耳からバナナが出ていてもクールに決めるのが大人の女


使う方はあくまでもさりげなく自然に装着したい「クレイジーイヤホン バナナ」

 へんてこりんなものを作らせたら世界一ではないかと思われるソリッドアライアンスから、これまたらしい商品が登場した。なんとカナル型イヤホンの外側が半分に切ったバナナの形をしている「クレイジーイヤホン」である。耳に差し込むと、耳からバナナが飛び出しているように見える。ただそれだけのイヤホン。ああ! なんてバカバカしくてアホらしいのかしら!! おそらくこれは最高級の褒め言葉になるのではないかと思うのだが。そのバカバカしくてアホらしいイヤホンが実は密かに欲しかった筆者。念を送っていたら念願かなって手にすることができた。

 バナナであること以外は、普通のカナル型イヤホンである。コードの長さは1.2mで、S、Mサイズのシリコンイヤーピース、携帯電話用の平型コネクターが付属している。コントローラーなどはついていない。

 早速iPhone 3GSに接続し、耳からバナナを出しながら音楽を堪能してみた。視聴に全く問題はない。耳からバナナがでていること以外は。鏡で見てみたが、段々見慣れてくるから恐ろしい。そのまま外出し、いろんなところへ出向いてみた。

 筆者の耳にはイヤーピースのサイズが少々大きかった点は残念と言えば残念だが、それよりももっと重大な不満が生じてしまった。大体的に注目されなかったのである! 恥ずかしいどころかウキウキ気分になった筆者は、髪はアップにし、耳は完全露出であった。その両耳からバナナが出ているのだから、道行く人々、電車で隣り合わせた人々がみな驚愕の表情で筆者のことを見つめてくれるのかと期待していたのだが、山手線でも京王線でも京浜東北線でも京王新線でも、人々は想像以上にクールであった。なにゆえであろうか!! これが都会の冷たさなのであろうか? それとも筆者が高嶺の花に見えたのだろうか?? 「YOUたち、これ見てノーリアクションなんてクレイジーだヨ!」といいたい気分である。しばらくふさぎ込んでみたい。

 そして0.05秒ほどふさぎ込んで気づいた。どうせなら筆者には寿司のイクラバージョンがよかったんじゃないか。耳からイクラを出しながら山手線に乗る。お気に入りのサウンドに耳を傾けながら微笑んでいると、偶然居合わせたガジェット好き外人に「スシガール」として海外メディアに紹介されるのだ。それを見たグッドルッキングな金持ち外人に見初められ、好きなだけガジェットが買える裕福な暮らしが約束されて、ハッピーエンドになるという筋書きである。

 そんなクレイジーな妄想もし放題の「クレイジーイヤホン」なのであった。

イヤホン本体のほかは、S、Mサイズのシリコンキャップと携帯電話用の平型コネクターが付属リアルさも追求されているようだ
筆者の耳にはシリコンイヤーピースとバナナの間が少々大きいと感じたシリコンイヤーピースを外した様子
左右の区別もつけられる自分では見えないのが残念だ

 

製品名製造元購入価格
クレイジーイヤホン バナナソリッドアライアンス2000円

 

(すずまり)

2010/3/18 06:00