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リンク・エボリューション、IrMC携帯対応のワンチップLSIを開発
4月23日、都内でリンク・エボリューションの主催によるセミナーが、赤外線通信技術関連企業を集めて開催された。セミナーでは、同社が開発した携帯電話向けIrMCアプリケーションの発表や、代表取締役社長の北角権太郎氏によるビジネス展開に関する講演が行なわれた。
ドコモの新機種に搭載されるIrMC機能
リンク・エボリューション 代表取締役社長の北角権太郎氏
「IrMC(Infra-red Mobile Communication)」は、エリクソン、ノキア、ヒューレット・パッカード、松下通信工業、NTTドコモなどが提唱するモバイル端末向けの赤外線通信規格。ドコモの503iシリーズの一部モデルでもすでに採用されている。
セミナーを主催したリンク・エボリューションは、モバイル情報端末や産業用赤外線通信などの開発会社で、IrDAやBluetooth SIGといった標準化団体にも加盟している。USB対応IrDAアダプタ「IrSTICK」や、Bluetooth対応CFカードアダプタ「IbCARD」などの製品をはじめ、近距離無線通信技術を中心としたソリューションを提供し、NTTの赤外線インターフェース付きISDN公衆電話をはじめ、PDAや携帯ゲーム機、マルチメディア端末(キオスク端末)などで同社の技術が採用されている。
今回のセミナーでは、5月にNTTドコモから発売予定の「504iシリーズ」全機種に標準搭載予定とされているIrMC機能に対応したネットワーク構築のための基本ソフトを開発し、このソフトとIrMC機能を1チップ化したモジュール/LSI製品を順次販売する予定であることが明らかにされた。この製品を内蔵することにより、各機器の従来インターフェイスにIrMC機能を追加できるという。
リンク・エボリューションは、IrDAやBluetoothなどの標準化団体に加盟
同社の技術は、NTTの赤外線インターフェース付きISDN公衆電話をはじめ、携帯電話やPDA、マルチメディア端末などに採用されている
リンク・エボリューション製のUSB対応IrDAアダプタ「IrSTICK」
同じく同社製のBluetooth対応CFカードアダプタ「IbCARD」
リンク・エボリューションの北角社長はまず、504iシリーズでは従来9.6kbpsだったパケット通信速度が、その3倍の最大28.8kbpsに高速化するのをはじめ、iアプリの制限容量の緩和(30KB)、従来は機種依存で同じ対応機種同士でしか通信できなかったIrMC機能が、504iシリーズでは全ラインナップ間で可能になるといった、すでに一部誌面で報じられている内容を紹介。ドコモの調査では「504iシリーズへの機種変更希望者が37%」であることから、2002年中には最低でも1000万台のIrMC搭載携帯電話が普及する可能性があるとの見通しを明らかにした。
また、NTTドコモとの地道な共同開発により、1998年に世界初のフルスペックIrMC対応機として誕生するはずだった携帯電話「Mova 401」が欠番となってしまったエピソードも紹介し、IrMCの規格制定当初から堅実に研究を行なってきた自社の実績、IrMC全般の進化過程などを解説した。そして今後、iモードとiアプリにIrMCが加わることによる可能性と応用例をいくつか紹介した。
北角氏は、「自社のLSIとソフトを汎用の電化製品に使用することで、IrDAの基本プロトコルおよび携帯電話向けのIrMC規格が搭載でき、インターネット上のコンテンツをiアプリからダウンロードしたりアップロードしたりできるようになる。例えば、インターネット経由でiモードから料理レシピを入手し、赤外線で電子レンジにレシピを転送したり、インターネットから選択した番組表を携帯電話から赤外線で予約録画したり、健康器具の測定データを赤外線で携帯電話に転送し、インターネットから健康診断のアドバイスを受けたりするなどの用途が考えられる」と述べた。つまり、家電に赤外線通信機能を搭載し、携帯電話をその仲介役とすることで、ホームネットワークを構築しようという発想だ。
同氏は、このような生活関連機器をIrMC対応携帯電話に対応させる自社のソリューション製品群として、先述のソフトとIrMC機能を1チップ化したモジュール/LSI製品などを紹介。本来はここで、504iシリーズの実機を用いたデモが披露される予定となっていたが、諸般の事情により延期となり、5月にモジュール/LSI製品の詳細を発表する際に改めてデモが行なわれることを告知した。
従来は同じ対応機種同士でしか通信できなかったIrMC機能が、504iシリーズでは全ラインナップ間で可能に
携帯電話をルーターにし、家電に赤外線通信機能を搭載することで、各々の複雑な設定をインターネット経由で携帯電話に肩代わりさせることができると考えられる
日本エリクソン 鈴木氏の基調講演も
日本エリクソン 事業開発本部 営業本部長の鈴木寛氏
このほか同セミナーでは、IrMCを提唱する日本エリクソンから事業開発本部 営業本部長の鈴木寛氏を招いた基調講演も行なわれた。鈴木氏からは、先述のIrMC対応携帯電話による応用例にも共通する、スウェーデンの小売店「ICA」で実施された携帯電話による決済のトライアル例が紹介された。
このトライアルでは、携帯電話にバーコードリーダーを装備し、買い物客は商品を選んだら自ら商品バーコードを携帯電話でスキャンさせてからカゴに入れ、最後にレジのPOS端末でクレジットカードの代わりに携帯電話で決済を行なうという。同氏は、これにより店側は店舗運営の効率化を図れ、客側は自分の商品購入状況を随時携帯電話で確認できるというメリットが生まれるとコメントし、Bluetooth対応携帯電話の普及を待って、順次商用化されることを付け加えて説明した。
スウェーデンの小売店で実施されたトライアルでは、携帯電話に装備したバーコードリーダーで、買い物客自身が商品をセルフスキャンする
・ リンク・エボリューション
http://www.linkevolution.co.jp/
・ 日本エリクソン
http://www.ericsson.co.jp/
(松下 麻利)
2002/04/23 23:02
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