3月28日~29日の2日間、都内ホテルでPalm OS関連ソフトウェアの開発者向けフォーラム「PalmSource Japan Forum 2002」が開催されている。開幕日となる28日、同社CEOのデビッド・ネーゲル氏が基調講演を行なった。
講演は、主に今後の事業展開と対応アプリケーション、同社が6月にリリース予定のPalm OS 5について語られた。冒頭、同氏は出荷台数ベースのシェアや、企業の導入希望PDAなどのデータを引き合いに出し、いずれもPocket PCと大きな差を付け、Palm OSがトップシェアであることを強調した。さらに、PDAの売り上げが今後2、3年で現在の3倍の年間5000万台になるというIDCの予測をスクリーンに映し、「PDAならパソコンに比べ価格も手ごろ。パソコンに完全に取って代わるだろう」と語った。
その後、話題は最新版のPalm OS 5の話題に移り、StrongARMへの対応を最大の変更点と述べ、従来のPalm OS搭載PDAを遙かにしのぐCPUパワーが得られるとアピールした。さらに、Bluetoothや無線LAN(IEEE 802.11b)の標準サポート、セキュリティ機能の強化などの新機能を説明。また、これまで利用されてきたアプリケーションとの互換性も高いレベルで保たれているという。
Palm OS 5は、インテルのXScaleアーキテクチャのCPUにも対応しており、メーカー各社に対しての正式版の出荷は、英語版、日本語版ともに6月になる見込み。講演ではTexas InstrumentsやMotorolaのプロトタイプ基板を用いたデモも行なわれた。
基調講演後に催された記者会見では、日本も含め世界規模でハードウェア部門とソフトウェア部門の分社化を行なうこと、Palm OS 5を搭載したPDAがStrongARMを搭載しても、Pocket PCよりも低コストであることなどが明らかにされている。
Palm OS 5は高解像度にも対応。標準で160×160、320×320のプロファイルが用意されるが、メーカー側で自由に設定を変更できる仕様になっている
展示会場では折りたたみ型CLIEが人気
なお、展示会場では、主要スポンサーとなるパームコンピューティングとソニーのブースを中心に、PDAやソリューション、Palm OS 5のデモなどが行なわれていた。特に注目を浴びていたのはキーボード搭載折りたたみ型のCLIE「PEG-NR70」シリーズ。キーボードの感触やソフトウェアスタイラスゾーンの反応を確かめる来場客が目立った。また、パームコンピューティングが27日に発表したm130も展示されていた。