みんなのケータイ

 ついにマイクロソフトがOfficeをiPad向けに提供するということで、早速試してみた。

 「試す」といっても日本ではかなりハードルが高い。アプリは、日本のAppStoreでは配信しておらず、ダウンロードするには海外のアカウントが必要になる。たまたまアメリカのiTunesアカウントを取得していたので、ダウンロードは可能であったが、iPad上で編集しようと思うと、今度は「Office 365」のアカウントが必要になる。アメリカでは、ベストバイなどの店頭でOffice 365のアカウントを購入できる。ちょうど、サンフランシスコに滞在していたので、仕方なく、アカウントを購入し、早速、編集作業をしてみた。

 アメリカのAppStoreからのダウンロード版であったが、日本語は問題なく利用できる。メニュー表示だけでなく、日本語の入力も可能だ。WordやExcel、PowerPointなど、タッチ用のユーザーインターフェイスが採用されているため、使いにくいということはない。

 最初、市販のBluetoothキーボードを使っていたのだが、かなと英語の切り替えが面倒だったりと、使い勝手はかなり悪かった。これは、Wordに依存するものではないが、やはり長文を打つのであれば、アップルのBluetoothキーボードで使うのが無難といえそうだ。

 早速、アップルのBluetoothキーボードに切り替えて使ってみたところ、文字入力から変化、文字の削除やコピーなどがキーボードだけで完結して使えるようになった。文字を打つだけであれば、MacBookとほぼ同等の流れで作業ができるので、集中して原稿が書けそうな気もしてきた(この原稿もiPad上でWordを使って書いている)。

 ただし、完璧というわけではなく、入力時に句読点などを打ち込まないと、予測変換の候補が残って表示されっぱなしになることもあるなど、一部で使い勝手の悪い部分も残っている。これは、Pagesでの日本語入力でも同様なので、おそらくiOSの文字入力機能に依存しているのだろう。

 また、Wordでは一部の記号などはキーボード上の表記とは異なる文字が入力されてしまうという状態にあるので注意が必要だ。アップルのPagesではそういった不具合はないので、これに関してはWordとキーボードの相性によるのだろう。文字入力と操作がどちらも完璧に連携するキーボードを探さなくてはいけないのかも知れない。

 ファイルの管理はOneDrive上で行い、ファイルの保存などもOneDrive上で行う。作ったファイルはその場でメールに添付したり、保存先のURLをメールで送るということも可能だ。

 実際に使ってみると、やはり、外出先でiPadで手軽にWordやExcel、PowerPointのファイルが確認、編集できるというのはかなり便利だ。とはいえ、最近では8インチクラスのWindowsタブレットのラインナップも充実していることを考えると、将来的には「iPadかWindowsタブレットか」という選択でかなり迷うことになるのかも知れない。