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富士通、ウィルコム網活用のノートPC盗難対策ソリューション
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富士通、富士通研究所、ウィルコムの3社は、電源OFFされたノートパソコンのHDDを、ウィルコム網を通じて遠隔からデータ消去できる法人向けセキュリティソリューションを発表した。2009年第3四半期にも、対応するノートパソコンが登場する予定。
今回のソリューションは、ウィルコムのPHSモジュールを内蔵した対応ノートパソコンにおいて、電源OFFの状態から遠隔操作でHDD内のデータ消去が行えるというもの。サービスの詳細や提供価格などは今後明らかにされる予定。
ノートパソコンを盗難・紛失した場合に、PHSの通信圏内であればHDDのデータを全消去、およびPCロックがかけられる。内蔵されるPHSモジュールは、今回のセキュリティソリューション専用のものとなり、PHSのデータ通信などには利用できない。ただし、ノートパソコンを電源OFF(シャットダウン時)やスリープ状態にしても、遠隔操作でデータ消去が行える。
Windowsを起動せずに、BIOSのみでHDD内のデータが消去される。対応するノートパソコンでは常にデータを暗号化して記録する。HDD内のデータを消去する際は、暗号鍵を上書き消去するため、実質的にデータの複合化ができない状態になるという。暗号鍵の消去は数百ミリ秒で完了する。
また、データを消去すると消去証明のレポートが管理者宛に通知される。パソコンへの最終ログイン時刻なども報告されるため、例えば、ノートパソコンを紛失してからデータを消去するまでに誰かがデータにアクセスしたかどうかが判別できる。
専用PHSモジュールの待機電流は1mA以下。ノートパソコンのバッテリーが半分程度残っていて電源OFF状態の場合、内蔵の通信モジュールは1週間程度動作するという。バッテリーが残っていない場合は動作しないが、充電や再び電源を入れた際に自動的にデータ消去やPCロックがかかる仕組みを検討しているという。
ソリューションのサービス提供主体は富士通となる。法人ユーザーはウィルコムとの契約は必要なく、富士通側と契約して利用する。富士通では、同社の法人向けノートパソコンのラインナップにおいて、順次今回のソリューションをサポートしていく方針。ソリューションはオプションサービスとして提供される予定。サービス価格について明言は避けられたが、月額制ならば3桁の金額に留まるものとみられる。
また、富士通グループ社員のノートパソコンにも順次導入する予定。それだけで10万台規模になるとしている。今回のソリューションは、5月14日15日に東京国際フォーラムで開催される展示会「富士通フォーラム2009」に参考出品される予定。
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写真左から富士通の五十嵐氏、ウィルコムの土橋氏、富士通 パーソナルビジネス本部 ソリューション開発統括部長 足利靖氏
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発表会に登壇した富士通の経営執行役 パーソナルビジネス本部長の五十嵐一浩氏は、モバイルコンピューティングが進化する中で、情報漏洩などのリスクを回避するため、ノートパソコンが持ち運ばれない状況になっていると説明。同氏は持ち運ばれないノートパソコンについて「一体何のためにあるのか? これまでの盗難紛失対策は万全ではなかった」と述べた。
また、ウィルコムの取締役執行役員副社長の土橋匡氏は、富士通の初代LOOXから「Air H"in」としてPHSモジュール内蔵端末を提供してきた背景を語った。同氏はPHSが採用された理由として、カバーエリアや、低消費電力と低電磁波による常時待受、W-SIMによる小型化された通信モジュールなどの点を説明した。
なお、ウィルコムでは、富士通への回線提供について再販の形をとるか、いわゆるMVNOと呼ばれる帯域販売の形をとるか検討中としている。
■ フォトギャラリー
■ URL
ニュースリリース(富士通)
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2009/05/7.html
ニュースリリース(ウィルコム)
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2009/05/07/index.html
(津田 啓夢)
2009/05/07 14:54
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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