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やっぱりまだ使いづらい? Windows 10 Mobileの地図問題

【NuAns NEO】

 前回、「Windows 10 Mobileってアプリが少ないでしょ?」ってよく言われるけど、必要なものは揃ってるし、そんなに困ってませんよと書きましたが、ごめんなさい。実はアプリに関してひとつだけ、不満に思っていることがありました。それは「地図」についてです。

 筆者はこれまで「IS12T」(富士通製/Windows Phone 7.5→7.8)、「MADOSMA Q501」(マウスコンピューター/Windows Phone 8.1 Update→Windows 10 Mobile)、そして今愛用している「NuAns NEO」(Windows 10 Mobile)と、3台のWindowsスマートフォンを使ってきました。どの機種にもそれなりに思い入れがありますし、買って良かったと満足していますが、唯一標準のマップについてだけは、いつも不満に思っていました。特に最初の「IS12T」のマップは、今振り返ってもそれはそれはひどいものでした。地名がほとんど英語というだけでなく、道路も国道が線でひょろひょろっと載ってるだけ。初めて起動したときには思わず、「白地図か!」とツッこんでしまったくらいです。

 そこからアップデートによって日本語が表示されるようになり、地名や道路もぐっと詳しいものになったのですが、Windows Phone 8では、なぜか採用されるマップが従来の「Bing Maps」から、まだ日本をちゃんとカバーしていない「Nokia Maps」に変更されてしまいました。おかげでWindows Phone 8.1 Updateを搭載した「MADOSMA Q501」の国内地図は、またもや白地図に逆戻り。これがあまりに不評だったため、マウスコンピューターでは苦肉の策として、地図アプリ「MapFan」をバンドルすることにしたくらいです。

 しかし、Windows 10 Mobileになって、その環境は激変します。再び「Bing Maps」が採用されて、マップは一気に実用に耐えうるものになりました。現在地が表示できるのはもちろん、クルマ、公共交通機関、徒歩のドアtoドアの経路検索もできるようになりましたし、近くのお店を探したり、お気に入りの場所を登録することも可能になりました。いずれもGoogleマップではもはや当たり前の機能ですが、これまでの白地図を思えばものすごい進化です。

 こうした経緯もあって「NuAns NEO」を使い始めた当初、私は標準のマップに対して「これだけできればもう十分だ」と思っていました。何せ今までが今までだったので、「それに比べれば……」と評価がかなり甘くなってしまっていたのです。しかし、実際に端末を使い込むようになると、やっぱり他のスマホに比べて不満に感じることがいくつか出てきました。

Windows 10 Mobile標準のマップでは、現在地が◎で表示されるだけ

 たとえばWindows 10 Mobileのマップでは、現在地はわかるけれど、今自分がどちらの方向を向いているのかがわかりません。Googleマップはもちろん、iOSの標準マップでも、端末をその方向に向けると地図がくるっと回転したり、矢印でどちらを向いているかわかるようになっていますが、Windows 10 Mobileのマップでは、現在地が点で表示されるだけです。

 ただし、この不満は、Windowsストアで入手できる「MapFan」や「くるくるまっぷ」といった他の地図アプリを使うことで、割と簡単に解決できます。近くに目的地があり、自分がその方向に向かってちゃんと進んでいるかどうか確認したいときなどは、これらのアプリを起動すればいいのです。

「MapFan」(左)や「くるくるまっぷ」(右)を使えば、自分がどちらの方向を向いているのかをチェックできる。ただし、いずれのアプリも経路検索できるのはクルマと徒歩のみで、公共交通機関には非対応

 Windows 10 Mobileの地図について本当に不自由さを感じるのは、たとえば良くあるこんなシーンです。

1.友達からメッセンジャーなどで「食べログ」や「ぐるなび」、「HotPepper」などのお店情報が送られる
2.リンクをタップしてお店情報を表示する
3.お店情報の住所から地図を開いて場所を表示する
4.地図の経路検索でお店までの道順をチェックする

 AndroidスマホやiPhoneの場合、まず2の段階で各グルメサイトの公式アプリを起動するという選択ができます。さらに3では地図をGoogleマップアプリ(またはiOSの標準マップ)で開くことができ、そのままアプリ上で4の経路検索ができます。グルメアプリと地図アプリが連携できるようになっているので、1~4までの流れが実にスムーズなのです。

 これがWindows 10 Mobileだと、2以降すべての手順がブラウザ上での操作になります。今のところ各グルメサイトの公式アプリがリリースされていないので、お店情報はブラウザで開くしかないですし、そこで「地図アプリで見る」と書かれたボタンをタップしても地図アプリは起動しません。ブラウザ上にそのままGoogleマップが開くだけです。もちろんブラウザで開いたGoogleマップでもちゃんと経路検索はできるのですが、アプリに比べるとやっぱり使いづらさを感じてしまいます。

Androidではグルメアプリの「地図アプリで見る」から、Googleマップアプリが起動。お店を地図上に登録したり、経路検索をしたりといった操作が実にスムーズにできる
Windows 10 Mobileではブラウザ上でお店情報を表示。「地図アプリで見る」をタップすると、お店の座標データに基づき、Googleマップ上に位置が表示される

 Windows 10 Mobileで直接Googleマップが使える「gMaps」という地図アプリもあることはあるのですが、このアプリも残念ながら、グルメサイトの「地図アプリで見る」ボタンには連動していません。やっぱりここはGoogle公式のGoogleマップアプリの登場を期待したいところ。MicrosoftとGoogle。大人の事情もいろいろとあるのでしょうが、これがWindows 10 Mobileユーザーの切なる願いです。