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総務省は、民間企業と共同で携帯電話の“視聴率”を算定するための実験を秋頃を目途に実施する。
総務省では、今年1月に「ICT先進事業国際展開プロジェクト」で実施するテーマを募集し、ICT利活用ルール整備促進事業(サイバー特区)において、オープンモバイルコンソーシアム(OMC)らが提案した全数型モバイル視聴率調査に関する実証実験を行うことを決めた。
OMCは、オープンなモバイル環境を作るための提言や、モバイルビジネス市場の発展を目指して制度設計などを行う業界団体(一般社団法人)。花王やサントリー、JCB、ANA(全日本空輸)、日本コカ・コーラ、ホンダ(本田技研工業)のほか、携帯関連企業など、現在2~30社が加盟している。
OMCに加盟するケイタイ広告の代表取締役社長 小野達人氏によれば、携帯電話の広告市場は、テレビの視聴率に相当するような広告主の求める指標がないために、広告が出稿しにくい状況になっているという。
ナショナルクライアントと呼ばれる広告出稿量の多い大手企業では、マーケティング予算を決定する際に、テレビや新聞、インターネットなどのユーザー利用動向を調査した上で、それぞれにマーケティング予算を配分していく。
しかし、携帯電話の広告市場には、テレビの視聴率やGRP(Gross Rating Point)に相当するような指標がないために、適正な予算配分ができないのだという。「パソコンと比較すると携帯電話市場の方がユーザー数は多いものの、広告市場としてはまだまだ小さく、広告出稿している企業が限られている。ナショナルクライアントは、広告媒体として携帯電話を使ってみたいが、適正なボリュームがわからないでいる」(小野氏)。
実験では、携帯電話事業者のゲートウェイサーバーを通過した携帯ユーザーのネット利用動向を分析し、「ケータイ視聴率」の実現に向けて可能性を模索していく。ただし、小野氏は「ケータイ視聴率には、キャリアの協力が無ければできない難しさがある」と語っており、事業者が現時点で公表していないデータをどこまで公表するのか未知数だとした。また、通信情報の秘密という法律もあるため、「個人情報などへの配慮も含めて実験を通して考えていく」としている。
■ URL
報道資料(総務省)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin01_000011.html
オープンモバイルコンソーシアム
http://www.openmobileconsortium.org/
■ 関連記事
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・ 「モバイル・インターネット視聴率」の実現を業界団体が提案
(津田 啓夢)
2009/06/17 18:46
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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