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大手キャリアの格安SIM? 2年縛りナシの「Y!mobile データSIM」

 NTTドコモやauの回線を借り受けたMVNOが提供している、安さをウリにする“格安SIM”。そんなMVNOの格安SIMに真っ向から対抗するようなSIMカードが、大手キャリア(のサブブランド)のY!mobileから登場した。

 8月1日にオープンしたY!mobile公式オンラインストア「Y!mobile Selection ヤフー店」。そのオープンにあわせてひっそりと販売を開始した「ワイモバイル SIMスターターキット」がそれだ。

「ワイモバイル SIMスターターキット」。パッケージの表示は音声SIMだが、契約時にデータプランも選べる

 このスターターキットは事務手数料相当が含まれた税込3240円のパッケージで、プランは契約時手続き時に複数から選べるが、目を引くのがY!mobileショップでは提供されていない「データSIMプラン」だ。このプランは月額980円で、毎月1GBまでのデータ通信ができる。ポイントは、大手キャリアのSIMだが2年縛りが存在しないこと。好きなタイミングで解約できるのだ。

 そして、ヤフーの優待サービス「Yahoo!プレミアム」会員なら、毎月480円割引され、月額500円でずっと利用できるというキャンペーンが実施されている。Yahoo!プレミアム自体が月額462円(税抜)の有料サービスなので、あわせて月額962円(税抜)ということになるが、「ヤフオク!」などを利用するためにすでに加入しているユーザーには嬉しい特典だろう。

 大手キャリアの回線で、格安SIM並みの料金、契約期間がなく気軽に利用しやすいということで、気になっていた「Y!mobile データSIM」。ちょうど先月末、ドコモのデータ容量を使いきってしまったこともあり、試しに契約してみた。

 SIMサイズを選んで購入後、SIMパッケージが届く。契約手続きを行うと、SIMが利用できるようになる。契約はスマートフォンなどから、必要時事項を記入して本人確認書類をアップロードする。支払い用にクレジットカードの登録も必要だ。全て送信して10分ほどで、開通連絡が来た。

 サブ端末として利用している、SIMロック解除済みのiPhoneで使ってみた。iPhoneでは、SIMを挿入しただけでは利用できなかったが、ワイモバイルの公式サイトから設定情報が入った「構成プロファイル」をインストールすることで、LTE通信が問題なく利用できた。電波の掴み方は、ソフトバンクのiPhoneを利用しているときと遜色ないようだ。

SIMフリーiPhoneではワイモバイルが公式サイトで配布している構成プロファイルを利用する
登録後「My Y!mobile」からヤフープレミアムに登録したアカウントを連携すると割引が受けられる
iPhone上のネットワーク表示は「SoftBank 4G」だ

 MVNOでは、昼休みや朝夕の通勤時間帯などに大量の通信が集中するので、どうしても遅くなってしまいがちだ。そこは大手キャリアの余裕(?)なのか、お昼時でも通勤時間帯でも、安定して通信できている印象だ。スピードテストアプリで何度かテストしてみたが、この記事を執筆している19時半の時点でも、ダウンロード速度で15~40Mbps程度で、安定して出ている。

 このSIMのもっとも効果的な利用法は、デュアルSIM仕様のスマートフォンで、MVNOの格安SIMと組み合わせることだろう。普段はMVNOの大容量の回線を使って、どうしても速度が下がりがちなお昼時には、使用するSIMカードを切り替えて、Y!mobileのデータSIMで快適に通信する。こういう“いいとこ取り”な使い方ができるのも面白いSIMカードだと思う。