大量の名刺を楽々デジタル化! 管理も楽な「KYBER SmartCardBox」


「KYBER SmartCardBox」

 去年からお世話になっているのが、オーリッドの「KYBER BusinessCard」という名刺管理アプリ。スマートフォンのカメラで名刺の写真を撮ってアップロードするだけで、驚くほどの高精度でデジタル化してくれるサービスだ。デジタル化は有料だが、変換が早く、ほぼ直す必要がないレベル。名刺の空きスペースに書き込んだ、日付や相手の特徴といった手書きのメモまでデジタル化して保存してくれるからスゴイのだ。

 デジタル化されたデータは、名刺の写真とともにクラウド上にアドレス帳として保存されるため、うっかり紛失してしまうことが防げるうえ、スマートフォンがあればいつでもどこでもアクセスでき、電話やメールで連絡できるのだ。加えて、名前や社名で並べ変えが可能なので、会社単位で簡単にまとめられるし、必要なものだけスマートフォン内のアドレス帳にインポートすることもできる。端末を変えてもアプリでログインし直すだけなので、データの移し変えで手間取ることもない。「KYBER BusinessCard」は、名刺管理の悩みを全部解消してくれたので、大変気に入っている。

 ただ1つ、名刺の読み取り作業だけはちょっと面倒だ。1枚ずつスマートフォンで撮影せねばならないし、影が入ると気になるので、撮影場所に悩んだりする。

 というわけで、前置きが長くなったが、そんな名刺の読み取りの手間をサクッと解消するアイテムが、今回ご紹介するオーリッドの「KYBER SmartCardBox」(以下、SmartCardBox)なのだ。これはEthernetとWi-Fiをサポートした専用の機器「SmartCardBox」で名刺をスキャンし、自動的にサーバーに送信、デジタル化するというもの。今回は発売前の製品をお借りできたので、ガンガン名刺を読み込ませてみた。

 準備として、iPhoneまたはAndroid用のアプリ「KYBER」をインストール(無料)、アカウントの作成、「SmartCardBox」のインターネット接続設定とアクティベーション、アカウントと「SmartCardBox」の関連づけを行う。

 使用する場所で無線LANが使えないときは、Ethernetのケーブルを差し込めばすぐ利用できる。無線LANで使うときは、USBメモリを使って「SmartCardBox」にSSIDやパスワードを設定する。書き込み用の専用ソフトが用意されているので設定自体は簡単だが、SSIDとパスワードは手動で入力するので、ルーターの自動設定に任せている人は、あらかじめルーター側のSSIDなどを調べておいたほうがいいだろう。

 設定が終われば、あとは名刺をスキャンするだけ。「SmartCardBox」の四角い穴の上をスライドさせるように、1枚ずつ名刺を入れると、名刺がどんどん読み込まれていく。読み取り中にはWi-Fiランプが点滅し、次にStatusランプが1回点滅する。これを確認してから次の名刺を挿入するとスムーズに送信されるようだ。スキャンスピードは、1分間に約6枚程度が目安だろうか。これなら1日20名と名刺交換しても、約3分ほどで作業は終わるのだから楽だ。おまけに、誰が読み込ませても同じクオリティで読み取られ、スマートフォンで撮影するときのような影や手間で困ることもない。

 読み取られた名刺のデータは、モノクロで、KYBERのサーバーに送られOCR処理される。もちろん、人力判定ありきのほぼ100%という高精度なので、ほとんどの場合はほったらかしでOKだ。日々増える名刺の山に悩んでいる人は、「SmartCardBox」を使えば確実にストレスから解放されるだろう。

 ちなみに、名刺はできるだけ低い角度から滑り込ませるように挿入すると、連続して読み取られやすいようだ。名刺のフチを「SmartCardBox」の口に直接触れるよう“置いて”しまうと、認識されにくくなるので注意しよう。うまく認識されないときは、上から軽く押すとすぐに送られた。


KYBER SmartCardBox(Wi-Fiモデル)。実際のパッケージでは、他にアクティベーション用のカードなどが含まれる上から見た様子
右から、ACアダプタの接続ポート、LANポート、USBポート、メンテナンス用のジョグダイヤルがある名刺の差込口
Wi-Fiで使う方は、設定用にUSBメモリを用意しておこうWi-Fiのランプがオレンジ色に点灯したら、接続設定は完了
あとは「SmartCardBox」におまかせ低い角度から、滑り込ませるように差し込むとGOOD!
上から置くように差し込もうとすると、認識されないことがある反応しないときは、上から軽く押してみるとよい

 

 デジタル化が完了すると、アプリ「KYBER」の「Business Cards」に読み込んだ順に並べられる。一般的なアドレス帳は文字だけだが、「Business Cards」は名刺の画像も保存されるので、名刺を見ているというリアリティも特徴だ。

 画像の横のアイコンは、上から順に、電話、メール、ウェブサイト、地図、書き出し、タグ付けとなっていて、アイコンをタップすると、名刺を見ながら電話をするというイメージで操作できるのである。もちろんいきなり発信したりはしないので、ご安心いただきたい。

 名刺の画像自体をタップすると、デジタル化された断片がどのようになっていたのか確認しながら、データを編集できるようになっている。万が一間違いが発見された場合は、その部分だけアップロードして、無料で再変換できる。


アプリ「KYBER」の「Business Cards」で取り込んだ名刺を閲覧する連続して送信したときは、こんな状態にデジタル化されたばかりの名刺には、「New」のマークが
名前をタップすると、スクロール可能な名刺の画像が並ぶ。読み取りは片面名刺の画像の右側にアイコンが並ぶ電話のアイコンをタップすると電話番号を表示。タップすると発信する。携帯電話もある場合は、2つ表示される
メールのアイコンをタップ地球儀風のアイコンをタップすると、名刺に記載されたURLからウェブサイトにアクセスビルのアイコンは住所。場所を表す地図と、現在地からの経路が分かる
地図を表示してみた名刺単位で連絡先に保存できる名刺をタップすると、何がどのように変換されたのかが確認できる

 

 

製品名製造元購入価格
KYBER SmartCardBox Wi-Fiモデル
(1年間名刺デジタル化無制限利用ライセンス)
オーリッド2万4900円

 




(すずまり)

2012/6/25 11:35