片耳ヘッドセットでも高音質で音楽が楽しめる!「Savor M1100」
「Plantronics Savor M1100」 |
日本プラントロニクスが4月14日に発売したBluetoothヘッドセット「Plantronics Savor M1100」を試用する機会を得た。店頭実売価格8800円前後という比較的高価なモデルとあって、さまざまな機能が盛り込まれている。
まず便利だったのだが、片耳仕様のヘッドセットながら「A2DP」プロファイルに対応している点だ。これにより「HSP」ないし「HFP」での音声通話だけでなく、MP3の音楽などが高音質で楽しめる。どうやら近年流行の仕様らしく、各社の高級モデルを中心に「片耳+A2DP」の導入が進んでいる。
今回は、M1100をiPhoneに接続して色々と試してみたが、「iPod」アプリ上で再生した音楽もきちんと高音質で聴けた。私が試用した限りでは「radiko.jp」アプリの音声も問題なく聴けた。
iPhone接続時にはその他のメリットもある。iPhone画面右上のバッテリー残量表示アイコンの横に、M1100自体のバッテリー残量も表示してくれるのだ。本体に搭載されたLEDの点灯パターンで残量が減っていることは確認できるが、ディスプレイに表示されると、満充電されているかどうかなどが分かるので、なかなか有り難い。
iPhoneの「iPod」アプリで音楽を再生しているところ。音声の出力先をM1100にするか、iPhone(スピーカー)にするか選択できる。 | iPhoneとM1100のペアリング画面。A2DPに対応しているからといって余計に手順が増えるといったこともない。右上のバッテリー残量表示にも注目だ | 通話時にも音声の入出力ソースを変えられる |
バッテリー残量を確認する方法はもう1つ、音声認識コマンドを使う方法もある。カバー部にある音声認識ボタンを押して「Check Battery」と喋ると、「Talk time 3 hours」などと女性の音声で教えてくれる。使うまでは本当に認識するか半信半疑だったが、会話はほとんど喋れない筆者の英語の声でも大丈夫だった。
音声認識用のコマンドはすべて英語ながら、いくつかの種類があって実用性も高そうだ。接続確認のために「Am I Connected?」と話せば「Your sound is Connected」と返してくれるし、「Pairing」と喋ればペアリングモードへの移行も行われる。リダイヤルも同様に行える。
また、1つ覚えておきたいのが着信時の挙動だ。M1100側で既定の「Incoming call」の音声の後に、「Say a Command」と繰り返される仕組みらしい。電話機側で設定したビープ音や着信メロディが鳴る訳ではないので、いざという時に慌てないようにしよう。ちなみにM1100での呼び出し中は自動的に音声認識が働いているので、ボタンを押すことなく「Answer」と発声すれば通話に移行する(ボタンによる応答ももちろん可能)。ただこの場面では「あんさー」ではなく「あんすぅあー」のという感じで喋らないと反応してくれなかったが(笑)。
解説の順番が前後してしまったが、そもそものペアリングも非常に簡単で、iPhoneを利用している限りはプロファイルの切換を意識する必要もない。「iPod」アプリで音楽を楽しんでいる最中、着信があったら「あんすぅあー」と喋って通話へ移行、終了したら音楽再生に自動復帰――なんてことが普通にできる。ステレオ仕様でこそないものの、片耳式ヘッドセットでもA2DP対応させる効果はかなり大きいと感じた。
ハードウェア上の難点を挙げるとすれば、音量調整ボタンが1つしかない点だ。+と-の2ボタン式ではないため、ボタンを押していくごとに音量が上がっていき、最大になると「Volume maximum」の音声が鳴り、さらに続いて押すと最小音量になる。一瞬とはいえ大きすぎる音量を聞かなければならないのはちょっと残念だ。
なお、通話音声の品質向上機能としては、トリプルマイク機構がある。声を拾うマイクに加え、2つのノイズリダクション用マイクを備えているというものだ。Bluetooth通話は周りの雑音や電波環境によっても品質が変わるので、劇的な変化を感じることは難しいが、さまざまな環境に対応できる「あると安心」な機能と言えるだろう。音質が悪い場合は、マイクが口元にきちんと向かっているかなど、色々と試行錯誤してみることも必要だ。
M1100の魅力はやはりA2DPにあると思う。両耳仕様のヘッドセットが大きすぎると思う方、あるいはラジオやポッドキャストを聞く程度なので片耳仕様で十分という方は、購入候補に加えてみるのもいいだろう。
上面にスライド式の電源スイッチ。充電ポートはmicroUSB | 黒いカバー部分を押し込む形で動作するスイッチは2つ。先端部に近い方が「音声認識」、耳穴挿入部に近い方が「コール」。耳に装着する際、間違って押しやすいので注意しよう |
耳への装着部。青く光っている部分がステータスLED | おもな付属品。充電用ACアダプター、サイズ違いのイヤーチップ(合計3種類)、イヤーループ、ポーチ、説明書など |
製品名 | 製造元 | 販売価格 |
Savor M1100 | プラントロニクス | 8800円前後 |
2011/6/10 06:00