みんなのケータイ

 昨年後半、PC業界ではWindows 8.1の登場とともに8インチクラスのWindowsタブレットがOffice付きで4~5万円程度で販売され始め、話題となった。日々の仕事をこなす上で捨てるに捨てきれないWordやExcelの校閲ツールをまともに使えるという期待感。ビジネスユーザーにとって、iPadでもAndroidタブレットでもなく、Windowsという響きは非常に心地よく聞こえるのかもしれない。

 かく言う筆者も昨年末、Acerの「Iconia W4-820/FH」を購入し、仕事用のメインマシンとして活用し始めた。

Iconia W4-820/FH(左)とAQUOS PHONE SERIE SHL22

 導入のそもそもの理由は、取材や出張の際にできる限り身軽でいたい、というもの。従来使っていたThinkPad X201s+大容量バッテリーという構成だと、デジカメやらICレコーダーやら取材道具一式を合わせると、それなりの重量になり、とりわけACアダプターを持ち運ぶ必要がある泊りがけの出張の場合にはさらに目方が増すことになる。加齢の影響もあってか、足腰に来るようになった。

 一方、Iconia W4-820の重さは415g。Nexus 7(Wi-Fi版)の290g、iPad mini Retina(Wi-Fi版)の331gといった重量と比べると、100gほど重たいことになるが、ノートPCを持ち歩くことに比べれば、大幅な減量に成功している。また、出張の際にはMicro USBケーブルで充電できるため、大きなACアダプターも不要。カバンもダウンサイジングできそうだ。

 ただ、実際に使ってみて、厳しいと感じる部分もある。例えば、画面の小ささ。この先、加齢の影響は足腰だけでなく視力にも表れることを考えると、今はまだ大丈夫だが、数年後が不安である。また、ポインティングデバイスでの利用に最適化されたWindows(デスクトップ)なだけに、8インチという面積に押し込められてしまうと、タッチ操作での押し間違えが多発する。結局、BluetoothキーボードとBluetoothマウスを購入した上で、会社のデスクには27インチのディスプレイを設置した。

 「みんなのケータイ」というコーナー名なのでWindowsタブレットをネタとして扱うには若干の違和感があるのは否めないが、とりわけビジネスユーザーにとっては、iPadとAndroidだけがタブレットの選択肢じゃないよ、というのが今回のメッセージである。