みんなのケータイ
グーグルが作った未来感溢れるゲーム「Ingress」をプレイしてみた
関口聖
(2014/3/27 06:00)
この数カ月、「Ingress」というゲームにハマっております。グーグル社内のスタートアップ、Niantic Labsが開発したという本作は、2013年11月、正式版がローンチ。今のところはAndroid版のみで、iOS版は2014年に登場する予定とされています。ちなみにIngressという英単語は「立ち入る」「侵入」といった意味。スマホの防水・防塵性能を示す「IPX5」などのIPは「International Protection」あるいは「Ingress Protection」を略したものだとか。
「The world around you is not what it seems.(あなたを取り巻く世界は、その目に捉えたままではない)」というテーマが掲げられ、“私たちの住むこの世界、実は、エージェントたちが2つの陣営に分かれ、未知のパワーを巡って闘っている――という、男子ならばグッとくる設定がたまらない、はずなのですが、周囲のAndroidユーザーは意外とプレイしていない。アプリは英語版しかなく、これまであまり体験したことがないゲーム性といったあたりがハードルになっている予感がします。そこで、今回は「Ingress」のちょっとした解説を。
既にWikiやまとめ、解説ブログもありますし、なによりNiantic Labsに所属する川島優志氏によるブログエントリーがとてもわかりやすいのですが、ここでもざっとおさらいをしてみると……。
- 欧州で謎のエネルギー「エキゾチックマター(XM)」が発見された。
- ユーザーは、緑の陣営(エンライテンド)と青の陣営(レジスタンス)に別れて闘う。緑はXMを受け入れ、人類をさらに進化させようとしている。青はそれに抵抗しようとしている。
- 街中にはポータルがある。銅像やユニークなデザインの看板、寺社仏閣などがポータルであり、XMが湧き出ている。
- 緑と青、それぞれの陣営は日々、ポータルを取り合う。ポータルが3つあればそれぞれリンクして三角形を作り、自分たちの陣地にできる。
つまり、「Ingress」は現実世界で遊ぶ陣取りゲーム。街中の銅像やユニークな看板をポータルと呼ぶスポットに見立てて、Hack(ハック)してアイテムを得て、「DEPLOY(デプロイ)」という作業でポータルにアイテム(レゾネーター)を置いて自軍のものにしつつ、3つの自軍ポータルをLINKさせて繋ぎ、陣地にしていきます。地図を長押しするとメニューを呼び出せるようになっており、新しいポータル候補を投稿したり、周囲の敵軍ポータルに紐付くレゾネーターを爆弾(Xmp Burster)で吹き飛ばしたりできます。
2014年3月現在、レベルは最大で8。私も2013年11月にプレイしはじめて、ようやく2月にレベル8に到達しました。「レベル8までがチュートリアル」という話もあって、敵軍との戦力として縦横無尽に活躍できるのはレベル8から、とか。実際のところはレベル6あたりから十分、敵の強いプレーヤーともある程度やりあえるようになってくる感じです。
課金アイテムはありませんし、ポータルがある場所まで実際に近づいてプレイする必要があるので、地道にいろんなところを訪れていく、という流れで遊ぶことになり、自然と普段より多く歩き回ったり、自転車で走り回ったりすることになります。開発サイドにもそうした意図があったと言います。
プレイするときには人通りの多い場所や車が行き交うような場所などでの、いわゆる「歩きスマホ」にならないよう注意したいところ。そしてリアルでの陣取り合戦ですから、繁華街、オフィス街でのプレイだと、他のプレーヤーを見つけるのはちょっと難しいものの、住宅地ではポータルが少ない場所もあり、自宅周辺で熱心にプレイしていると、プライベートを他のプレーヤーにさらすことにもなりかねません。また、リアルで「あ、あそこにいる人、Ingressのエージェントでは……」と見つけたり(見つけられたり)することもあるでしょうが、ロールプレイするのは良いものの、熱くなりすぎてトラブルにならないよう、スマートな姿勢も心掛けたいですね。
ちなみにグーグルでは、宮城県の石巻を舞台に「Ingress」のイベントを5月に実施する予定。石巻の街を歩いてIngressを楽しみながら、かつての石巻の風景など、新たな発見をしよう、といった企画になるようです。今からIngressをプレイして、大型連休で現地を訪れてみるのもおもしろそう。街を歩きたくなる「Ingress」、この春、イチオシのゲームです。