スマートフォンとドライブに行こう


「Mobile-Fit typeQ」

 スマートフォンの使い道にはいろいろなものがあるけど、クルマに乗っている身としては、気になるのがナビ機能。ただ、日本は新車販売時のカーナビ装着率が70%にも達するそうで、「今さら、スマートフォンのナビ機能なんて……」と考えている人も結構、多い。

 確かに、純正品やアフターマーケットのカーナビは、高機能で優れているんだけど、年数回のデータ更新が必要だったり、更新には時間や手間、費用も掛かったりするケースが多い。タイミングによっては、せっかくデータを更新したばかりなのに、新しい施設が登録されていなくて、目的地が見つからないなんていうことも起きる。これに対し、スマートフォンのナビ機能はサーバーに保存されている地図がベースとなるため、データ更新が比較的早く、基本的には常に最新の地図データでナビゲーションができる。そして何よりも、パケット通信料以外のコストが無料、もしくは割安であるため、誰でも気軽に利用できるというのがメリットだ。

 どちらが優れているという話ではなく、せっかくスマートフォンにもナビ機能があるんだから、これを使わないというのはもったいないというのがホンネ。ボク自身もクルマにはちゃんとしたナビが付いているんだけど、最近はスマートフォンのナビ機能を併用することが増えてきている。

 ただ、クルマに組み付けられたカーナビと違い、スマートフォンは基本的に携帯電話であるため、どこに固定するか、いかに着脱しやすくするかというのが悩みどころ。そこで、モバイル機器を車内に固定するためのツールをいろいろ試してみたんだけど、なかなかいいモノが見つからない。例えば、アームタイプのものはクルマの振動でガタガタと揺れるし、気温や湿度によって、位置が動いたり、外れてしまうこともある。フロントガラスに吸盤で固定するタイプも販売されているけど、フロントガラスには決められた範囲にフィルムアンテナなど以外のものを貼ってはいけないなんていう法律もあって、真面目な一市民としては、あまり積極的に使う気になれない。

 そんなときに見つけたのが「MobileFit」という商品。携帯電話を置いておく汎用スタンドのようなものなんだけど、これが意外にしっかりと固定でき、着脱もしやすいスグレモノなのだ。見た目はいたってシンプルで、端末を置く部分とスタンドをダッシュボードなどに固定する部分から構成されている。

 まず、端末を置く部分については、中央に赤い粘着ゲルが装備されていて、スマートフォンを置いたとき、ボディ背面がひっついてくれる。外すときも普通に外せば、端末の背面に跡も残らないし、ベタ付くようなこともない。クルマの種類や走り方、道路にもよるけど、スマートフォンを置いたまま、クルマを走らせてもガタつくことはないし、外れるようなことは起きていない。置くことができるスマートフォンのサイズは、厚みが約16mm、幅が約66mmまでとなっており、耐荷重も300gまでなので、かなりワイドで分厚く、ヘビー級のスマートフォンでもない限り、大丈夫だ。また、スマートフォンを置いたとき、底面や側面、上面などを塞いでいないため、充電ケーブルなどがつなぎやすいのもうれしいところだ。

 一方、土台のスタンド部分は吸盤になっていて、ここにも粘着ゲルが使われているため、設置したい場所に置いて、背面のレバーを倒せば、しっかりと固定される。数週間、ダッシュボードに固定したままにして、スマートフォンを置いて運転してみたけど、一度も勝手に外れたことはない。ちなみに、粘着ゲルが汚れたときは、水洗いをすることで、粘着性が復活するそうなので、気になるときはウェットティッシュなどで拭いてみるのがおすすめだ。

 今のところ、「Mobile Fit」は助手席側からも見えるように、中央のダッシュボードの上に設置している。クルマによっては運転席側のメーターパネルの横(窓側)に置いてもいいだろうし、傾斜の緩やかなコンソールボックス近辺に設置することも可能だ。ちなみに、電話が掛かってきたときの応対は、端末を手に取ってもいいけど、この際、Bluetoothヘッドセットをペアリングしておけば、端末に触れることなく、応答することができる。安心して置くことができるスタンドを使って、スマートフォンとドライブに出かけてみてはどうでしょう? はい、もちろん、安全運転で。

パッケージから取り出した直後は、背面が密着する赤い部分と底面の粘着ゲルは保護シートが貼られているシンプルなデザインのスタンドだけど、中央の赤い部分が粘着ゲルになっていて、端末を置くと、密着してホールドしてくれる
土台のスタンド部分は吸盤で密着させる。レバーを倒せば、密着状態になる構造吸盤部分にも粘着ゲルが使われているため、クルマのダッシュボードなどにも密着して固定される
フロントガラス側から見ると、こんな感じ。端末が置いてあると、ちょっと目立つ存在かもしれない端末を置くスペースは厚さ16mm、横幅66mmまで対応。一般的なサイズのスマートフォンであれば、ほとんど問題なく置くことができる
端末をホールドするのは左右下と背面だけなので、シガライターソケットなどから伸ばしてきたmicroUSBケーブルで充電できるAQUOS PHONE SH-12Cを置いてみた。ちょうどいいサイズで、視認性も良い。
底面が少しカーブしたボディデザインのBlackBerry Bold 9700。背面が密着しているので、走行中もずれたり、がたつくことはない現行モデルではもっともワイド&ヘビーのHTC EVO WiMAX ISW11HTを置いても大丈夫。左右にはまだ数mmの余裕がある
少しコンパクトなiPhone 4は、フラットな背面側がしっかり密着する。シリコンカバーもあまり分厚くなければ、ちゃんと収まるスウィーベルスタイルのAQUOS PHONE THE HYBRID 007SHもうまい具合いにホルダー部分に収まって固定される

 

製品名販売元購入価格
Mobile-Fit type QTrump2199円

 

 

(法林岳之)

2011/7/14 06:00