IS12Tを発売日買い

2011年8月26日 06:00
(石川温)

 8月25日、世界初のWindows Phone 7.5搭載スマートフォン「Windows Phone IS12T」が発売となった。秋葉原ヨドバシカメラ、有楽町ビックカメラで開催された発売セレモニーをはしご取材したあと、早速、購入してみた。

 Windows Phone 7の最大の魅力はなんといってもSNS連携。FacebookやTwitterのアカウントを入れると、People Hubというメニューと連携し、友人の顔写真が並ぶ仕組みとなっている。iPhoneやAndroidでは、アプリを起動しなくてはいけないが、Windows Phone 7であれば、友人の近況がOSレベルでわかるので、とても便利だ。

 自分は購入後、Facebook、Twitter、Google、Windows Liveのアカウントを設定してみた。するとPeople Hubには設定したすべてのSNSの友人関係が表示されてしまった。Twitterでフォローしてはいるが、特に親しくもない人や企業アカウントもPeople Hubに入ってしまい困まり果てたが、あれこれ触ってみると、設定から「連絡先リストにフィルターを適用」というメニューを選ぶことで、表示すべきSNSを選択できた。とりあえずはFacebookとGoogleアドレス帳が表示されるようにしておいた。

 IS12Tをメイン機種にしようかと試行錯誤しているが、わかっていながらも不便だと感じるのがメール対応だ。ezweb.ne.jpのメールは10月上旬のアップデートまで使えないが、これは特に不満には思わない。auユーザーであれば、au oneメールとezweb.ne.jpのメールを同期させておくことで、受信メールは確認ができる。今日まで同じくezweb.ne.jpがまだ使えないXperia acroを使っていたが、ezweb.ne.jpをau oneメール経由で確認し、緊急の時はCメールで返信するという荒業でとりあえずは問題なくコミュニケーションができていた。しかし、IS12TではCメールを受信できても送信が非対応となっている。そのため、Xperia acroような対応ができないのだ。

 FacebookやTwitterを使っている友人にはダイレクトメッセージを送ることでなんとかコミュニケーションがとれる。しかし、そういったSNSを使わない人に対しての緊急連絡手段がIS12Tはこの上なく弱い。

 世界初のWindows Phone 7.5端末としてIS12Tはデビューしたが、そうしたメール対応ができていないのはなんとも残念。「誰でも簡単に使えるスマートフォン」というポジションを狙っているWindows Phone 7なので、このあたりはぜひともKDDIには早急に改善してもらいものだ。


スマートフォンのFeliCaロック

スマートフォンのFeliCaロック

2011年8月23日 06:00
(法林岳之)
本体背面中央に刻印されているおサイフケータイのマーク。G'zOneはリーダーに強めに当てても大丈夫そうだから、モバイルSuica向き?

 フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行を決心するきっかけは、人それぞれだけど、やっぱり、三種の神器とも呼ばれる「ワンセグ」「赤外線通信」「おサイフケータイ」を挙げる人が多い。ただ、この3つの内、逆に心配要素にもなるのがおサイフケータイ。昨年末以来、おサイフケータイに対応したスマートフォンが各社から登場してきたけど、自分が普段、使っているサービスが対応していなければ、移行できないというのが実状。なかでも関東近郊ではモバイルSuicaのサービス開始を待っている人も多かった。

 ボクの今回の機種変更の場合、元々、G'zOne TYPE-XにはQUICPayやモバイルSuicaなどを登録していたんだけど、モバイルSuicaについては、G'zOne IS11CAの発売日がモバイルSuicaのスマートフォン対応の前週だったため、移行は見送り。前回も書いたように、自分が常に持ち歩いているNTTドコモの回線は、当面、フィーチャーフォンを使い続けるつもりなので、そこにモバイルSuicaの登録を移行した。

 おサイフケータイについては、サービスにもよるけど、スマートフォンであれ、フィーチャーフォンであれ、基本的には同じ。たとえば、QUICPayやモバイルSuicaの場合、機種変更前のアプリで各サービス会社に登録情報を預けておき、新しい機種で受け取るだけ。サービスによっては、預けたときに発行されるIDやパスワードが必要になるけど、お店に出向いたり、書類を発行してもらう手間がないので、非常にカンタン。


おサイフケータイのサービス一覧でメニューキーをタップして表示されるメニュー。おサイフケータイのロック設定は共通仕様のようだ G'zOne IS11CAはロック設定でONを選ぶと、画面ロックと連動するか、常にONにするのかを選べる。NECカシオ製スマートフォンの共通仕様

 スマートフォンでおサイフケータイを使ううえで、もうひとつ確認しておきたいのがFeliCaロック。つまり、おサイフケータイの機能をロックする方法だ。フィーチャーフォンではおサイフケータイのサービスが始まったばかりの頃、FeliCaロックを搭載していない機種があったけど、現在ではFeliCaロックが一般的になり、いずれかのキーを長押しして、暗証番号を入力後に使えるようになるというスタイルが一般的。

 スマートフォンについては、共通のおサイフケータイアプリが搭載されていて、そこに「おサイフケータイロック設定」という項目があるため、FeliCaロックそのものは共通仕様となっているようだ。ただ、その先の「FeliCaロックをどう使うか」という部分については、メーカーごとに少しずつ仕様が違うようだ。

 ほとんどの機種はFeliCaロックを解除するとき、おサイフケータイアプリの画面を表示して、ロックNo.を入力する仕様になってるんだけど、G'zOneは画面ロックに連動して、FeliCaロックを解除する設定も選べる。Androidでは、おそらくほとんどのユーザーがパターン(指リスト)やロックNo.による画面ロックを掛けているだろうけど、G'zOneでは画面ロックが掛かっているときはFeliCaもロック、パターンやロックNo.を入力して、画面ロックを解除すれば、おサイフケータイが使えるというスタイルが選べるわけだ。

 おサイフケータイの利用頻度にもよるだろうけど、電子マネーや定期券、クーポン、会員証など、いろんなサービスを頻繁に使う人にとってはロック解除の手間が少ないのは便利だし、慣れていない人も画面ロックの解除だけで使えるようになるので、わかりやすいし、覚えやすい。このFeliCaロックの仕様は、意外に理にかなった仕様と言えるのかもしれません。

画面ロックの状態ではFeliCaがロックされているため、ステータスバーには「LOCK」の文字が付けられたアイコンが表示される 画面ロックを解除すると、ステータスバーのFeliCaロックのアイコンは消える。この状態でリーダーにかざすわけだ

 


色にホレた! 「INFOBAR A01」のCHOCOMINT考察

色にホレた! 「INFOBAR A01」のCHOCOMINT考察

2011年8月17日 06:00
(津田啓夢)

 「かっこいい!」と思えるものが欲しい。けれど、「かっこつけている!」と感じるものは持ちたくないし、「かっこつけてるな!」とも思われたくない。読者の皆さんは「INFOBAR A01」にどんな印象を持っただろう? 実は発表されたあの日、心の中で「キタコレッ!」と叫んでいたのだ。

 新しいケータイが発表されると、「どんな人にオススメだろう?」と考えながら取材する。携帯会社側がアプローチしたいユーザー層はもちろん、端末を触っていく中で「もしかしたら、こんなライフスタイルの人にもオススメかも!?」なんて自分で想像できた事柄を、記事や写真の中に織り込んでいく。手前味噌かつ大変地味だけど、まぁそういう心持ちで臨んでいる。

 ところが「INFOBAR A01」は違った。第一印象から「これは俺みたいな人にオススメだ!」と思った。読者へのオススメよりも先に「俺にオススメ」と思ったのは、2003年登場のリボルバースタイル「A5305K」以来だ。もちろんその間もたくさんのケータイを個人的に欲しいと思い、一般的な数よりも少し多めにケータイを購入/契約してきてはいるのだけど(笑)、とにかく「INFOBAR A01」の第1印象はいつもと違った。

 特に印象に残ったのはCHOCOMINTだ。チョコミントというと、エメラルドグリーンとスカイブルーの中間にあるような、鮮やかで強い色が採用される。そこに濃い茶色が組み合わさり、アクセントとして金色や小麦色があしらわれる。パッケージやポスターなどはとくにこのパターンが多いはずだ。若い女性向けの雑貨やファッションアイテムでは、茶色をドットやストライプパターンにすることで、ポップにかわいらしくまとめていく場合もある。

 「INFOBAR A01」のCHOCOMINTは、ブルー系2種類にブラウン系1種類という組み合わせで、どちらかというとアースカラーの配色となっている。カラーの名称から想像する配色は、ターコイズとブラウンの関係に近い鮮やかな配色パターンになるが、「INFOBAR A01」のCHOCOMINTはずっと穏やかで落ち着いている。差し色としてハードキーに採用されている紺系の色なんて、男性の着物に通じるような伝統的かつ自然な風合いだ。よくこの色を選んだなぁ、というのが正直なところ。最後まで色が決まらなかったというのもうなづける。

 深澤直人氏が手がけた「INFOBAR A01」の製品デザインは、機能をそぎ落とし、デザイン的に最小構成を志向するミニマル・デザイン風ではあるものの、目指すところは少し違うようだ。最小であることよりもまず、心地良さやぬくもりに繋がる要素が優先され、その上で最小であろうとする。最小であろうとしながら、ボディカラーはマルチカラーを採用している点もとても面白い試みかと思う。次回は、「INFOBAR A01」の最大の特徴とも言えるユーザーインターフェイスにフォーカスしてみよう。


 


ショートカットを使いこなそう

ショートカットを使いこなそう

2011年8月15日 06:00
(湯野康隆)

 スマートフォンも普及期に入ったと言われているが、それに伴い、尖った先端ユーザー以外の利用者も増えている。スマートフォン初心者の使い方を横から眺めていると、「えっ、その機能って、そうやって呼び出してるの? こうすればもっと簡単なのに」と思うことがしばしばある。

 意外に初心者が気づいていないのは、ホーム画面のショートカット機能だ。例えば、よく見るWebサイトにアクセスする場合はどうだろう。ショートカットを使わない場合、ブラウザを立ち上げて、メニューキーを押してブックマークを呼び出して、そこからアクセスすることになる。しかし、ホーム画面によく見るサイトのブックマークを貼り付けておけば、いつでも1タップでサイトにアクセスできる。

 これは電話帳にも応用可能で、よく電話やメールをする相手の連絡先のショートカットをホーム画面に置いておけば、電話帳を開いて探したり、履歴から呼び出したりしなくとも、簡単に連絡を取れる。らくらくホンや簡単ケータイのワンタッチキーのような使い勝手で、快適だ。

 設定の仕方は簡単。ホーム画面の空きスペースの上を少し長く押さえる(長タップする)と、メニューが出て来る。ここで「追加」を選び、続いて「ショートカット」を選ぶと、ホーム画面に貼り付けられる各種機能の一覧が現れる。あとは貼り付けたい機能を選ぶだけ。

 本誌読者の皆さんは当たり前のように使っている機能かもしれないが、周囲を見渡すと、まだまだ知らない人も多いはずだ。そんな人を見かけたら、「こうやって使うといいよ」と教えてあげて欲しい。


やっぱり便利な無接点充電

やっぱり便利な無接点充電

2011年8月8日 06:00
(石川温)

 スマートフォンを持ち歩いて最大の悩みと言えば、やはりバッテリー。一晩、しっかりと充電しておいても、外出先でメールチェックやFacebookなどアクティブに使えば使うほど、夜、自宅に帰るまでバッテリーが持つか不安になってくる。INFOBARは、かつて持っていたIS03に比べても、バッテリーは比較的持つと思う。バッテリー容量は小さいものの、新しいチップセットやOSによって、ずいぶんと改善されているようだ。

 しかし、他のスマートフォンと比べると、やはりバッテリーの消耗が早いような気がしてならない。外出先でも安心して使うには、緊急用の外付けバッテリーが欲しいところだ。

 これまでも三洋電機のエネループを持ち歩いていたことがあったが、乾電池を充電しておくこと自体が面倒だったこともあり、結局、使わなくなることが多かった。エネループをUSBケーブルと接続し、ACアダプタやパソコンと接続して充電するというのが意外とわずらしいのだ。

 そんな経験を思い出しつつ、家電量販店で購入したのがパナソニックから発売されている「Charge Pad」シリーズだった。無接点で充電できる国際標準規格「Qi(チー)」を採用したモバイル電源パックで、パッドに置いておけば、自動的に充電できるという優れもの。コイルによって充電するのだが、「ムービングコイル方式」として、パッドのどの場所においても、機器側が自動的にどこに置かれたかを判別してコイルが移動。効率的なワイヤレス充電が可能になるという。

 実際に置いてみると、青く光る送電コイルが機器が置かれた場所に自動的に移動して充電を開始する。ちょっと未来チックな動きが見ていてとても楽しい。

 Qiを内蔵したスマートフォンとして、シャープがSH-13Cを製品化しているが、さすがに無接点充電をしたいがためにスマートフォンを機種変更するというのはちょっとハードルが高すぎる。しかし、このようなモバイル充電機器であれば、これまでの充電の煩わしさから解放されるので、かなり便利だ。将来的にはQi対応スマートフォンが相次いで投入されることも予想されるため、Qiの充電パッドがとりあえず1台あってもいいかな、と思って購入してみた次第。充電時間はUSB経由よりも早く、ACコンセントに少し負けるくらい。

 今後、いろんなメーカーからQi対応スマートフォンが出てくるとありがたいと思う。


G'zOneからG'zOneへ

G'zOneからG'zOneへ

2011年8月3日 06:00
(法林岳之)

 過去に何度も書いていることだけど、ボクはNTTドコモ、au、ソフトバンクの主要3社のケータイを常に持ち歩いている。それぞれに役割があって、NTTドコモの電話番号は名刺にも刷ってあり、公私共にもっとも重要。auはプライベートや家族の連絡が中心で、ソフトバンクは同じソフトバンク関係者とのやり取りが多い。この3回線のうち、すでにソフトバンクについては昨年末のGALAPAGOS 003SHでスマートフォンに移行済み。前回も書いたように、今夏はAQUOS PHONE 006SHに機種変更をした。

 さて、残る2社の回線をどうするか。直前の段階で、NTTドコモはSH-01C、auはG'zOne TYPE-Xを使っていたんだけど、現在の状況を考えると、さすがに両方ともスマートフォンに移行するのはちょっと勇気が要る(笑)。電池の連続駆動時間、ユーザビリティ、対応サービスなどを考えてもどちらかはフィーチャーフォンのままにしておきたいというのがホンネ。

 悩みに悩んだ挙げ句、NTTドコモはiコンシェルなどがスマートフォンに未対応ということもあり、当面はフィーチャーフォンを使い続け、auのケータイをスマートフォンに移行してみることにした。ちなみに、auをスマートフォンに移行したもうひとつの理由として、NTTドコモはプロバイダーがiモードとspモードで分かれ、メールアドレスの扱いも面倒なのに対し、auはコースこそ、EZ WINコースとIS NETコースに分かれているものの、実質的には内容が同じもので、メールアドレスも面倒な手続きをすることなく、そのまま移行できる仕様になっているためだ。裏を返せば、auはいざとなったら、いつでもフィーチャーフォンに戻れるという見方もできる。

 一方、auのスマートフォンの機種選びについては、かなり悩んだ。当初はAQUOS PHONE IS12SHを考えてたんだけど、内容的にはAQUOS PHONE 006SHと同じだし、湯野編集長も使うということで、バッティングを避ける意味からも遠慮(結局、買うんだけどね)。INFOBAR A01は素晴らしいデザインだけど、ストラップホールがないなど、いろいろと思うところもあって、パス。Xperia acro IS11SはEメール対応が9月下旬なので、見送り。

 こうして最終的に選んだのがG'zOne IS11CA。つまり、G'zOneからG'zOneへの機種変更となったわけだ。周囲からは「まあ、法林さんらしい選択だよね」と言われてしまいそうだけど、正直なところを書いてしまうと、今回のG'zOne IS11CAは発表されたときから細かいところに不満があって、自分のメイン端末としてはあまり積極的に選びたくなかったという気持ちもある。

フィーチャーフォンのG'zOne TYPE-XからスマートフォンのG'zOne IS11CAへ。ネックストラップはG'zOne TYPE-X用をそのまま移行。 卓上ホルダがないため、充電は外部接続端子にmicroUSBケーブルを接続。他のケーブルと区別するため、白いケーブルを新たに調達した。

 たとえば、よく指摘される卓上ホルダ。今夏のauのスマートフォンは卓上ホルダに対応したモデルが1機種もなく、防水対応のG'zOne IS11CAにも用意されていない。開発者インタビューでは「フタは数千回、開け閉めしても問題ない」と答えていたけど、元々、防水モデルに卓上ホルダが必須と言い始めたのはカシオだったはず。髪の毛や小さな砂粒が挟まって、パッキンを傷めることがあるから、極力、卓上ホルダで充電しましょうと主張していたのに、G'zOne IS11CAでいきなりひっくり返しちゃうのは、いかがなもんでしょうか。

 仮に、耐久性の問題がなかったとしてもスマートフォンはフィーチャーフォンに比べ、電池の消耗が早いため、充電しやすい環境を整えて欲しかったという思いもある。帰宅したとき、眠かろうが、酔っ払っていようが、卓上ホルダがあれば、とりあえず、端末を載せるだけで充電できるけど、G'zOne IS11CAでは毎回、外部接続端子のフタを開けて、microUSBコネクタの向きを確認して、microUSBケーブルをつながないといけない。フィーチャーフォンなら、ひと晩くらい充電を忘れても何とかなるけど、スマートフォンでは朝起きて、画面真っ暗、オレ真っ青状態になってしまう。嗚呼、G'zOne TYPE-Xの無尽蔵なまでの電池残量が懐かしい……。

 とまあ、のっけから厳しいことばかりを書いてしまったけど、スマートフォンになったG'zOneはどこまで使えるのか、タフなのか。いつものように首から提げて、じっくりと使っていくつもりです。