本日の一品
クラウドファンディング発の「MoneyClip」
(2015/5/11 06:00)
巷にはポイントカードやIDカード、非接触ICカードのたぐいがあふれ、クレジットカードは日本人一人あたり3枚強を保有しているという。そして、それらの普及とあいまってキャッシュレス文化が拡大しているようだ。
そんな日本の社会で「マネークリップ」というツールが定着してくるとは、なかなか素直には思えないところだが、昨年、クラウドファンディングでスタートした「印デザイン」製のMoneyClipを、上野駅構内のステーショナリーショップで購入した。
オン・ビジネスでマネークリップを常用するビジネスマンは、海外でもそれほど多くは見かけない。当然のごとく、国内外でマネークリップを志向するユーザーはきわめて少なく、そこがかえってクラウドファンディングによる商品企画や製造が実現する一つの大きな理由なのだろう。
ニッチマーケットは基本的に、想定される顧客数が少なければ少ないほど、そのテンションは高い。印デザインのMoneyClipもそんなセグメントを対象にした商品なのかもしれない。
いくつかのカラーバリエーションはあるが、筆者が購入したのは、グレーのプラスチック製本体に、蛍光イエローのゴムバンドタグが付属した、なかなかクールなカラーバランスのモノだ。
市場にあふれる多くの薄型財布でも、素材が布製や革製なら実際の収容力も多少の無理は効くが、MoneyClipは、ハードなプラスチック製であるがゆえに、中身の膨張力による拡張はほとんど期待できない商品だ。
本体からゴムバンドを取り除くと、二枚の薄いプラスティックパーツに分離する。それぞれの外面にクレジットカードのたぐいが1枚だけ収納可能だ。そして、2つのパーツをゴムバンドでバインドした隙間に、紙幣を収納する仕組みとなっている。
紙幣は、カード・プラスサイズの、2枚プラスティック板の間に挟むために、必ず2つ折りにすることが条件となるだろう。実際にやってみたところ、紙幣10枚を折りたたむともうかなりタイトな状況だ。
快適に使うことを考えると、一万円札が2枚、千円札が5枚の合計7枚くらいが妥当な感じだった。クレジットカードや非接触型ICカードのたぐいも、厳選して極めつけの2枚を選び抜かなければならない。
その不自由さがマネークリップ派には悶えるほど楽しいのかもしれないが、年齢にかかわらず、がまぐち型の大型財布が標準的な女性ユーザーからは、まずお呼びはかからない商品だろう。
きっとMoneyClipは、若い男性の間でも一時流行った、ゴロゴロ太った財布ユーザーの対局に位置する、少数派のシンプル派男性の必須アイテムなのだろう。ここまでシンプルにまとめるなら、キャッシュレスを基本路線に据えて、決済店舗の多い交通系ICカードを1枚、そして最低でもプラチナカードクラスのクレジットカードを入れてみたくなる。そしてキャッシュとして持つ紙幣は福沢諭吉3枚あたりに絞りたいものだ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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MoneyClip | 印デザイン | 2400円 |