妙案を思いついたら速攻で記録「BRIGHT IDEAS」メモパッド


「BRIGHT IDEAS」。その名の通り、妙案を書くメモ

 総売上の金額的伸びは別にしても、日本国内でも盛り上がりを見せるステーショナリー業界だが、日本と海外では、文具アイテムの中でも目標とするディテールが大きく違う商品も多い。米国を始めとする欧米では、付箋紙にしてもメッセージメモにしても、カレンダーにしてもその目的を詳細に分析して、多くのフォーム・バリエーションを開発し、エンドユーザーに提供する傾向が強い。

 下手をすれば“大きなお世話”的な、ニーズとかけ離れた特殊なフォーマット用紙なども提供してしまいそうだが、そんなことも気にせずありとあらゆる種類のフォームが存在する。ホテルの朝食バイキングのサラダドレッシングと同じで、使うか使わないかは別にして、バリエーションの豊富さが、わかりやすい「選択可能性」を打ち出し、顧客の“選択した感”を高め、“自分だけ感”を醸し出す重要なマーケティング戦略となっている。

 しかし、そのバリエーション天国の欧米のステーショナリー業界でも唯一バリエーションの少ない例外は“妙案をひねり出す!”という「BRIGHT IDEAS」(閃き)系のステーショナリーだ。筆者は典型的な日本人なのか、欧米人や先進的な日本人が大好きな、文具による“HACK系”や、“ステップアップ”などの宗教的メソドロジー(方法論)には全く興味がない。

 欧米は、メソドロジーを体系化して書物にして実践する傾向が強く、日本は、メソドロジーを一歩進めて具体的なステーショナリーまでを作ってしまうのが特長だ。今回ご紹介する「BRIGHT IDEAS」は、理論は得意だが、それをステーショナリーという形に落とすとこうなるという典型的アメリカンで詰めの甘い大雑把なメモだ。

 しかし、BRIGHT IDEASをよく観察し使ってみると、「これで十分ではないか!」と考えるようになってくる。そもそも“閃き”の為に重要なことは、“いつもメモを携えていること” と “いつでもどこでも書き込める体制”、それに思いついた時に「速攻で書く」ことを絶対に実行する、この3つだけだ。

 BRIGHT IDEASは、ニーモシネやキングジム、ThinkingPowerなどが揃って発売しているA7サイズのブロックメモ型サイズとほぼ同じ。ケースやカバーを装着することなく、抜き差しの容易なキャップのない小さなリトラクタブル・ボールペンを同梱している。

 BRIGHT IDEASメモパッドは、“アイデア創出のバイブル”とも言える世界最高の書物「アイデアのつくり方」を世に送り出したアメリカ産のポケット版、きわめてシンプルな「妙案創出メモパッド」に違いない。

A7サイズというのは、国を問わず携帯型メモに最適なサイズらしい筆者的には内部の横罫がいまいちだ、アイデアは5mm感覚のマス目かドットだ
ペンホルダーを紙で一体型に仕上げたところが秀作だ両手を使ってキャップを取り外す必要のある筆記具はモバイル的ではない
BRIGHT IDEAS付属のボールペンは携帯時は小さくキャップがない使用時は、片手でレバーを起こせば長く伸びて筆記時のホールドはバッチリだ何十年もアイデア創発の世界の名著にもあるように、常にメモを取ることは基本だ


商品名実売価格購入場所
OFFICE SPEAK MINI MEMO PAD WITH PEN
「BRIGHT IDEAS」
714円六本木ヒルズ4階「Toffys」

(ゼロ・ハリ)

2012/10/2 06:00