スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

思わず「いいね!」の便利音モノ×2製品

Ambie sound earcuffsと、FMトランスミッター「BTF-340」

思わず「いいね!」の便利音モノ×2製品

 最近、たて続けにイイ感じのサウンド関連製品に出会ったので、今回はソレについて。2製品ありまして、ambie(アンビー)の「Ambie sound earcuffs (アンビーサウンドイヤカフ)」(公式ページ)と、サンワダイレクトの「FMトランスミッター BTF-340」(公式ページ)です。

左はambieの「Ambie sound earcuffs」で、音楽を聴きつつも周囲の音がよく聞こえるという新しい方向性のイヤホンです。右はサンワダイレクトの「FMトランスミッター BTF-340」で、スマートフォンなど音源とBluetooth接続できるFMトランスミッターです。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 ambieのイヤホンはAV Watchのニュースで知ってすぐに注文しました。数日後に届いて使ってみたらアラ便利! いろいろ特殊ではあるんですけど、音楽などを聴きながら周囲の音もシッカリ聞こえたりして安全だったり快適だったりします。

 サンワダイレクトの「FMトランスミッター BTF-340」は、スマートフォン上の音楽などをクルマのFMラジオで聞くための製品。スマートフォンとBluetoothで接続できるので、完全にコードレスで使えて便利です。この製品については、似た機能を持った別の製品が多々あったりします。

 両製品とも「コレはいいな~」という使用感。イヤホンには「周囲の音を遮断しない」ことからくるメリットが多々あり、「ながら聴き」をするには最適です。FMトランスミッターは、車内でスマートフォン上の音楽を聴ける便利さのほか、Radikoアプリなどと組み合わせるとより安定的&高音質でクルマでのラジオ放送聴取を楽しめます。てなわけで以降、これら2製品の機能や使用感について書いてみたいと思います。

音質は追求できないが、想像以上に快適&役立つイヤホン

 まずはambie(アンビー)の「Ambie sound earcuffs (アンビーサウンドイヤカフ)」(公式ページ)から。独自の形状と機能性を備えたイヤホンです。直販サイトから税込5940円で購入しました。……注目度が高いのか注文殺到のようで、現在在庫切れ中。次の出荷は3月上旬のようです。

ambieの「Ambie sound earcuffs」。独特の形状のイヤホンですが、ステレオで、ハンズフリー通話機能も備えています。マイク部裏にあるボタンで、曲の再生や一時停止ができるほか、iOS端末では長押しでSiriを呼び出すことができます。ボタン長押し→Siriに「●●(曲名)を再生して」と言って、音楽をかけることもできるわけです。
カラーバリエーションは6色。右は装着イメージですが、アクセサリーの「イヤカフ」のように装着し、耳の穴には入れません。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 この製品のポイントは「耳の穴を塞がないこと」です。耳のフチを挟み、ちょうどイヤカフのように装着し、耳の穴に向いて伸びたノズルの先から音が出ます。これにより、音楽を聴きながらでも周囲の音も聞こえたり、耳への負担が少なかったりと、これまでのイヤホンにはないメリットがもたらされます。

 ただ、最初に書いちゃいますけど、音は「音楽鑑賞向けとは言えない音質」です。しばらく使いましたが、低音が弱く、迫力に欠けるサウンドになります。ポータブルラジオ的な音質で、歌声やトークは良好に聞こえますが、低音が弱いわりには高音がしっかり聞こえたりするので、多くの楽曲が「厚みがなく軽い感じ」になりがちです。「聴き込む」には全然向かない音質ですが、音楽に集中しない「ながら聴き」ならばまずまず満足できるという感じです。それと、小音量で音楽を聴くとわりとイイ音に聞こえます。

 さて、実際に使ってみてまず感じたのは、装着にちょっと慣れが必要ということです。最初は鏡を見ながらでも装着しにくく、音が出るノズルの位置も合わせにくい感じ。ただ、5~6回着け外ししていると慣れてきて、間もなく鏡などを使わずに両手で装着できるようになりました。さらにもう少し慣れると、片手で装着できるようにも。

 もうひとつ、最初はこのイヤホンが挟んだ耳の部分に違和感がありました。少し痛い感じで、また装着部に脈拍による鼓動を感じたりも。しかし、これも慣れてきてあまり気にならなくなりました。さらに慣れると、装着していることを忘れるほど違和感が消えていきました。

 それと、「軽い装着感だけど顔を振るなどしても落ちない」ということ。正しく装着していると運動などしても落下せず、そのうえ装着感が軽快というのは、このイヤホンの大きな利点だと思います。ケーブルが擦れても、それがノイズになって聞こえてくるようなことがない点も、このイヤホンならではの快適さだと感じました。

 使っていて非常に良いのは、耳の穴への負担がほとんどないこと。多くのイヤホンは長時間装着していると耳の穴周辺が痛くなったり、あるいは耳が塞がれている独特の閉塞感で疲れたりしますが、このイヤホンにはそれがありません。まあ、耳の穴には何も装着していないので当然ではありますが、ラク♪ もちろん、このイヤホンで音楽を聴きながら耳かきで耳掃除が可能だったりもします。

 それと、これも当然ではありますが、周囲の音がしっかり聞こえます。小さめの音で音楽やトーク番組を聴いている場合、近くに人が来たり猫がヒタヒタ寄ってきたりする音も聞こえます。「大きな音」というレベルまでボリュームを上げると周囲の音が聞こえにくくなりますが、そこまでボリュームを上げなければ「周囲の音もちゃんと聞こえる」というわけです。

 ですので、普通のイヤホンのように「イヤホンをしているから気付かなかった」ということがほとんど無くなります。突然肩を叩かれると同時に人が現れてビックリ、クルマや自転車の接近に気付かず冷や汗、アナウンスを聞き逃してアイタタタ等々、「イヤホンが原因のトラブル」が全体的に無くなってイイ感じです。

 ただ、音の出口であるノズル先端と、耳の穴との間に少し距離があるので、やはり音漏れはソコソコあります。聴いている音にもよりますが、高音はわりとしっかり漏れて、真横にいると「何を聴いているかだいたいわかる」という感じ。ボリュームを絞ると「何かはわからないけど音が鳴っている」という感じです。

 しかし、クルマ通りがあったりする屋外などなら、「他者が音漏れしていることに気付かない」というレベルの音漏れです。このイヤホンをしている人が移動している場合も、同様に「音漏れに気付かない」だろうと思います。

 そんな使用感なので、「音楽をじっくり楽しむ時以外」ならナニカと実用的。BGMをちょっと聴きながらイロイロなコトを好都合に行えます。普段どおり周囲の音が聞こえる状態にBGMが加わる感じなので、「BGMなどをいつも自分の耳だけに流しておける」という感覚で幅広く使えます。また、個人的には、Radikoなどのラジオのトーク番組を「ながら聴き」するためのイヤホンとしてもかなりイイように思います。

 なお、このイヤホン、耳の形状によっては「少し耳が痛くなる」ことがあると思います。ワタクシの場合ですと、装着位置によって痛くなることがあります。装着位置がイイと全然痛くなくて装着自体を忘れたりもしますので、装着位置の耳の凹凸によるのでしょう。ともあれ、耳の形状によりこういった少々の痛みが出たりすると思いますので、購入前に試用するのが無難だと思います。

 個人的に期待したいのは、交換用ノズルの展開です。もう少し長いノズルだと、より小さなボリュームで(音漏れを最小限に抑えつつ)良く聞こえるかも、という期待。もうひとつ、ノズルの単体販売をしてほしいという期待。このイヤホンはノズル部分の色がよく目立つので、カラーバリエーションを選びつつノズルを購入できるといいな、と。

 あとコレ、残念ながら防水設計ではありません。スポーツなど汗をかくアクティビティには最適なイヤホンだと思いますが、水濡れには注意する必要があります。

 ともあれ、耳を塞いでしまわない、これまでなかったタイプの便利なイヤホンということで、ご興味があれば実際に試用してみてください。小さめの音で音楽を聴くと、低音のなさからくる音質的残念感も低減し、静けさのなかに僅かに流れるBGMという感じで、新しいサウンド体験を楽しめると思います。

クルマでのサウンド聴取がラクになるFMトランスミッター

 よくクルマで移動するんですけど、ほとんどの場合でラジオか音楽を聴いています。音楽は古いiPodをカーナビにケーブル接続して聴いていて、ラジオはナビのラジオ機能で聴いています。ですが、なんかイロイロと面倒が。

 そのiPodの容量の関係でiTunesのライブラリが全部入らなかったり、ナビの接続インターフェースが古くて使用中のiPhoneをつなぎにくかったり。いつも、現在使用中のiPhone 7 Plus内の音楽コンテンツなどを、どうにか手軽に車内で再生できればなあ、と思います。

 また、ラジオですが、よく移動するエリアは電波状況がよろしくなく、トンネルも多かったりするので、聴いている途中で雑音が入ったり途切れたり。iPhone 7 PlusでRadikoアプリを使うこともあるんですが、iPhone 7 Plusのスピーカーで聴くと音もいまいち聞き取りにくいしで……。やっぱり結局、iPhone 7 Plusの音を、車内のスピーカーから流せたら快適だろうな、と思うわけです。

 そこでとりあえず買ってみたのが、サンワダイレクトの「FMトランスミッター BTF-340」(公式ページ)です。スマートフォンなどの音源とBluetooth接続だし、サンワダイレクトのポイントもちょっとたまってるし、という雑な理由でスコッと買ってみました。

サンワダイレクトの「FMトランスミッター BTF-340」。スマートフォンなどとBluetooth接続できるFMトランスミッターで、クルマのシガーライターソケットに差し込んで使います。充電用USBポートを備えていて、スマートフォンなどの充電も可能(最大出力1.8A)。発することができる周波数は4種類で、本体横の周波数切替ボタンで変えられます。角度を5段階・90°の範囲で変えられますので、いろいろな向きのシガーライターソケットにマッチさせられます。

 コレは、スマートフォンとBluetooth接続し、Bluetooth経由でスマートフォンからの音楽などを受信し、受信した音楽をFM波で飛ばし、クルマのカーラジオでそのFM波を受信し、車内でその音楽を再生できるようにする製品です。要するに、スマホの音をカーラジオに飛ばして聴けるというものです。

 常用しておりますが、良かったのはBluetooth接続という点。完全にコードレスで、スマホのサウンドを車内で聴けるというわけです。

 音質的には、FMトランスミッターということと、BluetoothのコーデックがSBCのみと思われるので、高音質とは言えません。ですが、走りながらBGM的に聴く程度なので大きな不満はありません。

使っている様子。長さがあるので車種によってはすこし出っぱってしまいます。表示パネル下部に充電用USBポートがありますが、パネル角度を変えられるのでUSBケーブルを挿しやすいです。

 コレを使い始めて非常に良かったのは、ラジオ放送をだいたい無問題で聴けるようになったこと。Radikoアプリの音を流すことができるので、FM放送の電波受信状況が悪くても関係なく安定的に聴けます。Radikoアプリでは3分までのバッファリング設定が可能ですので、携帯電話が一瞬圏外になってもまあ大丈夫です。

 以前はナビのFMラジオ機能で聴きつつ圏央道を走っていましたが、圏央道の断続的なトンネルはラジオ受信不能なところが多く、トークの途中十数秒が聞こえない的な状況が多々あったんですよね~。いま鬼丸さんはどんなオチを言ったんだ~? さっき小林克也さんが朗読した物語はどういう結末だったのか~? みたいなストレスがありまくりだったわけですが、そういうのが全部なくなって快適です♪

 あとこのFMトランスミッター、充電用USBポートがひとつ付いていてちょっと便利です。Radiko受信で電池を消耗しがちなスマートフォンも、充電しながら使えるというわけです。

 完全コードレスだしUSB充電もできてフツーに便利な「FMトランスミッター BTF-340」ですが、こういう製品はほかにも多々。充電用USBポート×2ポート搭載なのに安価といった製品もあります。よりコストパフォーマンスが高い製品もあるということで、興味のある方はチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。