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ローカス、携帯電話の位置情報を精密に特定する技術を実験

 ローカスは、携帯電話の位置情報を精密に測定する技術を開発し、KDDIのcdmaOne網を使った実験を開始した。米国では携帯電話からの緊急通報時にある誤差範囲内での位置情報を事業者に義務付ける法律が施行されており、ローカスではそのための技術として主に米国への展開を予定している。

 ローカスが開発した技術は、基地局と携帯電話でやり取りする電波の強さなどを測定し、基地局からの距離を類推して位置情報を測定するというもの。携帯電話の方式に依存せず、ローカスでは米国で一般的なTDMA-136方式とGSM方式への導入を予定している。PDC方式やCDMA方式への応用も可能だが、ローカスでは開発した技術が米国の携帯電話の位置情報測定システムとして普及した後、他の方式への展開を見込んでいる。

 auでは、基地局が発する電波の時間差を測定して距離を類推する「AFLT」と呼ばれる技術を採用しているが、この方法で正確に位置測定できるのは障害物のない平坦エリアに限られ、障害物に電波が反射する環境では誤差が大きくなってしまう。

 これに対してローカスが開発した技術では、測定エリアの地形や建造物などのデータを用い、反射波を考慮した位置測定を行なう。そのため、建造物などの障害物が多いエリアでも、反射波による誤差を抑えることができるという。

 auではGPSを用いた精密な位置測定サービスを提供しているが、GPSは建造物の多い環境では衛星からの電波を受信できず、誤差が大きくなる問題があった。それに対してローカスの開発した技術は、GPSに精度は劣るものの、通話エリア全域で位置測定が可能で、端末側にGPSを搭載するなどの機能追加が不要なことがメリットとなる。

 米国の法律では、緊急通報時に発信者の位置情報を特定するため、67%のエリアで誤差100m以内、95%のエリアで誤差300m以内と規定している。ローカスが国内で実験したところ、同技術はこの誤差範囲内で収まったという。

 今後ローカスは国内でさらに実験を行ない、その実績をもとに米国キャリアでの実証実験を行なう予定。


・ ローカス
  http://www.locus.ne.jp/


(白根 雅彦)
2002/03/15 20:42

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