高齢の家族にも渡しておきたい「携帯型熱中症計」


エアコンのある部屋でも「警戒」。部屋でも過度な運動は危険だ

 今年の夏は(いまだに)暑い。初めて会う人を相手に「今年は暑いですねえ」という季節的話題で話がはじめられる意味ではよいが、熱中症で倒れた人が多数出るというニュースを見ると、今年の夏の暑さは前向きには捉えられない部分もある。

 今回紹介するのは、日本気象協会が監修した「携帯型熱中症計」だ。ストップウォッチのような、あるいは「たまごっち」のような外観で、本体のボタンを押すことで、側面の通気口より入る周囲の気温と湿度を表示する。さらに、日本気象協会独自の計算手法で熱中症指標値を算出し、熱中症になりやすいか否かを「ほぼ安全」「安全」「警戒」「厳重警戒」「危険」の5段階で知らせる。液晶での表示だけでなく警戒なら「ピッピッ」、危険なら「ピー」といった具合に、危険度に応じてブザー音を鳴らすこともできる。このブザーのオンオフは側面のスイッチで切り替え可能だ。

 関東の夏、家からそれを持ち出してみると、外に出るだけで「厳重警戒」になり、屋外以上に蒸し暑かったエレベーターの中では最高レベルの「危険」を示した。自分自身の感覚の通りの表示という印象だ。ところが、エアコンの効いた電車内、また関東よりかなり快適な夏の札幌でも、3段階目の「警戒」を示した。なかなか辛口だなと思ったが、説明書を改めて読み直してみると「運動や激しい作業をする際は十分な休息と水分の補給を」と書いてある。温度だけでなく体調と合わせて考えたい。

 高齢者が熱中症で亡くなったというニュースで聞いたところによると、高齢になると感覚が鈍くなるため、エアコンをつけないで過ごし、熱中症になる場合があるという。こういった事態を予防すべく、感覚をカバーする意味で携帯型熱中症計を持ってもらうのも、ひとつの手ではないだろうか。そういった意味ではシニア層こそ持つべきアイテムといえる。筆者はベーシックなタイプの携帯型熱中症計を購入したが、10分置きに自動計測する「携帯型熱中症計(見守り機能付き)」や、歩数計がついた携帯型熱中症計なども発売されている。

 さて、この携帯型熱中症計でなんとか最も安全なレベルである「ほぼ安全」を表示させるべく、移動する際に常に携えていたが、気温20度少し、湿度も20%ちょいの飛行機に乗った際や、日本から離れた涼しめの場所でようやく「ほぼ安全」が表示された。やや大げさではないか、と思ったが、大げさすぎるぐらいが体にとって安全なのかもしれない。高齢の方にはもちろん、そうでない方にも、備えて損はない一品ではないだろうか。

本体側面にはブザーのオンオフを切り替えるスイッチと気温湿度を測る通気口が、背面にはボタン電池を押さえる電池蓋があるかなり不快なマンション用エレベーター内では予想通りの結果に
航空機内でようやっと「ほぼ安全」を掴む

 

製品名製造元購入価格
携帯型熱中症計デザインファクトリー1050円

 

 

(山谷 剛史)

2010/9/6 06:00