本日の一品

ビームフォーミングもMU-MIMOも付いた標準クラスWi-Fiルーター「Aterm WG1200HS2」

動作中のAterm WG1200HS2

 以前ほど無線LANの規格の進化は激しくないので、最近は毎年のようにWi-Fiルーター(無線LAN親機)を買い換えることがなくなってしまった。IEEE 802.11acが登場してからもう数年。最大速度が早いWi-Fiルーターは登場しているが、肝心の子機側が433Mbpsや867Mbps対応機しか持っていないため、買い換える気持ちも薄らいでいた。

 しかし、よく見てみるとビームフォーミングやらMIMOでもMU-MIMOなど機能が増えている。または、従来は高価格機でないと装備されない機能が普及品まで降りてきている。そして、筆者のまわりに限った話だが、ここ1~2年で急速に動画配信サービスの利用が増えた。自分だけならまだしも、いつのまにか家族が無線LANを使って見まくっているということもあり、より安定して通信ができるよう無線LANのグレードアップを考えようと思った。

 そこで、機能と価格のラインナップを調べてみた。まずは以前から馴染みのあるNECプラットフォームズのAtermシリーズを調べた。その説明によれば、接続する子機側の対応という点からすると、2ストリームで十分であるものの、複数同時接続では3ストリーム、4ストリームも効果があるという。一瞬、迷ったもの、5GHz帯は867Mbpsで十分ということで、2ストリーム機に決めた。

 2ストリーム機に決まってもさらに種類豊富。せっかくIEEE 802.11acを選ぶなら有線LAN速度を絞らないようにギガビットイーサ対応にしたいところ。そして、普及機ながらビームフォーミングとMU-MIMOに対応、デジタル製品は新しい物こそ正義、ということで新製品の「Aterm WG1200HS2」を選択した。

 実は最後まで迷っていた機種は同時発売の新製品「Aterm WF1200CR」。何よりも4000円台という安さが魅力でしかもビームフォーミング対応。主にスマートフォンや動画配信のスティック端末の接続用と考えれば、IEEE 802.11acさえ対応していれば十分。しかも2ストリーム。有線にギガがない点はこの値段なら我慢できる。LANポートがLAN/WAN各1つしかないことも、既存のネットワークに組み合わせるため、ルーター機能は不要なので全く問題ない。

Aterm WG1200HS2

 それでも、WG1200HS2にした理由は、パソコンの利用があることやLAN内にNASがあり、少しでも早い速度がほしいことや、なんとなくLAN内をギガに統一したかったということからだ。そして、「見えて安心ネット」「こども安心ネットタイマー」が搭載されていることも理由のひとつ。

 仮設置して使ってみると、これまでもIEEE 802.11ac初期の製品があったので、劇的改善というわけではないが、5GHz帯の利用が安定しない場所や使えない場所でも使えるようになるなどWG1200HS2では改善が見られた。特にビームフォーミングに対応する、比較的新しいiPhoneやXperia XZの利用では、より無線通信が安定したと感じられる。

設置は縦置きはもちろん可能
横型置きも可能。スタンドの取り付け方で変わる

 仮設置の結果が良好なのでいよいよ本格的に交換だ。今あるWi-Fiルーターからの置き換えは「Wi-Fi設定引越し」を使えば簡単だった。購入したWi-FiルーターのデフォルトのSSIDやセキュリティのキーをそのまま使うような場合、接続するすべての無線端末の接続設定を変更しなければならないが、WG1200HS2は「Wi-Fi設定引越し」を使えば既存機種のSSIDとセキュリティーのキーをコピーでき、接続する無線端末の接続設定変更なしに利用できる。

付属のNFCで設定も可能。簡単に設定できてしまっては問題があるのか、NFCタグは本体とは別になっている
プッシュボタンとモード切り替えスイッチがある

 やり方は簡単で、WG1200HS2をボタンを押しながらコンバーターモードで立ち上げ、今までのWi-FiルーターとWPSプッシュボタンで自動設定する。次に、今までのWi-FiルーターとWG1200HS2の電源を切り、WG1200HS2をルーター、またはブリッジモードにして再度電源を入れれば、コピーした接続設定がそのまま反映されるというものだ。そのほかの設定も引き継いだり変更したい場合は、WG1200HS2の設定画面をWebブラウザから呼び出す必要があるが、SSIDとセキュリティキーをそのまま使いたい場合は簡単に設定できて便利だ。

ルーターがある、二重ルーターになる場合は切り替えを推奨される

 ちなみに、このWi-Fiルーターの特徴的機能である「こども安心ネットタイマー」「見えて安心ネット」は設定画面から呼び出す。ルーターモードで設定すれば設定画面を呼び出すことは簡単だが、ADSLでも光ファイバーでもルーター付きの機器が支給されることがほとんどなので、二重ルーターで利用すると注意表示が出る。

 出ないようにするには、ブリッジモードにすればよいのだが、今度はブリッジモード利用時に設定画面を呼び出すのは少したいへん。いつでも呼び出すにはブリッジモード時のIPアドレスを手動で元のネットワークと同じネットマスクに設定するなど手間が少しかかる。ここはぜひ簡単に設定できるようにしてほしいものだ。

接続している無線端末を表示される。スマートフォンはもちろん、そのほかの無線LANを使うデバイスまで網羅されている
接続拒否できる無線端末を設定できる
製品名提供元価格
Aterm WG1200HS2NECプラットフォームズ8040円(税込)