずわらしさがないのは「IC-Earphone」の強い利点だ。

 ヘッドホンにDACが一体化した構造にはもうひとつメリットがある。「IC-Earphone」は、Lightningコネクターから内蔵DACまで、デジタルデータが原理的に劣化なく送られる。そこで変換されたアナログ電気信号はそのままヘッドホンで出力される。アナログなヘッドホンコネクターを経由しないため、ノイズによる劣化の少ない、より高品質なサウンドが期待できるというわけだ。

リモコン部。マイクは装備されていない

 実際に聴いてみると、直接接続のためか、一般的なヘッドホンよりクリアでザラつきのない印象を受ける。音質そのものは軽い味付けで、長く聴いていても疲れないチューニング。普段使いのリスニングに良いだろう。

 ためしにハイレゾ品質のFLACファイルを再生してみたが、普通のヘッドホンよりも音の奥行きの広がりに向上がみられた。ヘッドホン性能がフルスペックのハイレゾに対応しているわけではないので、次回作ではさらなるスペックのアップデートを期待したいところだ。

 アップルのMFi認証を受けているのでLightningコネクターの品質は安心。リモコンも装備し、フラットなケーブルを採用。このきしめんみたいなケーブルは、絡みにくくとても良い。カラーリングはホワイト、レッド、ブルー、グリーンの4種類で、フラットケーブルと相まってポップなルックスはポイントだ。

フラットケーブルでカバンの中でも絡みにくい

外部DACとノイズレスの環境が、手軽に手に入る「IC-Earphone」。iPhoneの音質向上にちょっと違うアプローチを試してみるのはいかがだろうか。

製品名販売元購入価格
IC-Earphoneリンクスインターナショナル1万778円

はやしだ