アジアではNokia Lumia 610も登場

2012年5月16日 06:00
(山根康宏)
カジュアル感が増したLumia 610

 アメリカでNokia Lumia 900が発売開始されたのに引き続き、アジア市場ではLumia 610の販売も始まった。NokiaのスマートフォンはすでにLumia 800とその下のモデル、Lumia 710がアジアやヨーロッパで販売されており、610の登場で3タイプの製品が出揃ったことになる。

 NokiaのWindows Phoneは他OSのスマートフォンのハイエンドモデルにはスペックでやや負けているのは仕方ないところ。だが世界的に最近売れ行きを伸ばしているのは低価格な製品だ。Lumia 610も日本円で2万円前後と安く、ミッドレンジクラスの製品としては十分競争力がある。プリペイド利用のユーザーでも手の届く価格は、Windows Phoneのユーザー層を広げる戦略モデルという位置づけにもなっているのだ。Windows Phoneをちょっと試してみたい、という他OSスマートフォンユーザーのセカンドマシンにもいいだろう。

Lumiaシリーズは統一されたパッケージで販売されている

 Lumia 610はLumia 710と若干類似の丸みのあるスタイルをしているが、画面の縁取りなどにメタリック仕上げの素材を使うなどよりカジュアル感が強まっている。プラスチックの上品な色合いを出しているLumia 800とはイメージはかなり異なり、価格とデザイン、そしてスペックでNokiaのWindows Phoneを選ぶこともできるようになってきた。

 とはいえ一昔前のSymbian端末全盛期のNokiaなら、スマートフォンの選択肢は10機種以上もあった。「スマートフォンといえばNokia」という時代を知っている筆者としては、これからもどんどんLumiaシリーズの派生モデルを出して欲しいところ。機能での差別化が難しいWindows Phoneだけに、デザインバリエーションに期待したい。スタイリッシュかつ高級感あるモデルを別ブランドで展開するのもよさそうだ。

 Nokiaの今後の動きはMicrosoftのWindows Phone戦略と同調しており、Nokia一社だけでは端末展開を自由にコントロールできないというジレンマもあるだろう。だがWindows Phoneをスマートフォンの第三勢力として盛り上げていくためにも、Nokiaには今まで以上に製品開発に力を入れてもらいたいものだ。