イエデンワを超える!? 「クラシック・ハンドセット」をスマホで使う


ビンテージ系のiPhone革ケースなどとカラーマッチングはバッチリ

 まったくといっていいほど使い分けはできていないのだが、常時携帯端末は数台くらいを所持している。その中でいま、最も気に入っているのがWILLCOM社の「イエデンワ」だ。自宅から発信する時はまずスマートフォンや携帯電話は使わず、自宅デスク上に設置しているイエデンワを愛用している。

 長電話が予想される場合には、出張先のホテルや大学、サテライト・オフィスにも持っていくことがある。エネループ充電池を入れており、常時電源ケーブルをつなげている必要がないため、成り行きでアウトドアでやむなく受話することもある。それなりの無神経さが備わってくれば、さして人目を気にすることなく堂々と話せるようになってくるものだ。

 イエデンワを丸ごと持って歩くのは少々ハードルが高いが、歴史の裏付けと膨大な数のユーザーの英知が反映した電話機の“受話器”部分は、よく考えられたリーズナブルなサイズと形状をしているものだ。そんな伝統的デザインを革新的なアプローチで活用しようというハンドセットを秋葉原で購入した。

 今回ご紹介する製品は、パッケージに日本語表記は皆無、英語表現もほんの少し。「手机大活筒」と大きく表記されたパッケージを開けると、大抵の日本人には懐かしいとも感じないほどオールディーズな、昭和初期の映画に出てくるような受話器が出てくる。

 全般に薄い金属とプラスチックででき上がっているようで、見かけに反して重量は極めて軽い。ハンドル部分中央はウッド製のようにも見えるが、ここも多分プラスチック製だ。スパイラルケーブルの先には、iPhoneやアンドロイド系のスマホのヘッドフォンジャックにピッタリのミニプラグが付いている。

 きわめて軽量な「手机大活筒」だが、手に持って音声通話をした時の快適さ加減には正直、驚くものがある。まず、受話器のバランス感と、それ以上に驚くのは、マイクとスピーカーの位置関係と、それらを覆う受話器全体の微妙な曲がり具合だ。

  受話器を単に手にもって、耳元と口元に近づけるだけで、マイク部分はあくまで自然と口元にベストな状態に位置し、スピーカー部分は耳に優しくベストな位置にフィットする。一度でも、「手机大活筒」を使ってみれば、全ての現代人は、メールやネットサーフィンにだけ向いたフラット形状なスマホで、無理して音声会話していることが理解できるだろう。

  筆者も含め、イエデンワを車内や喫茶店などで使っている人を稀に見かけることがあるが、これも同じ理由だ。世界に溢れるスマホは、グッドデザインもそうではないモノも多少存在するが、基本的に大同小異だ。全てに共通していることは、話す道具ではないスマホで現代人は無理をして会話していることだ。スマホにはハンドセットを付けて使ってみよう。きっとい世界が変わるに違いない。

iPhoneなどのヘッドフォンジャックに挿入するだけ。簡単にダイヤル通話可能だ持った感じも抜群だ。スピーカーとマイクの関係や微妙な設置角度が最高だ
アイコンをプッシュするだけでダイヤルするスマホの先端機能とクラシカルなハンドセットのペアがなかなかシュールだ筆者宅では、イエデンワ(左)の強敵となった「手机大活筒」+アンドロイド・スマホ

商品名実売価格購入場所
「手机大活筒」(Classical Handset)
iPhone、iPadなどのスマホ用
1980円秋葉原


(ゼロ・ハリ)

2012/8/21 06:00